バレエ「くるみ割り人形」鑑賞


かなり久しぶりの投稿になりますが、皆さん楽しいクリスマスを過ごされたでしょうか?


このホリデーシーズンに恒例のバレエ「くるみ割り人形(the Nutcracker)」を観に行ってきました。New York City Balletによる公演でした。

あらゆるバレエの中で最も人気のある演目なだけに、12月を通してかなりの公演回数があるにも関わらず、チケットの価格は他のバレエに比べ高くなっていました。私が行った当日はほぼ満員で、会場にはたくさんの家族連れが来ていました。


毎年公演されているのを知りながら、私はこれまで「くるみ割り人形」を観たことがありませんでした。ただ、有名な音楽のオンパレードであることは知っていたので、始まる前からとてもワクワクしていました。(昔、石川ひとみの歌に「くるみ割り人形」というのがありましたよね〜笑)


ところで、最近また新型コロナが再拡大しているとようですが、会場に入場する際にコロナワクチン接種証明の提示は不要になっており、マスク着用も必須ではありませんでした。この辺は会場によっても異なり、コロナの状況次第で変わってきそうです。


1. 基本情報

作品名:The Nutcracker(くるみ割り人形)
作曲: Peter Ilyich Tchaikovsky(ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー)
振付:George Balanchine(ジョージ・バランシン)

観劇日時:2022年12月4日 午後5:00 〜 7:30(2幕、休憩1回)

バレエ団:New York City Ballet 

劇場:David H. Koch Theater (20 Lincoln Center Plaza)


2. あらすじ

どうやら演出によって話の展開が多少異なるようですが、私が観た公演のあらすじは大まかに以下のとおりです。


第1幕

舞台は19世紀、ドイツのニュールンベルグ。クリスマス・イブのパーティにたくさんの家族が集まる。少女マリー(原作ではクララらしい)はプレゼントにくるみ割り人形をもらうが、弟のフリッツが奪い合いで人形を壊してしまう。

パーティ後の夜中、マリーはくるみ割り人形が気になって眠れず、人形が置いてある広間へ行く。時計が12時を告げ、自分の体が小さくなる。そこへねずみの大群が押し寄せ、くるみ割り人形の指揮するおもちゃの兵隊達と戦う。クララはくるみ割り人形に加勢し、ねずみの王様を倒す。くるみ割り人形は王子に変身し、助けてもらったお礼にクララをお菓子の国へ連れていく。2人は雪の国を通りながらお菓子の国を目指す。


第2幕

お菓子の国に到着した2人は、金平糖の精に歓迎される。チョコレート、コーヒー、お茶、トレパック、葦笛、マザー・ジンジャー等の精たちが次々と踊りを披露する。露の雫の精は花のワルツを踊る。最後に金平糖の精と王子がグラン・パ・ド・ドゥを披露する。


3. 感想

とにかく、世に広く知られている美しい曲が続きます。特に「序曲」、第1幕で子供達が登場するときの「行進曲」、第2幕での「平糖の精の踊り」「ロシアの踊り(トレパック)」「葦笛の踊り」「花のワルツ」などは、バレエに縁がない人でもきっとどこかで聞いたことのあるはずです。音楽だけでも十分に聞き応えがあります。


また、登場人物(動物や精も含む)の衣装や舞台セットが色鮮やかで、観客をメルヘンの世界に誘ってくれます。第1幕でマリーの体が小さくなっていくシーンは、広間のクリスマス・ツリーが巨大化することで表現されていました。


あらすじからも分かるとおり、第1幕でくるみ割り人形にまつわるストーリーはほぼ完結し、代わりにバレエの要素は1幕最後の「雪の国」のシーンまでほとんど出てきません。少し子供のお遊戯会のような感じです。

逆に、第2幕の「お菓子の国」ではストーリー展開はほとんどありませんが、バレエの踊りの見所が凝縮されています。

クリスマスの夢いっぱいの雰囲気を楽しむことができます。言うまでもなく、お子さん連れにはお勧めのバレエです。きっと、「くるみ割り人形」を観て「バレエを習いたい!」と思う少女(少年)がたくさんいるのだろうな、と思いました。


(「くるみ割り人形」とは関係ありませんが、会場のリンカーンセンターの広場に不思議な形のオブジェが出来ていて、聖歌隊が歌っていました。)