ミュージカル「Beaches」鑑賞


ミュージカル「Beaches」は、1985 年に発表された同名小説に基づいて制作されました。

小説は1988年にベット・ミドラー主演で映画化されていて(日本では「フォーエバー・フレンズ」という邦題で公開)、ベット自身が歌った主題歌「Wind Beneath My Wings」は大ヒットし、グラミー賞を受賞しています。

映画の邦題が表しているとおり、2人の女性の生涯に渡る友情を描いた内容になっています。

ミュージカル版は、2014年にヴァージニア州アーリントンで初演された後、2024年に改訂バージョンがカナダのカルガリーで公演されたようです。ニューヨーク・ブロードウェイでは2026年3月にプレビュー公演が始まり、4月22日から本公演が始まっています。


私は幸運にも知り合いのつてでプレビューを観に行くことができました。映画は観たことがないので、お話の事前知識もないまま観劇しました。


1. 基本情報

作品名:Beaches
作詞:Iris R. Dart
作曲:Mike Stoller
脚本Iris R. Dart & Thom Thomas
監督:Lonny Price & Matt Cowart

劇場:Majestic Theatre (245 West 44th Street)
観劇日時:2026年4月8日 午後2:00〜(休憩1回)

https://beachesthemusical.com


マジェスティック・シアターは、ブロードウェイ劇場街のど真ん中に位置し、約1700席を収容する大きな劇場です。昨年ブログで紹介したミュージカル「GYPSY」演はこの劇場で公演されていました。2023年まで「オペラ座の怪人」がロングラン公演されていたことでも知られています。


2. あらすじ

前半

1951年、アトランティック・シティの海岸。子役として舞台に立つ元気な少女シーシー(Cee Cee)と、裕福な家庭に育ったおとなしいバーティー(Bertie)の出会いから物語が始まる。性格も境遇も正反対の2人だったが意気投合し、文通を続けながら成長していく。

大人になり、シーシーはショービジネスの世界で奮闘し、バーティーは大学を卒業して弁護士の道へ進む。2人はニューヨークで再会するとルームメイトになり、同じ男性を好きになったり一悶着もあるが、友情を育んでいく。

やがて2人は結婚し、それぞれの夫を連れて再会するが、価値観や生き方の違いから激しい口論になり、けんか別れしてしまう。

後半

シーシーは歌手としてキャリアの浮き沈みを経験し、夫と離婚する。バーティーも夫と離婚し、娘のシングルマザーとして生きる決意をする。人生の転機で2人は再会し、仲直りする。

しかし、バーティーは重い病にかかっていることが判明し、シーシーはバーティーの側で看病をする。2人は深い絆で結ばれるが、バーティーは娘をシーシーに託して人生の最期を迎える。


3. 感想など

音楽

映画版のテーマソングとして有名な「Wind Beneath My Wings」は、舞台版でも一番最後にシーシーによって歌われます。他の楽曲はブロードウェイ・ミュージカルの王道的な感じが多く、2人の絆を歌うデュエット曲「Wish I Could Be Like You」など印象に残る曲もありましたが、私はやはり最後に「Wind Beneath My Wings」を聴くことでようやくカタルシスを得たような気になりました。

物語の展開が前半のコメディタッチから後半徐々にシリアスになっていくので、音楽の方も最初の方は(シーシーが歌うショーナンバーなど)アップテンポで楽しい曲が続きますが、終盤にかけてクラシックなバラードが中心となる構成でした。


キャスト

とにかく主演2人の力量が全てと言えるようなミュージカルです。

シーシー役のJessica Voskとバーティー役のKelli Barrwettは共に熱演していて、シーシーの奔放さ・お下品さとバーティーの繊細さ・お上品さの対比もよく出ていたと思います。特にJessica Voskは、映画でベット・ミドラーがやった役を演じるプレッシャーもあったのではないかと想像しますが、印象的なパフォーマンスでした。

また、シーシーとバーティーそれぞれに幼年期・青年期を別の子役が演じて、成長過程を見せていました。ミュージカルの子役特有の大袈裟な演技や歌唱ではありましたが(笑)、頑張っていたと思います。


ストーリー展開

2人の女性の友情がテーマ、それも片方が最期に亡くなるお話ということで、私が子供の頃に日本で放送された安田成美&中森明菜主演のテレビドラマ「素顔のままで」とあらすじがそっくりなのを思い出しました。「素顔のままで」が放送されたのは1992年で、映画「Beaches(フォーエバー・フレンズ)」の公開後になりますが、調べたところやはり映画に”インスパイア”されて製作されたドラマだということでした。

こういったストーリーの作品は、どれだけ観客(視聴者)を主人公のキャラクターに感情移入させられるかにかかっていると思います。

正直なところ、個人的にはどっぷり感情移入できなかったと言うか、正反対の女性2人が様々な出来事を超えて生涯に渡る絆を築いたことが今ひとつしっくり来ませんでした...。一方で、プレビューを観た友人は「すごく感動した」と言っていたので、ハマるかどうかは各人の好みによると思います。


舞台演出

本作では幼少時代から大人までの長い年月を扱うため、子役キャストで成長過程を描く以外にも、舞台の照明・映像などを使って時間の流れを表現していました。

シーシーが舞台やナイトクラブ等で歌唱するシーンは煌びやかな一方、後半にかけて舞台はよりシンプルに切り替わり、バーティーが病気になってからは演技と歌にフォーカスするようなミニマルな演出でした。


まとめ

女の友情を描いた、笑いと涙に溢れるミュージカルです。

映画「フォーエバー・フレンズ」を観たことがある人なら、比較する意味でミュージカル版を観てみると面白いかもしれません。映画を観たことなくても、上記のあらすじに興味を持ったならぜひ観てみて下さい。

(このブログの執筆時点で)本公演が始まったばかりですが、私が観たプレビューから演出に何らかの変更が加えられた可能性もあります。

今のところ「Beaches」は9月6日まで約4ヶ月間の限定公演ということですので、興味のある方はお早めに!