コロナ禍での家計管理と資産形成 Part 1

  • August 9, 2020
  • August 16, 2020
  • お金


新型コロナの感染拡大は、一般市民の家計に大きな影響を与えています。社会経済活動が制限される中で、仕事を失った人、仕事はあっても給料が大幅に減った人が世界中で増えています。これからの家計に大きな不安を抱えている人は多いと思います。

私は幸いにもまだ仕事があり、今のところは大丈夫なのですが、この状況が続けばこの先何が起こるか分かりません。また、私の金融資産のかなりの割合が株式投資なので、コロナが一気に深刻化した2月後半〜3月にかけての株式市場全体の暴落や不安定な値動きには、とても不安にさせられました。

そういうこともあり、私は節約、資産形成、投資などに関する情報を発しているYouTuberのビデオを色々と見ました。また、そういったテーマに関する本やネットの記事も読みました。そして、各々によってその視点(短期投資か、長期投資か、など)は異なるものの、だいたい共通して言っていることも分かってきました。

ここでは、そういった共通点、つまり多くの人にとって当てはまるであろう家計管理や資産形成のポイントをまとめてみようと思います。大変な時代になりましたが、見方を変えれば、今の家計を見直し将来の資産形成を考えるちょうど良いタイミングなのかもしれません。


貯蓄の第一歩

自分の資産形成を考える上でまず最初にやることは、たったひとつ。それは、常に自分の収入の一定の割合を貯蓄することです。なんだ、そんなこと知っているし、聞いたことあると思うでしょう。大抵の場合において、大事なことは結構単純で、でもそれすらやっていない人も多いんじゃないかと思います。

今漫画版が日本で売れている「バビロン大富豪の教え(George S Clason著)」では、「収入の10分の1を貯蓄せよ」という教えが繰り返し言及されています。

また、億万長者が書いた人生哲学本である「私の財産告白(本多 静六著)」では、「月給4分の1天引き貯金」をして巨万の富を築いたことが記されています。

更に、以前のブログでも書いたFIRE(Financial independent , Retire Earlyの略)を目指す人達の多くは、収入の7割、8割という何ともエゲツない(笑)割合を貯蓄(投資)に回して、早期リタイアに向けて準備しているようです。

自分の収入の何割を貯蓄に回せる余裕があるかは、それぞれの人の状況によって違うと思います。7、8割なんてとんでもない、4分の1でも厳しいという人もいるでしょうが、やはり10分の1は貯蓄しておきたいものです。10分の1を貯めるとなると、残りの10分の9のお金で生活していくことになりますが、単純計算では9ヶ月経った頃に1ヶ月生活できる分のお金が溜まることになります。

そして、一定割合を貯蓄する方法として、よく紹介されているのは「給料天引き」貯金です。給料から生活費を払って残った分を貯金するのではなく、給料からまず貯金分を天引きして、その残りで生活するのです。

収入 − 支出 = 貯蓄

ではなく、

収入 − 貯蓄 = 支出

という公式です。

貯蓄の癖がついていない人や、買い物で目先の誘惑につい負けてしまうような人にとっては、先に貯蓄分を引いてしまうことは有効な方法なのでしょう。通常の生活で使うメイン口座とは別の貯蓄用口座を作って振り込んでも良いし、会社で財形貯蓄の制度がある人はそれを活用するのも良いと思います。

と言いながら、私自身は先取り貯蓄をしていません...私はもとから家計簿をつけることで毎月だいたいの収入・支出を把握しているので、貯金額の目標を何となく頭の中に持ちながら、支出をコントロールしている感じです。あと、子供の頃から性格的に貧乏性?なところがあり、目標より多く貯金できると嬉しくなる、というのもあります。


貯蓄できるようになるために

収入の一定割合を貯蓄しよう!と決意しても、じゃあ何%まで大丈夫なのか?そもそも貯金できる余裕はあるのか?ということを考えなくればなりません。たとえ給料天引きで貯蓄を始めたとしても、残ったお金では生活費をまかなうのに不十分で、結局貯金を取り崩したり、キャッシングに走ってしまうようでは本末転倒です。

今は貯蓄なんてする余裕はないという方は、本当にそうなのか、自身もしくは家族の収支状況をきちんと把握する必要があると思います。

支出を減らす

当たり前のことですが、貯蓄するためには、支出を減らすか収入を増やすかしかありません。どっちが簡単かというと、大抵の人にとっては支出を見直して減らす方が手っ取り早いでしょう。

家計簿を普段つけていない人は、毎月の支出額がどのくらいなのかを把握するために、大まかで良いので支出項目(住居費・食費・光熱費...等)毎にまとめて記録し、その推移を少なくとも数ヶ月は見てみます。そして、収入と支出を比較し、どこかに節約できる部分がないか考えてみます。

以前の私のブログで、各費用の節約に対する私の考え方や実際にやったことを紹介しています。

お金のことPart 2〜貯金・節約

そこでも書いたとおり、やはり住居費(家賃や住宅ローン)や通信費など、金額の大きな固定費から見直しを考える方が効果が大きいです。住宅ローンについては、今アメリカでは金利がどんどん下がっているので、ローンの借り換えを検討するいい機会になっています。日本では、コロナ前から既に金利が低水準だったので、今どれ程の効果があるか分かりませんが、検討していいかもしれません。

日常生活で一番節約に取り組みやすい食費は、外食を減らすことが何より効果的だと思います。そもそも、今のコロナ禍では以前のように外食できないですし、交際費という意味での食費は大きく減ったという人がほとんどだと思います。私も、ロックダウンが始まった3月以来自炊をすることが増え、月々の食費はかなり減りました。流石に、もっと頻繁に外食できる日々が戻ってきてほしいものですが、自炊する習慣も続けていきたいと思っています。

それ以外にも、コロナ禍の影響で大きな旅行などやりにくくなっていますから、悲しくつまらないことですが、今年は節約という点では成果が出やすい年になるでしょう。

毎月の支出傾向をおおよそ把握し、どれだけ節約できるか考えたら、収入の何%を貯蓄に回すか、目標を決めることができます。紹介した「ビロン大富豪の教え」では、たとえ借金を抱えていても、10分の1は自分のために貯めておけ!とのことでした。

収入を増やす

収入を増やすことは、副業を始めるにしても、転職するにしても、ある程度の準備期間が必要で今すぐには難しいかもしれません。ただ、資産形成を長い目で見た場合、支出を減らすよりもずっと大きな効果があると思います。

収入のために何をやるかは、単に家計管理というより、キャリアや生き方の話にもなってくるので、ここではあまり深入りしません。何より、私自身がそういった問題に向き合わなければならない段階であり...これをやった方がいいなんて言える立場ではないのです。

私が本や記事で見た限り、最も推奨されているのは、自分の今の仕事を続けながら副業を持つことのようです。今は、インターネットを活用しながら小さな初期投資で始められる副業がたくさんあります。万一副業が失敗したとしても、生活に与えるリスクは小さいままで済みます。


まずどれだけ貯蓄すれば?

収入の一定割合を貯蓄し始めることで、資産形成のスタート地点に立ったと言えます。そこから、中・長期の視点で資産形成の目標を考えていくことになります。

その前に、もしもの時の備えとして貯めておく必要があるのは、生活費の約3〜6ヶ月分と言われています。万一病気・怪我をしたり失業したりした場合、治療費の自己負担分や失業中の生活費を賄わないといけないですし、傷病手当や失業手当を受給するにも、もらえるまで時間がかかります。ある程度の期間暮らしていける手元の現金があれば安心に繋がります。

備えとしてのいわゆる生活防衛資金があれば良いかは、年齢、独身か既婚か、子供がいるかいないか、等によっても変わるでしょうから、3〜6ヶ月分はあくまで目安です。が、アメリカにおいても、生活防衛資金(Emergency Fundと言います)の目安はだいたい同じのようです。

月収の10%を貯蓄する(残りの90%で生活する)場合、生活費3〜6ヶ月分を貯めるまでに、2年3ヶ月〜4年半かかることになります。結構かかる印象ですが、ボーナスも貯蓄に回すことができればもっと早く貯まります。

月収の25%を貯蓄する(残りの75%で生活する)場合は、生活費3〜6ヶ月分を貯めるまでに、9ヶ月〜1年半かかることになります。期間がグッと短くなりました。

なお、上記の計算は、収入がずっと一定であることを前提としています。もし収入が増え、生活費も同じ%で増えるとすると、生活費3〜6ヶ月分の額が増えるので、達成にかかる期間も長くなります。ここから、貯蓄の目標を達成するためには、収入が増えたとしても、生活費を同じペースで増やさないことが大事だとわかります。


次のステップ

生活費の3〜6ヶ月分の備えができたら、各人の資産形成の目標にもよりますが、もっと貯蓄を増やしていきたいと思うようになるでしょう。

多くの人は銀行への預金をまず考えるでしょうが、現在の大手都銀やゆうちょ銀の定期預金の利率(1年もの)は0.002%だそうで...ネット銀行にはもっと高い金利を提供しているところもありますが、コロナ禍もあって、しばらくは金利が上がっていく気配はありません。

そこで、もっとリスクをとって「投資」を行うという選択肢が出てきます。投資というと、デイトーレダーのように日々株を売買することを想像して、危ない!とっつきにくい!と思っている人も多いようですが、ここで言っているのは決してそういう類ではありません。

最初に書いたように、 資産形成や投資に関するYouTube動画、本、ネット記事の多くに共通して、一般の人(金融の専門家ではない人)でも資産形成のためにこれに投資するべき!と言われているものがあります。

少し長くなったので、今回はこの辺で...投資については次回のブログに書きたいと思います。