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音楽

  • February 11, 2024

オペラ「カルメン」鑑賞

2024年のオペラ鑑賞第一弾として、メトロポリタン・オペラ(メット)による「カルメン」を観に行きました。 オペラに詳しくない人でも、オペラ「カルメン」の前奏曲や有名な歌をきっとどこかで聞いたことがあるはずだと思います。また、「カルメン」という女性の名前を聞けば、真っ赤なドレスを着た情熱的な女性のイメージを連想するのではないかと思います。 今シーズンからメットの「カルメン」は新しいプロダクションになるとのことで、どんな感じか楽しみにしていました。が、かなり現代風に演出されることが分かり、車に乗って挑発的に睨むカルメンの宣伝写真を見て、少し心配になりました... 1. 基本情報 2. あらすじ オリジナルの「カルメン」の舞台は19世紀のスペイン、セビリア。 第1幕 タバコ工場で働く女工のカルメンは男達に人気がある。衛兵のドン・ホセだけは彼女に興味を示さないが、カルメンは彼の気を引こうとする。カルメンは他の女工と喧嘩騒ぎを起こして捕えられるが、衛兵ホセを誘惑して手縄をゆるめさせ、逃げ去る。 第2幕  カルメンが酒場で仲間と歌い踊っているところに、闘牛士のエスカミーリョが現れ、カルメンに一目惚れする。カルメンを逃がした罪で牢に入っていたホセは釈放され、カルメンに会いに酒場へ行く。カルメンはホセにジプシーの密輸団の仲間になるように誘う。ホセは軍を脱走し、ジプシー達の仲間に入る。 第3幕 密輸団にいるホセのもとに婚約者のミカエラが訪ねてきて、故郷のホセの母が重病だと伝える。ホセはカルメンのことを思いつつも、母のもとへ帰る。移り気なカルメンの心は彼から離れ、再会したエスカミーリョに移る。 第4幕 闘牛の当日、闘牛場前の広場でカルメンとエスカミーリョは愛の言葉を交わす。その後、カルメンの前にホセが現れて復縁を迫る。カルメンは彼を相手にせず、以前もらった指輪を投げ捨てる。ホセは激昂してカルメンを刺し殺す。 ただし、今回のメットの演出では、舞台は現在のアメリカ南部。カルメンと仲間の密輸団は大きなトラックで旅していて、エスカミーリョは闘牛士でなくロデオのスター!になっていました。あらすじ自体は概ね同じでした。 3. 感想 珠玉の音楽 […]

  • January 21, 2024

ミュージカル「Harmony」鑑賞

「Harmony」というミュージカルを観に行きました。 2023年10月にオン・ブロードウェイでの公演が始まった比較的新しいミュージカルです。以前のブログでミュージカル「A Beautiful Noise」の鑑賞記を紹介した際にも触れたのですが、「Harmony」が始まった頃から私は観てみたいなと思っていました。 1920〜1930年代にドイツのベルリンで活躍した男性コーラスグループの実話に基づいており、音楽はシンガー・シングライターのバリー・マニロウによって作曲されました。とは言っても、バリー・マニロウのヒット曲によるいわゆるジュークボックス・ミュージカルではなく、彼がこの作品のためにオリジナルの曲を書き下ろしています。 1. 基本情報 作品名:Harmony (A New Musical)脚本・作詞:Bruce Sussman作曲:Barry Manilow 監督:Warren Carlyle 劇場:Ethel Barrymore Theatre (243 West […]

  • January 14, 2024

オペラ「魔笛(The Magic Flute)」鑑賞

メトロポリタン・オペラ(メット)によるモーツァルトの「魔笛」を観に行きました。私にとって2023年最後のオペラ観劇でした。 メットでは、毎年12月末(クリスマス〜大晦日)に全編英語で2時間弱に短縮された「魔笛」の公演をやっています。子供達も楽しめるようファミリー向けに改編されたものです。メットと同じリンカーン・センターの敷地内にあるDavid H. Koch劇場では、年末恒例のバレエ「くるみ割り人形」の公演をやっており、年の瀬のリンカーン・センターは家族連れの観客で溢れ返っています。 「魔笛」は、モーツァルトが人生の最後に完成させたオペラであり、よく知られた歌も複数あって、人気のオペラのひとつとなっています。 1. 基本情報 この短縮版は休憩なしのノンストップですので、注意が必要です! 2. あらすじ 舞台は古代エジプトのとある国。主な登場人物は6人です。 ①王子タミーノ ②タミーノにお供するパパゲーノ ③タミーノと結ばれる娘パミーナ ④パパゲーノと結ばれるパパゲーナ ⑤パミーナの母、夜の女王 ⑥夜の女王と敵対するザラストロ 以下は簡単なあらすじです。(上記のとおり、この短縮版公演は2幕に別れていません。) 第1幕 王子タミーノは大蛇に襲われるが、夜の女王の侍女3人に助けられる。通りかかった鳥刺しのパパゲーノは、助けたのは自分だと嘘を付くが、侍女達によって口に鍵を掛けられる。 […]

  • October 29, 2023

ミュージカル「A Beautiful Noise」鑑賞

久々のミュージカル観劇で、「A Beautiful Noise」を観に行きました。作曲家・歌手のニール・ダイアモンドのヒット曲で構成される、いわゆるジュークボックス・ミュージカルです。 ニール・ダイアモンドはアメリカ音楽界を代表するアーティストで、1960年代から長く活躍しており、Wikipediaによれば全世界で1億2千万枚以上の売上を記録しているそうです。 恥ずかしながら、私はその名前こそ聞いたことがありますが、どんな曲を作った人なのか正直よく知りませんでした...。ミュージカルのを観る前、予習のためにYouTubeでニールの曲をいくつか試聴してみたのですが、聞いたことあるかも?というのが少しある程度でした。世代の問題かもしれませんし、日本で彼の音楽に接する機会があまりなかったせいもあります。 1. 基本情報 作品名:A Beautiful Noise (The Neil Diamond Musical)脚本:Anthony McCarten監督:Ken Davenport and Bob Gaudio作詞 / 作曲:Various Artists […]

  • August 20, 2023

ミュージカル「Some Like it Hot」鑑賞

ブロードウェイ・ミュージカル「Some Like it Hot」を観に行きました。 クラシック映画がお好きな方はご存知でしょうが、同じタイトルの「Some Like it Hot(邦題:お熱いのがお好き)」というコメディ映画があり、そのストーリーをベースに制作されたミュージカルです。ブロードウェイでのオープニングは2022年12月で、比較的新しいショーになります。 今年の第76回トニー賞では、ミュージカル部門の作品賞を始めとする多くの部門にノミネートされ、主演男優賞・振付賞を含む4部門を受賞しました。トニー賞での評価が示しているとおり、今公演されているミュージカルの中でも注目度が高く、私の周りでも観た人の間で面白いと話題になっていました。 私は若い頃から映画「お熱いのがお好き」の主演女優だったマリリン・モンローが大好きで、この映画をこれまでに何度も観ているので、どのようにミュージカル化されているのか?とても興味がありました。 1. 基本情報 作品名:Some Like it Hot脚本: Matthew López and Amber Ruffin作詞作曲:Marc […]

  • July 23, 2023

バレエ「白鳥の湖」鑑賞

ニューヨークのメトロポリタン・オペラハウス(メット)では、毎年オペラシーズンが終わった後の6月〜7月にかけて、American Ballet Theater (ABT)によるバレエ公演が行われています。 先日、ABTによる「白鳥の湖(Swan Lake) 」を観に行きました。「白鳥の湖」はあらゆるクラシックバレエの中で最も有名で人気のある演目と言って良いと思います。チャイコフスキーによって作曲された音楽、中でも特に有名な「情景」のメロディは、バレエについて全く知識のない人であってもどこかで聞いたことがあるでしょう。 1. 基本情報 作品名:Swan Lake(白鳥の湖)作曲: Peter Ilyich Tchaikovsky(ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー)振付:Kevin McKenzie after Marius Petipa and Lev Ivanov 観劇日時:2023年7月15日 午後2:00 […]

  • July 22, 2023

ミュージカル「Parade」鑑賞

久々のオンブロードウェイ・ミュージカルの鑑賞記になります。 「Parade」というミュージカルを観に行きました。20世紀初頭にジョージア州アトランタで実際に起きた「レオ・フランク事件」という冤罪事件をベースにしており、ユダヤ人への人種差別が描かれています。 1998年にブロードウェイで初演されているらしく、2023年の本公演はリバイバルになります。今年の第76回トニー賞でミュージカル部門の最優秀リバイバル作品賞をしました。 主演を演じているBen Platt(ベン・プラット)という俳優は、ミュージカル「Dear Evan Hansen」で主役を演じて一躍有名になりました。「Dear Evan Hansen」については私の以前のブログで感想を紹介していますが、私が観たときEvan役は既に別の俳優に変わっていました。ですので、私にとっては初めてベンのパフォーマンスを観る機会になりました。 1. 基本情報 作品名:Parade (パレード)脚本: Alfred Uhry作詞作曲:Jason Robert Brown 観劇日時:2023年7月7日 午後8:00 〜 […]

  • May 14, 2023

ミュージカル「Oliver!」鑑賞

2023 年になって初めてのブログです...(泣) 毎年のことですが、年始から4月くらいまで仕事が忙しく、暖かくなった頃思い出したようにブログを書いています。 忙しくても、息抜きにミュージカル・オペラ・バレエ等のショーを観に行くようにしているので、良かったものはできるだけ紹介したいと思っています。 ということで、「Oliver!(オリバー!)」というミュージカルを観に行きました。1960年にイギリスで制作されたミュージカルで、ロンドン・ニューヨークで共にロングランのヒットとなったそうです。更に、1968年には映画化されて翌年アカデミー作品賞を受賞したので、よく知っている方・名前を聞いたことあるという方も多いでしょう。 1. 基本情報 本公演が行われたNew York City Centerは、ダンスや演劇など様々なジャンルのショーが開催されている比較的大きな劇場です。マンハッタンのミッドタウンにありますが、いわゆるブロードウェイの劇場街からは少し離れています。 今回の「Oliver!」は、5月上旬のみの限定公演のようでした。 2. あらすじ 前半 舞台は19世紀のイギリス。救貧院で暮らす孤児のオリバーは葬儀屋に売られるが、いじめられて逃亡する。ロンドンにたどり着くと、フェイギンという老人が率いる子供達のスリ集団に誘われ、取り込まれる。そのアジトには心優しいナンシーという女性、その恋人で冷酷なビルという男もいた。 オリバーは初仕事でスリの濡れ衣を着せられて捕まるが、被害者である老紳士ブラウンロー氏に引き取られた。 後半 ブラウンロー氏の家で暮らし始めたオリバーだったが、お使いで街に出た際にナンシーとビルに見つかり、フェイギンのアジトに連れ戻される。 一方、ブラウンロー氏はオリバーが自分の娘の子であることを知る。 […]

  • December 28, 2022

オペラ「 リゴレット」鑑賞

オペラは毎年秋(9月)に新しいシーズンが始まりますが、私の今シーズン最初のオペラとして「リゴレット」を観に行きました。「リゴレット」はイタリアを代表するオペラ作曲家ヴェルディによる作品で、「椿姫」「アイーダ」などと並ぶ彼の代表作と言われています。 とは言え、オペラにある程度詳しい人ならともかく、オペラをよく知らない人にとって「リゴレット」という名前はあまり耳馴染みがないのでは?と思います。私自身、ニューヨークに来てオペラを観るようになるまで聞いたことがありませんでした。 ただ、この「リゴレット」には非常に有名な「女は気まぐれ(女心の歌)」という歌があります。昔からコマーシャル等で頻繁に使われてきたので、聞いたことのない人はいないのではないでしょうか。(ちなみに、私が初めてこの曲を聞いたのは、マットか何かのCMでした...) 知っている曲がひとつあるだけでも、オペラ鑑賞への期待は膨らみます。 1. 基本情報 2. あらすじ 舞台は 16世紀、イタリアのマントヴァ。主な登場人物は、マントヴァ公爵、公爵に仕える道化師リゴレット、リゴレットの娘ジルダ、そして殺し屋スパラフチーレ。以下、簡略化したあらすじです。 第1幕 女好きのマントヴァ公爵は、女性を次から次に弄ぶが、最近見かける若い娘のことが気になっている。娘の後をつけた公爵は、それが自分に仕えるリゴレットの娘ジルダだと知る。リゴレットはジルダを愛するあまり、外出もさせないようにしていた。が、リゴレットの留守中に公爵がジルダの前に現れ、うぶなジルダを口説いてとりこにする。 一方、公爵の廷臣達はジルダをリゴレットの愛人と勘違いしており、ジルダを公爵に献呈しようと計画し、リゴレット宅に集結してジルダを誘拐してしまう。 第2幕 廷臣達がジルダを公爵の寝室に連れてくると、公爵は喜んで寝室へ入る。そこへリゴレットも登場し、「娘を返せ!」と探し回る。廷臣達は、ジルダがリゴレットの愛人ではなく娘だったことに驚く。 寝室から逃げ出したジルダは、リゴレットと再会してこれまでの経緯をすべて話すが、公爵への想いが変わらないことも伝える。リゴレットは公爵への復讐を誓う。 第3幕 殺し屋スパラフチーレの宿屋。そこで公爵は、女はみな気まぐれと歌いながら、スパラフチーレの妹マッダレーナを口説く。宿屋の外でそれを聞いたジルダは絶望する。リゴレットはジルダを慰め、男装してヴェローナへ向かうように言う。 リゴレットはスパラフチーレに公爵の殺害を依頼する。ところが、まだ公爵に惚れているジルダは自分が身代わりに殺されることを決心し、男装のまま宿屋を訪れる。 リゴレットはスパラフチーレから公爵の死体が入った袋を受け取る。袋を川へ捨てようとした時、遠くから公爵が「女は気まぐれ」と歌う声が聞こえ、驚いたリゴレットが袋を開けると、中には瀕死のジルダがいる。ジルダは、愛する人の身代わりなったことを父に告げ、息絶える。 […]

  • December 26, 2022

バレエ「くるみ割り人形」鑑賞

かなり久しぶりの投稿になりますが、皆さん楽しいクリスマスを過ごされたでしょうか? このホリデーシーズンに恒例のバレエ「くるみ割り人形(the Nutcracker)」を観に行ってきました。New York City Balletによる公演でした。 あらゆるバレエの中で最も人気のある演目なだけに、12月を通してかなりの公演回数があるにも関わらず、チケットの価格は他のバレエに比べ高くなっていました。私が行った当日はほぼ満員で、会場にはたくさんの家族連れが来ていました。 毎年公演されているのを知りながら、私はこれまで「くるみ割り人形」を観たことがありませんでした。ただ、有名な音楽のオンパレードであることは知っていたので、始まる前からとてもワクワクしていました。(昔、石川ひとみの歌に「くるみ割り人形」というのがありましたよね〜笑) ところで、最近また新型コロナが再拡大しているとようですが、会場に入場する際にコロナワクチン接種証明の提示は不要になっており、マスク着用も必須ではありませんでした。この辺は会場によっても異なり、コロナの状況次第で変わってきそうです。 1. 基本情報 作品名:The Nutcracker(くるみ割り人形)作曲: Peter Ilyich Tchaikovsky(ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー)振付:George Balanchine(ジョージ・バランシン) 観劇日時:2022年12月4日 午後5:00 〜 7:30(2幕、休憩1回) […]