• December 7, 2020

コロナ再拡大 ...12月のニューヨーク

早いもので、2020年も12月。この週末にはついに摂氏で零下になるなど、寒さも本格化してきました。 新型コロナウィルスの感染拡大で始まり、その再拡大で終わりそうな1年(涙)。やはり寒くなったからなのか、世界中で感染の第3波到来と言われています。 12月6日時点のアメリカ及びニューヨークの新型コロナウィルス感染者数・死者数は以下のとおりです。 アメリカ合衆国:感染者 15,131,292、死者  288,821 ニューヨーク州:感染者     742,614、死者   34,984 ニューヨーク市:感染者      307,268、死者    24,365 (アメリカとニューヨーク州の情報はWorldometer、ニューヨーク市の情報はNew York Cityのサイトを参照。ニューヨーク市の死者数は、コロナが原因と確定された死者(Confirmed Deaths)と、コロナが原因と推定された死者(Probable Deaths)の合計。) もうこの段階で感染者や死者の総数を見てもあまり意味はないのかもしれませんが、アメリカ全体での感染は恐ろしいくらいのペースで拡大しています。 前回コロナ感染に関する人数を掲載したのが10月26日のブログで、それから1ヶ月と10日という中途半端な期間が経ってしまいましたが...一応そのときの人数と比較すると、アメリカ全体の感染者数・死者数はそれぞれ71%・25%の増加となっています。 […]

  • November 9, 2020

アメリカ大統領選挙の一週間

アメリカ東部時間の11月7日(土)の午前11時半頃、CNNで民主党のジョー・バイデン大統領候補の当選確実が報じられました。 その直後から、私が住むアパートの近所では歓声が沸き起こり、通り過ぎる車はクラクションを鳴らして祝福していました。民主党支持者が圧倒的に多いニューヨーク市では、街中に人だかりができて盛り上がり、まるで戦争にでも勝ったような歓喜に包まれました。久々に暖かく、天気も良い一日でした。 それにしても、刻々と伝えられる選挙の行方に翻弄された一週間でした。前回のブログで、事前調査の情報をもとに「バイデン候補が激州も含めて優位なまま進んでいるようで、普通に考えればほぼ決まり...」なんて書きましたが(汗)、今回の大統領選でまたしてもメディアの予想はかなり外れ、結果が何日も決まらない大接戦になりました。私自身も含め、アメリカに住む人の気持ちはローラーコースターのように上下したと思います(笑)。 自分の記録のためにも、一週間を振り返ってみます。 選挙前 そもそも、私はアメリカの市民権を持っていないので、アメリカでの選挙権はありません。なので、これまでは選挙結果がどうであれ対応して生きていくのみ、というスタンスでした。 しかし、トランプが大統領になると、彼は自身の保守的な支持層を意識して、移民を制限したりLGBTの権利を後退させるような政策を推し進め、私のようなマイノリティがアメリカで生き辛くなる状況を作っていきました。今夏の「Black Lives Matter」の人種差別反対運動に対しても、強権的な姿勢で対処しました。 また、株価が上がるなど良いことがあれば自分の手柄、悪いことがあれば人のせいにし、自分を批判する人達やメディアをTwitterなどで罵る姿を、毎日のようにニュースで聞かされることにもうんざりでした。 さらに、決定打として、新型コロナウィルスの感染拡大に対しては、専門家の見解を聞かず、ウィルスはすぐなくなるだの科学に基づかない言動を繰り返し、人命軽視とも思える態度で、当初感染が爆発していたニューヨークで生活している私達をとても不安にさせました。コロナが広がり始めた時点でどんな対応が正しいかを判断するのはどの国でも難しく、自分の政権時にパンデミックが起こったのは不運でもあったと思いますが、一国のリーダーとして責任を持って危機に取り組む姿勢を見せて欲しかったと思います。 私としては、あと4年間トランプを見続けるのは我慢できないという思いで、政権交代を望むようになりました。周りの友人の多くも、BLMのデモに積極的に参加したり、大統領選挙でのバンデン候補の支援をFacebook等で呼び掛けたりしていて、そういった影響も受けました。 ニューヨーク市では、先月末に期日前投票が始まってから、毎日のように投票所に長蛇の列が出来ていました。今回の選挙で必ず意思表示をしなければならないという有権者の強い意識を感じました。世論調査ではトランプに不利な状況だということで、流石にトランプの二期目はないだろうと期待していました。 11月3日(火)投票日 3日の投開票日には、東海岸の午後7時頃から順次投票が締め切られ、開票が東部→中部→西部と進んでいくことになっていました。 開票の開始が近くにつれ、私は仕事中ながら気がそぞろになり...いくつかの選挙予測サイトで激戦州の結果予想をチェックしました。大抵の激戦州では、トランプが追い上げてはいるもののバイデンがリードを維持していて、そんなに心配する必要もないだろう、と気持ちを落ち着かせました。 そのうち、東部各州の開票速報が順次入ってきました。東部の注目の激戦州としては、まず毎回接戦になるフロリダ州、そしてジョージア州、ノースカロライナ州、オハイオ州などです。 フロリダ州(選挙人29)は、トランプがここで負ければもう終わりかと言われていた州で、開票当初はバイデンがリードしていたので、ここで決まるといいなと思っていたのですが...その後にトランプの票が急速に伸びて巻き返し、日付が変わる頃にはトランプの勝利が確実になったと伝えられました。 オハイオ州(選挙人18)でも開票してから結構あっけなくトランプの勝利が確実になり、ジョージア州(選挙人16)・ノースカロライナ州(選挙人15)でも票差は小さいながらトランプがリードしていました。 そして、共和党の牙城ながら今回はバイデンがかなり善戦するかもと言われた南部テキサス州でも、実際にはトランプが余裕のリードで勝利しました。 […]

  • October 26, 2020

大統領選を控えて...ニューヨークの今

10月も終わりに近づきつつあります。ニューヨークでは思ったほど寒さも進まず、比較的過ごしやすい日々が続いています。 アメリカ大統領選のゆくえ ニューヨーク州では、10月24日(土)から大統領選(と上院・下院選)期日前投票が始まりました。私の近所の投票所では、何ブロックも続く長い列ができていました。Social Distancingを守って通常より間隔をあけ、時間もかかっているようです。 Facebookでも、この週末に投票を済ませた友人達の投稿が並んでいます。3時間以上並んだ、と言う人もいました。今から4年前、8年前の大統領選のときにどうだったか覚えていないのですが...今回は特に大統領選挙に対する並々ならぬ熱気を感じます。 前回のブログを書いたのは、トランプ大統領が新型コロナウィルスに感染したというニュースが出た直後でしたが、その後のスピード回復と選挙活動の再開、そして副大統領候補の討論会、大統領候補の第2回討論会、と様々な出来事がありました。 各マスメディアが出している事前の世論調査を見ると、今月に入って大きな変化もなく、民主党のバイデン候補が激戦州も含めて優位なまま進んでいるようで、普通に考えればほぼ決まりと言えそうです。が、2016年の前回大統領選での大逆転劇を引きずって、どのマスメディアも予想を断言しにくいように見えます。 隠れトランプ支持者というのがどれ程存在するのか、数字で証明された訳でもないし分からないのですが、残り1週間あまりで何か大きなスクープが出てくるかもしれないし、11月3日の大統領選当日まで目が離せない展開になりそうです。 新型コロナの状況 さて、大統領選の中でも最大の議題となっている新型コロナの感染状況ですが、10月25日時点のアメリカ・ニューヨークの新型コロナウィルス感染者数・死者数は以下のとおりです。 アメリカ合衆国:感染者  8,858,046、死者  230,235 ニューヨーク州:感染者     531,437、死者    33,564 ニューヨーク市:感染者     252,281、死者    23,967 (アメリカとニューヨーク州の情報はWorldometer、ニューヨーク市の情報はNew […]

  • October 5, 2020

10月になりました...ニューヨークの今

あっという間にもう10月。ニューヨーク市では、日々気温が上下しながらも段々涼しく、肌寒くなってきました。 私の会社は少し珍しく9月30日が年度末なので、今月から新たな年度に入りました。まだテレワークが続いていて、先が見えない状況が続いています。 さて、10月4日時点のアメリカ・ニューヨークの新型コロナウィルス感染者数・死者数は以下のとおりです。 アメリカ合衆国:感染者  6,708,458、死者  198,520 ニューヨーク州:感染者     477,606、死者    33,116 ニューヨーク市:感染者     233,216、死者    23,743 (アメリカとニューヨーク州の情報はWorldometer、ニューヨーク市の情報はNew York Cityのサイトを参照。ニューヨーク市の死者数は、コロナが原因と確定された死者(Confirmed Deaths)と、コロナが原因と推定された死者(Probable Deaths)の合計。) 前回のブログに載せた9月13日時点のコロナ感染者数・死者数と比べると、大まかな感染の状況はあまり変わっていないようです。州によって違いはあるでしょうが、アメリカ全体での感染拡大の勢いはまだ衰えていません。 ニューヨーク州・市では、他州に比べると感染拡大のペースは抑えられているようですが、先週辺りからニューヨーク市のブルックリンやクィーンズの一部のエリアでクラスター感染が発生していて、引き続きSocial Distancingを守るように注意喚起されています。コロナの陽性率が高まっている地域に限定して、一部の経済活動(レストランの営業等)が規制されることにもなりそうです。 […]

  • September 14, 2020

9.11、そしてブログ一周年

9月11日。2001年に起こった同時多発テロ事件からちょうど19年目になりました。 ニューヨーク市のOne World Trade Centerでの追悼式典は、毎年主要なテレビ局で生中継されています。例年であれば、犠牲者の遺族の方々が犠牲者のお名前を一人一人読み上げていくのですが、今年はコロナ禍の状況もあり、犠牲者のお名前の読み上げは全て録音でした。 あの事件が起きてから長い年月が流れ、世界中で色々な変化がありました。それでも、多くの人はあのときの衝撃を忘れることができないでしょうし、遺族の方々の心の傷が癒えることはないのだろうと思わされます。 同時多発テロ事件は、ニューヨーク市にとって大きな試練だったと思いますが、今年のコロナウィルス感染拡大もまた本当に大きな試練です。今ニューヨークでのコロナの状況はとても落ち着いていますが、社会経済活動の制限は続いていて、市民生活に影響を与えています。小売店やレストランなどの倒産が続いています。人口流出が起きているという話も聞きます。 それでも、過去にどんな試練も乗り越えてきたように、このコロナ禍もきっと乗り越えていくことを信じています! さて、これを書いている9月13日時点のアメリカ・ニューヨークの新型コロナウィルス感染者数・死者数は以下のとおりです。 アメリカ合衆国:感染者  6,708,458、死者  198,520 ニューヨーク州:感染者     477,606、死者    33,116 ニューヨーク市:感染者     233,216、死者    23,743 (アメリカとニューヨーク州の情報はWorldometer、ニューヨーク市の情報はNew York […]

  • September 7, 2020

夏の終わり...ボストンへ行ってきました

8月最後の週にお休みをとってボストンへ旅行してきました。(8月23日〜26日) 私は、毎年夏休みに海外旅行(主にヨーロッパ)をするのが恒例でした。が、このコロナ禍で海外旅行はとてもリスクが高く、国内であっても自由に行ける州は限られています。 現在、ニューヨーク州、ニュージャージー州及びコネチカット州(トライステート・エリア)では、新型コロナの感染が拡大している他州からこの3州に移動する人に対し、14日間の隔離を科す勧告を出しています。隔離の対象となる州は現在約30州で、随時変更されますが、以下のサイトで確認できます。 https://coronavirus.health.ny.gov/covid-19-travel-advisory#restricted-states つまり、ニューヨーク州からどの州へ移動することも可能ですが、戻ったときに14日間の隔離を避けるためには、隔離の対象外の州に行かないといけません。 そこで、ニューヨークから比較的近い隔離対象外の州ということで、マサチューセッツ州のボストンに行ってみることにしました。ボストンへは、過去に仕事の出張で何度か訪れた程度で、いつかまた行ってみたいな〜くらいに思っていましたが、今回に関しては、とにかく何処でもいいのでニューヨークを出たい!という気持ちでした。 ニューヨーク州と同様、マサチューセッツ州でも、新型コロナ感染リスクが高い州から移動して来る人に対して14日間の自己隔離を義務付けています。感染リスクが低いと認められた州からの移動者は自己隔離の対象外となり、ニューヨーク市も低リスク州の中に入っていました。低リスク州は随時更新され、以下のサイトで確認できます。 https://www.mass.gov/info-details/covid-19-travel-order#lower-risk-states- 両州を移動するにあたって隔離の必要がないことを確認した上で、私はボストンでの宿泊ホテルと、ニューヨーク〜ボストン間の列車(アムトラック)を予約しました。 ホテル側は現時点での旅行に関する様々なリスクを承知しているので、予約後も宿泊の24時間前まではキャンセル料不要となっていました。 アムトラック(Amtrak)とは全米の鉄道を経営する公共会社のことです。アムトラック列車のチケットは、購入後の変更やキャンセルが可能かどうかで値段にかなり差があるのですが、両州でのコロナの状況が変わらないことを祈りつつ...一番安い変更・キャンセル不可のチケットを買いました。旅行日の10日前に購入して、往復で110ドルくらいでした。私は過去にアムトラックをそれ程利用したことがないのですが、意外に安かったです。 結局、ニューヨーク州・マサチューセッツ州相互に自己隔離対象外の州であることは旅行日まで変わらず、ホッとしながらニューヨークを旅立ちました! 行きは、アセラと呼ばれる特急(Acela Express)に乗りました。ニューヨーク〜ボストン間の距離は約350kmで、アセラでだいたい3時間40分かかりました。アメリカ版の新幹線と言われているようですが、新幹線よりは遅いです。席は全席指定、コロナ禍のために車内でのマスクの着用必須で、隣り合う2席の片方は全て空いていました。経営側からすれば大変でしょうが、利用者としては隣の席に荷物を置いて広々使うことができ、電源や無料Wifiもあるので、快適に列車の過ごすことができました。 さて、終点でもあるボストン南駅(South Station)に到着後、今回の宿泊先であるHyatt Regency Bostonに向かいました。 https://www.hyatt.com/en-US/hotel/massachusetts/hyatt-regency-boston/bosto Hyatt […]

  • August 28, 2020

8月も終わります...ニューヨークの今

あっという間に、8月も終わりに近づいています。随分涼しく感じる日も出てきました。 これまでに経験したことがない、何とも言えない夏が過ぎ去ろうとしています。休みがあっても自由に旅行に行けず、どんなに暑くてもマスクを着用する日々...ある意味、忘れられない夏になるかもしれません。世界中の人が同じように感じているのではないでしょうか。 さて、前回アメリカ・ニューヨークの新型コロナウィルスの感染者数・死者数に触れたのは7月26日のブログでした。それからちょうど1ヶ月が経ち、8月28日時点の新型コロナウィルス感染者数・死者数は以下のとおりとなっています。 アメリカ合衆国:感染者  6,086,421、死者  185,693 ニューヨーク州:感染者     463,728、死者    33,001 ニューヨーク市:感染者     229,518、死者    23,680 (アメリカとニューヨーク州の情報はWorldometer、ニューヨーク市の情報はNew York Cityのサイトを参照。ニューヨーク市の死者数は、コロナが原因と確定された死者(Confirmed Deaths)と、コロナが原因と推定された死者(Probable Deaths)の合計。) 今では、日々の感染者数や死者数といった数字自体をそこまで意識しなくなった人も多いのではないでしょうか。(私がそうです。)とは言え、感染拡大が続いているのか、収まりつつあるのか、という傾向はしっかり把握しておきたいものです。 アメリカ全体では、約1ヶ月前の数値と比べると感染者数が41%増、死者数が24%増で、まだ感染拡大が続いているように見えますが、7月と比べると、8月に入ってから勢いは収まってきているようです。 一方、ニューヨーク州では、この1ヶ月で感染者数が6%増、死者数が1%増となっていて、全米の傾向と比べると、増加のペースはかなり落ち着いています。ニューヨーク市の数を見ても、だいたい同じ傾向です。まだ、社会経済活動や州外からの移動に対してかなりの制限を設けている効果が出ていると思われます。 […]

  • August 20, 2020

コロナ禍での家計管理と資産形成 Part 3

ブログの前2回で、家計管理・資産形成のポイントについて紹介しました。 具体的に、Part 1では、自分の収入の一定割合(少なくとも10%)を貯蓄に回し、まずは生活防衛資金を貯めること、Part 2では、さらに貯まったお金を運用する、具体的には「アメリカ株式インデックス(ETF)」に「ドル・コスト平均法」による積立てで「長期投資」することをお勧めしました。 投資初心者やあまり投資に時間・労力を割きたくない人を念頭に、出来るだけシンプルに、何に投資すれば良いか紹介するだけであれば、それで終わって良かったのですが...、他の投資の選択肢を知りたい人もいるでしょうし、もちろん選択肢はたくさんあるので、今回その一部を紹介したいと思います。 高配当株投資 資産形成や投資などに関するYouTube動画を見ていると、株式インデックス投資と並んでよく取り上げられ、推奨されているのが「高配当株投資」です。 文字どおり、配当利回りが高い会社の株式に投資する手法のことです。株式会社は、各期(通常アメリカでは四半期毎、日本では半期毎)の最終利益の一部を配当金という形で株主に還元します。きちんと利益を生み出し続けている会社は、その分配当金を株主に支払う余裕があることになります。 私達が株式投資からリターンを得る方法は基本的にふたつ、①買ったときより高い株価で売って売却益を出す(キャピタルゲイン)か、②配当金をもらう(インカムゲイン)か、どちらかです。高配当株投資は、②のインカムゲインにより注目した投資法です。 高配当株投資のメリットは、何と言っても定期的に高い配当金(インカムゲイン)をもらえることです。現在、アメリカ株インデックスETFの配当利回りは2%弱程度であるのに対し、アメリカ株高配当株ETFの配当利回りは3〜6%となっています。配当金をさらに投資に回せば、投資の複利効果が期待できますし、配当金額が多くなれば、不労所得として生活費の足しにすることも可能です。 以前のブログで紹介したFIRE(Financial Independence, Retire Early)を目指している人達には、この高配当株投資を行なっている人が多いです。早期リタイアするためには、不労所得の基盤を早く作る必要があり、高配当株投資は有利になります。 ただし、高配当株投資のデメリットもあります。高配当株ETFの構成銘柄を見ると、金融、エネルギー、通信、消費財、不動産といったセクターの企業が大きな割合を占めています。かなり歴史のある大企業も多く入っています。(JPモルガン、エクソンモービル、AT&T、P&Gなど) これらの企業は、安定して利益(そしてキャッシュフロー)を出している優良な企業ではありますが、あまり大きな成長要素がないのも事実です。成長性がないので、大きな事業投資を行う必要もなく、残ったキャッシュを株主に配当として払っているとも言えるのです。 一方で、今の世界経済をリードするアマゾン、グーグル、フェイスブックといった企業は、現在配当金を一切払っていません。事業で稼いだお金を株主へ配当するより、新しい技術開発や設備への投資、他社の買収にどんどん回して成長を続けた方が、最終的には株主の利益になるという判断からです。 そして、このコロナ禍に高配当企業の株価、また高配当株ETFの価格は大きく下落し(エネルギー関連株のように、必ずしもコロナの影響と直接関係なく下落した株もありますが。)、その後の回復も遅れ気味です。それに対し、アマゾンやグーグルの株価は、コロナの影響も大して受けずに上昇を続けています。 アメリカ株インデックスには、高配当の会社も高成長(アマゾン、グーグル等)の会社もどちらも含まれています。そう考えると、長期スパンでの資産形成が目標である場合、やはりインデックス投資の方が有利になるでしょう。将来に備えて資産を築いていきたいならインデックス投資、先のことより今もらえるお金の方が大事なら高配当株投資、ということでしょうか。 個人的には、インデックス投資をメインにしつつ、高配当株投資をやってみるのもいいと思います。定期的に、高い配当金がもらえるというのは嬉しいもので、投資へのモチベーションにもなります。 […]

  • August 17, 2020

コロナ禍での家計管理と資産形成 Part 2

前回は貯蓄のポイントなどについて書きましたが、今回は貯まったお金をどうやって増やしていけるかについて触れたいと思います。 前回、以下の式を紹介しました。 収入 − 支出 = 貯蓄 (もしくは、収入 − 貯蓄 = 支出) これを少し進化させて、資産形成の公式は以下のとおりです。 資産形成 =(収入 − 支出)+(資産 × 運用利回り) 私が「お金に働いてもらう」という言葉を最初に知ったのは、ロバート・キヨサキ氏著のベストセラー「金持ち父さん貧乏父さん」からでしたが、今はどこかしこでこの言葉が使われていますね。お金を自分 の懐から取っていく「負債」ではなく、お金を増やしてくれる「資産」を買えということです。 では、どのような資産を買えば良いのでしょうか・・・? 株式への投資 資産形成のための投資を考えるとき、まず思いつくのは株式投資だと思います。 私達は、会社の「株」を買うことで会社の所有者の一人になることができ、その利益から配当金を受け取る権利をもらえます。株式市場に上場されている会社の株は、誰でも自由に売買することができます。 ある会社の株に投資するということは、その会社の将来に自分のお金を託すということでもあり、なかなかリスクを伴う行為です。その会社に将来性があるか、投資に値するかを判断するために、過去の業績や未来の予測について色々調べるのは骨の折れる作業であり、個人で分かる情報の範囲も限られます。誰もが知っている大きな株式会社(世界的にはアップルやアマゾン等)の株であっても、市場全体の動きや会社固有の事情によって株価は大きく変動します。株式投資を始めたばかりのような人は、毎日の株価の値動きに翻弄され、不安になったり合理的でない売買をしてしまいがちです。 特にこの2020年は、新型コロナウィルスの感染拡大のために、2月後半から3月にかけて株式市場全体が暴落しました。多くの国の証券取引所にはサーキットブレーカー制度があり、一定の基準を超えて株価が大幅に変動した場合取引が一時的に停止されることになっているのですが、この時期にはニューヨーク証券取引所などでサーキットブレーカーが何度も発動されました。 株式市場は4月以降に急回復しました。以下のグラフは、アメリカ株式市場の代表的な指数(インデックスと言う)、Dow Jones、S&P 500、Nasdaqの2020年の推移を示しています。Dow Jonesは、アメリカの代表的な30企業の株価を元に計算され、「NYダウ平均株価」としてニュースでも取り上げられていますが、今アメリカ市場全体の動きを示す指標として最も参照されているのはS&P 500の方でしょう。S&P 500はアメリカの株式市場に上場している代表的な500銘柄で構成されています。また、Nasdaq総合指数はハイテクやネット関連の上場企業の株価指数です。 (Source: […]

  • August 9, 2020

コロナ禍での家計管理と資産形成 Part 1

新型コロナの感染拡大は、一般市民の家計に大きな影響を与えています。社会経済活動が制限される中で、仕事を失った人、仕事はあっても給料が大幅に減った人が世界中で増えています。これからの家計に大きな不安を抱えている人は多いと思います。 私は幸いにもまだ仕事があり、今のところは大丈夫なのですが、この状況が続けばこの先何が起こるか分かりません。また、私の金融資産のかなりの割合が株式投資なので、コロナが一気に深刻化した2月後半〜3月にかけての株式市場全体の暴落や不安定な値動きには、とても不安にさせられました。 そういうこともあり、私は節約、資産形成、投資などに関する情報を発しているYouTuberのビデオを色々と見ました。また、そういったテーマに関する本やネットの記事も読みました。そして、各々によってその視点(短期投資か、長期投資か、など)は異なるものの、だいたい共通して言っていることも分かってきました。 ここでは、そういった共通点、つまり多くの人にとって当てはまるであろう家計管理や資産形成のポイントをまとめてみようと思います。大変な時代になりましたが、見方を変えれば、今の家計を見直し将来の資産形成を考えるちょうど良いタイミングなのかもしれません。 貯蓄の第一歩 自分の資産形成を考える上でまず最初にやることは、たったひとつ。それは、常に自分の収入の一定の割合を貯蓄することです。なんだ、そんなこと知っているし、聞いたことあると思うでしょう。大抵の場合において、大事なことは結構単純で、でもそれすらやっていない人も多いんじゃないかと思います。 今漫画版が日本で売れている「バビロン大富豪の教え(George S Clason著)」では、「収入の10分の1を貯蓄せよ」という教えが繰り返し言及されています。 また、億万長者が書いた人生哲学本である「私の財産告白(本多 静六著)」では、「月給4分の1天引き貯金」をして巨万の富を築いたことが記されています。 更に、以前のブログでも書いたFIRE(Financial independent , Retire Earlyの略)を目指す人達の多くは、収入の7割、8割という何ともエゲツない(笑)割合を貯蓄(投資)に回して、早期リタイアに向けて準備しているようです。 自分の収入の何割を貯蓄に回せる余裕があるかは、それぞれの人の状況によって違うと思います。7、8割なんてとんでもない、4分の1でも厳しいという人もいるでしょうが、やはり10分の1は貯蓄しておきたいものです。10分の1を貯めるとなると、残りの10分の9のお金で生活していくことになりますが、単純計算では9ヶ月経った頃に1ヶ月生活できる分のお金が溜まることになります。 そして、一定割合を貯蓄する方法として、よく紹介されているのは「給料天引き」貯金です。給料から生活費を払って残った分を貯金するのではなく、給料からまず貯金分を天引きして、その残りで生活するのです。 収入 − 支出 = 貯蓄 ではなく、 […]