• July 8, 2023

若者の質問に回答してみました

私は、アメリカのニューヨークで暮らしている40代後半のオジサンです。早いもので渡米してもう18年になります。この歳になっても独身で好き勝手に生きており、世間的には通常ルートから外れた人生ですが、こんな私でも若い人達や子供を持つ親御さんから時々質問や相談を受けることがあります。 同級生の子供がもう大学生や社会人になっていたり、ということが今では珍しくなくなりましたが、子供のいない私であっても、若い世代の方々には将来に希望を持って頑張ってほしいし、彼らにとって生きやすい社会になることを願っています。そして自分が何かお役に立てるのであれば、(老害にならない範囲で!)相談にも答えたいと常々思っています。 ということで、よくある質問に対して「海外に長く住んでいる大人」としての私なりの回答をまとめてみました。私自身何歳になっても悩みは尽きないもので、若い人に偉そうにアドバイスできるような人間でないことは重々承知していますが、こういう意見もあると参考にしてもらえれば幸いです。 1.若いうちに海外の生活を経験した方がいい? 私は基本的に「最後は自分の直感に従って決めれば良い」という考えなので、興味があるなら海外に出てみれば良いし、全く外国に興味がないなら無理に行く必要もないでしょう。ただ、そんなこと言ったら元も子もないので...、私の立場からすれば、やっぱり若いうちに一度は海外へ行ってみることをお勧めします。 まずは、数日でも良いので興味のある国へ海外旅行をしてみて、自分の肌で日本の外の空気を感じてみるのが良いですね。できれば、ホームステイなり短期留学なりで現地の人達と触れ合って生活する機会があればなお良いと思います。 海外に行ってみることのメリットとして、訪れた国を実際に見て体験することができるのは当然ですが、私は国外から自分の国を見直すことができる点も大きいと思います。多くの人は「日本がいかに良い国であるか」を改めて知ることになるのではと思います。 初めてアメリカへ旅行をして、毎食ハンバーガーやサンドイッチを食べていれば、数日と経たないうちに「日本の食事が恋しい」と思う人も多いでしょう。(ニューヨークではいくらでも日本食食べられますが。)また、現地のスーパーでの店員の態度に接して、日本のお店の店員がいかに親切で丁寧かを知るかもしれません。今であれば、食事や商品のクオリティに比して値段が異常に高いことに愕然とするかもしれません。 そこで、「アメリカのサービスは日本より劣っている」とか結論してしまうのは違うと思うのですが、外国と日本との違いを体験しながら日本の良さを再発見することができます。 逆に、訪れた国のことが好きになり「日本を抜け出してここで暮らしたい!」と思うようになったら、それこそ海外に行ったおかげで気づいて良かった、ということになるでしょう。私自身、初めてニューヨークを訪れたときに感じた刺激が今の生活に繋がっていることを思うと、あのときニューヨークに旅行してなかったら自分はどうなっていただろう...と不思議な気持ちになります。 もしホームステイや留学などで海外で暮らすことになれば、現地の習慣や文化をより深く学ぶことができます。 特に私の住むニューヨークのような街であれば、様々なバックグラウンドを持つ人達と触れ合うことができます。ここには中国人や韓国人も多いですが、日本に居れば何かと敵対的な印象を持ってしまいがちであっても、実際に会って話してみれば、同じアジア人ということで安心感を感じたり気があったりするものです。また、それ程多くはないですが、ロシア人やウクライナ人と知り合う機会だってあります。ニュースを通じてしか知らない国の人でも、実際に触れ合えば、みんな同じ人間で同じように様々な問題と向き合いながら生きているんだな、と感じるかもしれません。 それから、海外で暮らしていると必ず聞かれるのが、自分の国・日本についてです。日本のカルチャー、食べ物、歴史のことなどをアレコレ聞かれて、「あぁ、自分は日本のことを何も知らない。知っているつもりでも上手く説明できない。」と痛感する人も多いはずです。日本とはどういう国なのか、改めて学ぶきっかけにもなります。 さらには、日本で生まれ育った自分とはどういう人間なのだろうか、これからの人生をどう生きたいのか、という問いに真剣に向き合うことに繋がるかもしれません。単に日本に住みたいか、海外に住みたいか、という場所のことだけではありません。自分の視野を広げ、人生に選択肢がたくさんあることを知るという点で、できれば若いうちに海外に出てみることをお勧めしたいです。 2.海外で働いてみたいのだけど... ホームステイや留学をするだけでなく、海外で働きたいという希望を持つ人となると、その数はかなり限られてくるでしょうが、海外の大学や大学院で勉強した学生なら、そのまま現地に残って働きたいと考えるのは自然なことかもしれません。 しかし、実際に海外で働くとなると、自分の能力を超えた問題が出てきます。 日本人が外国で働くためにはその国の就労ビザをとる必要があります。私が知っているアメリカの場合、学校を卒業したらH1Bという就労ビザ(高度な専門知識を要する職業のためのビザ)をとって働くのが一般的だと思いますが、毎年申請者の中から無作為抽選で選ばれた人のみがビザを取得できる制度になっているので、運次第というところがあります。採用する企業側にも採用される学生側にもリスクがあります。 アメリカでは、その他にもL1(駐在員用のビザ)、E1(投資家用のビザ)、J1(トレイニー(インターン含む)のビザ)、O1(アーティスト等のビザ)など様々な就労ビザがありますが、それぞれに細かい条件があり、私はその専門ではないので詳細は控えます。 さらに、長期間滞在したいなら永住権(グリーンカード)を取得する手続きに進む必要がありますが、とにかくビザの問題に関しては自分の能力や努力ではどうにもならないこともあり、場合によっては時間やお金をかなり費やさざるを得ないため、自分でよく調べ、専門家にも相談した上で、ビザを申請するかどうかを決める必要があると思います。 […]

  • July 3, 2023

資産形成 〜 2022年&2023年上期振り返り・追記

2023年もすでに7月に入り、半分が過ぎてしまいました。 前回のブログで、2022年から2023年途中(5月末)までの資産形成について振り返りましたが、ひとつ特筆すべきことを書き忘れていました。「円安」の進行です。今回それについて追記します。 為替〜円安の進行 2022年に入ってから円安・ドル高が急激に進行しました。年始時点で為替レートは1ドル約115円でしたが、それから円安方向に動き、2022年10月半ばには一時1ドル150円を超えました。これは何と1990年8月以来、32年ぶりの円安水準だったということです。1990年というと、日本のバブル景気の最後辺りになりますね。 為替レートが動いた原因は、アメリカの連邦準備銀行(FRB)が高インフレを抑えるために政策金利の大幅な利上げを進めた一方、日本銀行は政策金利を据え置いてきたことで、日米での金利差が広がったためです。(金利の低い日本から金利の高いアメリカに運用資金が流れるため、円が売られてドルが買われ、円安・ドル高が進む。)2022年9月、10月には、政府・日銀が急激な円安を抑えるために円買いドル売りの為替介入に踏み切ったようです。 その後、アメリカのインフレ率が鈍化の兆しを見せたことなどから、FRBによる利上げのペースも落ち着くのではとの観測が広がり、日米金利差が縮小して円安は一旦落ち着きました。2022年12月末には1ドル131円にまで円高方向に動きました。 それにしても、1年間でこれだけ為替レートが大きく上下するのは異常に思えます。円安は、自動車産業をはじめ製品を海外に輸出している企業にとってはメリットになりますが、原材料・部品等を輸入している企業にとってはデメリットになります。主に輸入に頼っている食品等の価格が上昇して、日本の家計には打撃になっています。 私のように、アメリカから日本へたまに帰るような人にとって円安はメリットの方が大きいのですが、逆に日本からアメリカに旅行する人にとって円安は大きなハードルになると思います。また、例えば日本からアメリカに留学している学生の親は、円ベースでの仕送り額が増加するため厳しい状況になっているらしく、中には円安のために留学を断念せざるを得なかった学生もいるというニュースを聞き、とても気の毒に思います。 一方、為替(FX)取引で稼いでいるトレーダーにとっては、これだけ為替レートが動くのは面白いかもしれません。ただ、為替の予想は難しく、逆方向に賭けてしまった場合には大やけどを追うリスクも高くなっています。 2023年に入ると、一旦落ち着いたと思われた円安が再び進行しました。これを書いている2023年6月末時点で1ドル144円です。アメリカの高インフレが予想以上に粘着していることからFRBが利上げを継続することが見込まれ、また日米金利差が広がっているためです。日銀がまた為替介入を行うのではないかとも言われています。 アメリカだけでなく、EUやイギリスなど各先進国の中央銀行も利上げを実施しているため、円は米ドルだけでなく各通貨に対して独保安となっている様相です。 2023年の後半は、アメリカの利上げが最終局面に近づきつつあるため、いずれ金利差が縮小するとの観測があり、円高方向に戻るのではないかとの予想もありますが、果たしてどう動くでしょうか。 (2022年1月〜2023年6月の円/米ドルレートの動き、Source: Yahoo! Finance) 円安の生活への影響 私はアメリカで収入を得てアメリカで生活しているので、普段の生活の中で円安が直接的に影響することはありません。 恩恵を受けるのは、上記のとおり日本へ旅行するときです。実際、私は2022年9月に日本へ一時帰国しましたが、かなり円安が進行している時期だったので、何もかもが安く感じました。テレビ番組では、日本に比べてアメリカの物価が今いかに高いか!という特集をたくさんやっていました。もともと、長い間インフレが進行していない日本に比べてアメリカの物価水準はかなり高くなっていたのですが、円安が進んで日米の価格差が一層進みました。 ここ最近YouTubeでも、日本人の旅行系YouTuber達がニューヨークを含むアメリカの都市に旅行して、アメリカの物価がいかに高いか!という内容の動画を発信しているのをよく見かけます。こちらに住んでいる立場からすれば、少し盛っているかな〜という気もしなくもないですが、きっとアメリカのインフレや日本の物価との差に興味を持っている視聴者が多いということなのでしょうね。 そういった旅行系動画の中で、「ニューヨークで1泊3ドルで泊まれるホテル!」みたいな動画があり、どこにそんなホテルのがあるのかと興味本位で見てみたら、24時間動いている地下鉄の車両で寝泊まりするというものでした(笑)。実際にそのYouTuberさんは車両の中で1泊したようなのですが、無事に一晩を明かせたようで何よりです...。 夏が近づくに連れ、ニューヨークの街中で観光客がかなり増えています。先日タイムズスクエア辺りを歩いた際は、人混みで前に進むのが難しくなるくらいでした。様々な人種の顔ぶれや言葉を見聞きし、日本人もちらほら見かけますが、ホテル代も食事代も高いこの街をこの時期に訪れるのはかなり裕福な人たちなのかな〜、などと考えたりしました。 […]

  • May 26, 2023

資産形成 〜 2022年振り返りと2023年途中経過

年始の恒例行事として、私は前年の資産形成を振り返る作業をしています。 2023年も既に5月に入り、非常に今更ではありますが...2022年の状況を振り返りたいと思います。また、2023年の現時点(5月26日)までの途中経過についても少し触れます。 家計(貯蓄) 2022年にはコロナ禍も落ち着き、社会・経済活動の再開が一段と進みました。 生活の正常化に伴って何かと外出が増え、また昨今の急激なインフレもあり、私の食費(交際費含む)は前年より大きく増加しました。インフレの影響で、住居費(アパート維持費)、通信費といった固定費も増えました。また、コロナ禍になって以降初めて海外旅行や日本帰国をしたので、旅費もかかりました。 そういう訳で、家計の面では前年より貯蓄率が下がったものの、その分生活に刺激や潤いが戻ってきたことを実感しています。同じように感じている方も多いのではないでしょうか。いつまでもお金を使わず、ただジッとしている訳にはいかないですからね。 また、コロナ禍を経験してから、自分にとって価値のあるもの、幸福感を増してくれるものにお金を使いたい気持ちが以前より強くなった気がします。 株式投資 世界の経済や市場動向をチェックしている人はご存知でしょうが、とにかく2022年はひでぇ年でした(苦笑)。コロナ感染拡大が始まって以降、各国が金融緩和策を進めていた2021年まで株式インデックスはほぼ右肩上がりだったのですが、2022年は一転して下降トレンドになりました。 以下のグラフは、2022年のアメリカの主要株式インデックスの変動を示しています。 (Source: Yahoo! Finance) グラフの水色がDow Jones、青がS&P 500、紫がNasdaqになりますが、これを見ても分かるように、全てのインデックスが一様に下降していた訳ではありません。主にハイテク系の銘柄で構成されるNasdaqの下げが著しく、年間の下落率は約33%でした。一方、長期的な成長実績がある優良企業で構成されるDow Jonesはそれ程下げていません。 2022年にアメリカの株式市場が軟調だった要因は、なんと言っても高インフレを抑えるために連邦準備銀行(FRB)が政策金利の利上げを継続してきたことです。(金利が上がると借金しづらくなり、企業や家計が投資・消費を抑える。→ 経済活動が停滞する。 → 物価のインフレが抑制される。) […]

  • May 14, 2023

ミュージカル「Oliver!」鑑賞

2023 年になって初めてのブログです...(泣) 毎年のことですが、年始から4月くらいまで仕事が忙しく、暖かくなった頃思い出したようにブログを書いています。 忙しくても、息抜きにミュージカル・オペラ・バレエ等のショーを観に行くようにしているので、良かったものはできるだけ紹介したいと思っています。 ということで、「Oliver!(オリバー!)」というミュージカルを観に行きました。1960年にイギリスで制作されたミュージカルで、ロンドン・ニューヨークで共にロングランのヒットとなったそうです。更に、1968年には映画化されて翌年アカデミー作品賞を受賞したので、よく知っている方・名前を聞いたことあるという方も多いでしょう。 1. 基本情報 本公演が行われたNew York City Centerは、ダンスや演劇など様々なジャンルのショーが開催されている比較的大きな劇場です。マンハッタンのミッドタウンにありますが、いわゆるブロードウェイの劇場街からは少し離れています。 今回の「Oliver!」は、5月上旬のみの限定公演のようでした。 2. あらすじ 前半 舞台は19世紀のイギリス。救貧院で暮らす孤児のオリバーは葬儀屋に売られるが、いじめられて逃亡する。ロンドンにたどり着くと、フェイギンという老人が率いる子供達のスリ集団に誘われ、取り込まれる。そのアジトには心優しいナンシーという女性、その恋人で冷酷なビルという男もいた。 オリバーは初仕事でスリの濡れ衣を着せられて捕まるが、被害者である老紳士ブラウンロー氏に引き取られた。 後半 ブラウンロー氏の家で暮らし始めたオリバーだったが、お使いで街に出た際にナンシーとビルに見つかり、フェイギンのアジトに連れ戻される。 一方、ブラウンロー氏はオリバーが自分の娘の子であることを知る。 […]

  • December 31, 2022

2022年振り返り〜年の瀬のニューヨーク

2022年が終わろうとしています。 いつも同じことを言っていますが、あっという間に一年が過ぎたようで、よくよく考えると色々なことがありました。この一年間のこと、特にブログ「2022年7月 〜 雑記」以降の出来事について、思いつくままに振り返ってみます。 新型コロナの現状 東京都の小池知事が、2022年を振り返り「コロナに明け暮れた1年」と言っていたそうです。様々なかたちでコロナ対策に尽力されている現場の方には頭が下がりますが、新型コロナ感染が始まってから約3年が経った今、「まだコロナ〜?」と言いたくもなります。 昨年末のニューヨーク市ではオミクロン株が急増して大変でしたが、以降は段々と落ち着き、今年の年末はコロナで大騒ぎという感じはないです。 一方で、インフルエンザやRSウィルスの感染者が急増しているとのニュースがあります。私は「RSウィルス」というのを初めて聞きましたが、風邪に似たウィルスのらしいものの、免疫の弱い幼児や高齢者は重症化する危険もあるとのこと。コロナもあわせて3つの感染症が同時に広まる「トリプルデミック」の危険も叫ばれています。 そういった状況を受けて、街中(地下鉄等)ではマスクをしている人が若干増えたと思います。とは言え、マスク着用は少数派です。 現在のニューヨーク市では、レストランや劇場に入る際にワクチン接種証明の提示を求められることはなく、屋内でマスク着用を求められる場所もほぼありません。(ある劇場ではマスク着用必須でしたが、劇場側で用意していました。) 12月のホリデーシーズンに入ってから、ミッドタウンは世界中からの観光客でいつも溢れ返っています。コロナ前の賑わいに戻った感じでしょうか。コロナ・インフル・RSウィルスのことを考えると、怖いくらいの人混みです。 ありがたいことに、私は(おそらく)コロナに一度も感染することもなく無事に一年を終えることができそうです。 様々な再開 私自身の中で今年一番の大きな再開は、コロナ禍が始まって以降で初めての海外旅行です。昨年も海外旅行をすることは可能でしたが、各国で異なる水際対策のために、わざわざリスクを犯して海外に行くことはしませんでした。 まず、8月には北欧のスウェーデン(ストックホルム)、デンマーク(コペンハーゲン)へ旅行しました。詳しいことは「北欧(スウェーデン・デンマーク)旅行」のブログに記しています。 さらに、9月には日本へ一時帰国しました。この旅行についても、出入国の状況を含めブログでお伝えしたかったのですが、先延ばしにしているうちに日本の水際対策もどんどん変わり、私が経験したことは役に立たなくなってしまいました...。が、以下で簡単にまとめています。 仕事の面では、今年5月頃から会社全体でオフィスへの通勤が再開されるようになりました。それまではオフィスに来たい人だけ来ていいよという感じだったのですが、以降は会社のマネジメントが週2回以上のオフィス通勤をかなり強いトーンで推奨しています。 マネジメントは「社内・社外で実際に人と会いネットワークを広げていくことが我々のビジネスの根幹であり、各自のキャリア形成にも重要」といったことを説いています。確かにそれは大事だと思いますが、若い社員(特にコロナ以降に入社してリモートワークしか知らないような人)にはあまりピンと来ていないように感じます。 ネットやSNSが普及し、リモートワークが当たり前になった現在、従来の常識がどこまで通用するのかは疑問です。若い世代には、これまでと全く違ったビジネスのあり方やキャリアの築き方が広がっていくかもしれませんね。 あとは個人的なことですが、私が所属しているコーラスの活動がようやく本格的に再開しました。コーラスのメンバーもコロナ前から随分変わりましたが、5月と12月にコンサートを開催し、その他にも色々なイベントで歌うことができました。 […]

  • December 28, 2022

オペラ「 リゴレット」鑑賞

オペラは毎年秋(9月)に新しいシーズンが始まりますが、私の今シーズン最初のオペラとして「リゴレット」を観に行きました。「リゴレット」はイタリアを代表するオペラ作曲家ヴェルディによる作品で、「椿姫」「アイーダ」などと並ぶ彼の代表作と言われています。 とは言え、オペラにある程度詳しい人ならともかく、オペラをよく知らない人にとって「リゴレット」という名前はあまり耳馴染みがないのでは?と思います。私自身、ニューヨークに来てオペラを観るようになるまで聞いたことがありませんでした。 ただ、この「リゴレット」には非常に有名な「女は気まぐれ(女心の歌)」という歌があります。昔からコマーシャル等で頻繁に使われてきたので、聞いたことのない人はいないのではないでしょうか。(ちなみに、私が初めてこの曲を聞いたのは、マットか何かのCMでした...) 知っている曲がひとつあるだけでも、オペラ鑑賞への期待は膨らみます。 1. 基本情報 2. あらすじ 舞台は 16世紀、イタリアのマントヴァ。主な登場人物は、マントヴァ公爵、公爵に仕える道化師リゴレット、リゴレットの娘ジルダ、そして殺し屋スパラフチーレ。以下、簡略化したあらすじです。 第1幕 女好きのマントヴァ公爵は、女性を次から次に弄ぶが、最近見かける若い娘のことが気になっている。娘の後をつけた公爵は、それが自分に仕えるリゴレットの娘ジルダだと知る。リゴレットはジルダを愛するあまり、外出もさせないようにしていた。が、リゴレットの留守中に公爵がジルダの前に現れ、うぶなジルダを口説いてとりこにする。 一方、公爵の廷臣達はジルダをリゴレットの愛人と勘違いしており、ジルダを公爵に献呈しようと計画し、リゴレット宅に集結してジルダを誘拐してしまう。 第2幕 廷臣達がジルダを公爵の寝室に連れてくると、公爵は喜んで寝室へ入る。そこへリゴレットも登場し、「娘を返せ!」と探し回る。廷臣達は、ジルダがリゴレットの愛人ではなく娘だったことに驚く。 寝室から逃げ出したジルダは、リゴレットと再会してこれまでの経緯をすべて話すが、公爵への想いが変わらないことも伝える。リゴレットは公爵への復讐を誓う。 第3幕 殺し屋スパラフチーレの宿屋。そこで公爵は、女はみな気まぐれと歌いながら、スパラフチーレの妹マッダレーナを口説く。宿屋の外でそれを聞いたジルダは絶望する。リゴレットはジルダを慰め、男装してヴェローナへ向かうように言う。 リゴレットはスパラフチーレに公爵の殺害を依頼する。ところが、まだ公爵に惚れているジルダは自分が身代わりに殺されることを決心し、男装のまま宿屋を訪れる。 リゴレットはスパラフチーレから公爵の死体が入った袋を受け取る。袋を川へ捨てようとした時、遠くから公爵が「女は気まぐれ」と歌う声が聞こえ、驚いたリゴレットが袋を開けると、中には瀕死のジルダがいる。ジルダは、愛する人の身代わりなったことを父に告げ、息絶える。 […]

  • December 26, 2022

バレエ「くるみ割り人形」鑑賞

かなり久しぶりの投稿になりますが、皆さん楽しいクリスマスを過ごされたでしょうか? このホリデーシーズンに恒例のバレエ「くるみ割り人形(the Nutcracker)」を観に行ってきました。New York City Balletによる公演でした。 あらゆるバレエの中で最も人気のある演目なだけに、12月を通してかなりの公演回数があるにも関わらず、チケットの価格は他のバレエに比べ高くなっていました。私が行った当日はほぼ満員で、会場にはたくさんの家族連れが来ていました。 毎年公演されているのを知りながら、私はこれまで「くるみ割り人形」を観たことがありませんでした。ただ、有名な音楽のオンパレードであることは知っていたので、始まる前からとてもワクワクしていました。(昔、石川ひとみの歌に「くるみ割り人形」というのがありましたよね〜笑) ところで、最近また新型コロナが再拡大しているとようですが、会場に入場する際にコロナワクチン接種証明の提示は不要になっており、マスク着用も必須ではありませんでした。この辺は会場によっても異なり、コロナの状況次第で変わってきそうです。 1. 基本情報 作品名:The Nutcracker(くるみ割り人形)作曲: Peter Ilyich Tchaikovsky(ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー)振付:George Balanchine(ジョージ・バランシン) 観劇日時:2022年12月4日 午後5:00 〜 7:30(2幕、休憩1回) […]

  • September 17, 2022

北欧(スウェーデン・デンマーク)旅行 〜 その2

8. ストックホルムからコペンハーゲン スウェーデンのストックホルムからデンマークのコペンハーゲンまで飛行機で移動ました。 まず、ストックホルムでは中央駅からアーランダ空港まで、前回ブログでも紹介したアーランダ・エクスプレスに乗って行きました。午前中のフライトだったので速度を重視しましたが、20分程度であっという間に空港に到着しました。 空港では出発時間まで2時間以上ある人は保安検査場の入口に入れてくれなかったので、あまり早く空港に着きすぎても意味がないかもしれません。 ニューヨーク~ストックホルム便に乗ったときと同様、荷物検査もスムーズに済んで、搭乗まで時間があり余るくらいでした...。 アーランダ空港からコペンハーゲン・カストラップ国際空港までのフライト時間は1時間。スウェーデン、デンマークともシェンゲン協定加盟国であるため、入国審査はありませんでした(パスポートにデンマークのスタンプはもらえません)。 なお、ストックホルム~コペンハーゲン間は、列車に乗って約5時間で移動できるようです。個人的にはヨーロッパの各都市を鉄道で移動するのが好きなのですが、今回は飛行機の方が安かったので、飛行機を使いました。 9. コペンハーゲン(空港から市内) カストラップ国際空港からコペンハーゲン市内まで移動するための公共交通機関として最も便利なのはデンマーク国鉄(DSB)の電車です。所要時間はたったの15分、料金は大人1人で38 DKK(デンマーククローネ)(2022年8月の為替レートで5.2米ドル、700円)でした。ターミナル3を出てすぐのところにDSBの自動券売機が並んでいます。 空港から大都市の中心部までの距離がこれ程近いのは珍しいと思います。バスや地下鉄でも移動できるようですが、全ての手段が同じ値段でありながら、国鉄の電車が一番早くコペンハーゲン中央駅に到着します。 ちなみに、コペンハーゲンでは市内の公共交通機関(国鉄、地下鉄、バス)の利用が一定時間(購入時から24時間、48時間、72時間など)乗り放題になるCity Passというものがあります。例えば、Zone 1~4区間の24時間のCity Passであれば料金は80 DKK(同11.0米ドル、1500円)です。Zone1~4には多くの観光スポットが集中していて、カストラップ空港(Zone 4)もカバーしているので、市内で公共交通機関をたくさん利用する予定であれば、空港でまずこのCity Passを買っておくのがお得です。(私はこのことを後で知りました...) […]

  • September 6, 2022

北欧(スウェーデン・デンマーク)旅行 〜 その1

2022年8月上旬、スウェーデンのストックホルムとデンマークのコペンハーゲンに約1週間ほど旅行してきました。コロナ禍が始まって以降初の海外旅行でした。 旅行先を北欧にした理由は、単純にまだ行ったことがなかったのと、夏でもきっと涼しいだろう〜と思ったからです。 1. 航空券予約、旅行前 5月頃から北欧への旅行を計画していたのですが、Google FlightやKayak等でフライトの値段をだらだらチェックしているうちに時間が過ぎ、航空券を購入したのは6月下旬でした。 航空券の価格推移を予測するのは難しいとは言え、夏休みの期間であれば大抵時間が経つにつれて値上がりしていくので、早く購入するに越したことはないと思います。(と、いつも反省...) 乗り継ぎ便で良ければ安いチケットも結構ありましたが、過去に私はフライト遅延のせいで乗り継ぎ便に間に合わず、一日を無駄にしてしまった経験が何度かあり、今では可能な限り直行便を取るようにしています。 結局、スカンジナビア航空(SAS)によるニューヨーク→ストックホルム、ストックホルム→コペンハーゲン、コペンハーゲン→ニューヨークの3便のチケットを購入しました。ストックホルム→コペンハーゲン間は列車での移動も考えましたが、その行程の航空券を含めて購入した方が含めない場合より安かったので、飛行機で移動することにしました。 ところが、フライトを決めたのも束の間、7月5日にそのスカンジナビア航空がアメリカの連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請したというニュースがありました! スカンジナビア航空、米連邦破産法11条申請 北欧の会社(ストックホルム本社)なのに何故アメリカの破産法を申請するのか?という疑問もありますが、私が購入したSASの航空券はどうなってしまうのか…、不安になりました。 ニュースによればSASは運航を継続するとのことでしたが、同時にパイロットによるストライキも起こっていて、7月にはかなりの便がキャンセルになったようです。結局、7月19日にSASとパイロットの労使交渉が決着してストライキは終了したとのことで、ひとまずホッとしました。 とは言え、航空会社・空港の人手不足や天候不順のために、世界中でフライトの遅延・キャンセルが頻発しているというニュースも報道されていて、出発直前まで気が抜けませんでした。 2. 入出国の制限 私が旅行した2022年8月上旬の時点で、スウェーデンとデンマークへの入国に際してコロナに関わる制限(PCR検査陰性証明、ワクチン接種証明など)は全くありませんでした。 スウェーデンは、新型コロナ感染の拡大以降一貫して厳しいロックダウン措置を導入せず、マスク着用も個人の判断に任せるなど、他国に比べて緩やかな対策を実施していたことでも有名でした。 一方、その時点のアメリカへの入国については、アメリカ市民、永住者及び移民ビザ所持者に対する制限はありませんでしたが、上記を除く全ての渡航者(国外からの旅行者等)は、アメリカ行きフライトへの搭乗前に有効な新型コロナワクチン接種証明書とワクチン接種に関する宣誓書(Attestation)を提出することが必要となっていました。 永住権保持者の私は、アメリカ帰国時に何か書類を提示する必要はありませんでした。 […]

  • July 16, 2022

2022年7月 〜 雑記

2022年も半分が終わりました...。あっという間だったようで、様々なことがあり、世の中の状況も随分変わった気がします。 コロナの現状 年末・年始の頃は、世界中でオミクロン株が大流行していました。ニューヨークの状況について、年始のブログでも紹介しました。 あれから感染状況はいったん落ち着きましたが、4月あたりから感染者がまた増加し始め、ニューヨーク市では、5月に新型コロナウィルスに関するアラートシステムのレベルが「高(レベル3)」に引き上げられました。 ここ最近、感染者の増加が更に進んでいます。現在ほとんどがオミクロン株の新派生型のようです。BA.2型から新種BA.5型への置きかわりが進んでいるといいます。米国疾病予防管理センター(CDC)も7月8日、ニューヨーク市の新型コロナウイルス感染拡大レベルを「中」から「高」に更新しました。勧告内容は、公共施設の屋内でのマスク着用、ブースターを含むワクチン接種の推奨、等です。 世界中でコロナ感染が始まってから2年余りが経ち、まだ収まっていない現状にうんざりしていますが...、こちらの雰囲気としては、大多数の人はもはやコロナの脅威は過ぎ去ったと感じているようにも見えます。街中でマスクを着用している人は、冬の頃と比べると格段に減っています。 本格的な夏シーズンが到来し、国内・海外を問わず旅行に出かける人が増えています。SNSでは、友達の旅行の写真がたくさんアップされています。マンハッタンの街中では、観光客と思われる人達を大勢見かけます。 アメリカへの入国に際し、6月12日からはコロナPCR検査の陰性証明が必要なくなりました。(アメリカ市民でない場合、ワクチン接種証明はまだ必要なようです。) 私もこの夏、コロナ禍以降で初めての日本帰国を計画しています。日本への渡航に関しては、現在強制・自主隔離は撤廃されましたが、今も搭乗前72時間以内のPCR検査と陰性証明が義務付けられています。日本へ帰る身としては、入国時の検査の義務も近々無くなることを期待していますが、日本で感染が再拡大しているこの状況では難しいかもしれません。 経済状況 市民生活がどんどんコロナ以前の状態に戻っている一方で、経済や市場の状況は今年に入ってから大変厳しくなっています。アメリカでインフレが止まらず、様々な物価が上昇していることは報道にあるとおりです。2月以降のロシアによるウクライナ侵攻も、エネルギーや食糧の物価上昇に影響しています。 急激なインフレを抑えるために、米連邦準備制度理事会(FRB)は今年に入って既に3度政策金利を引き上げましたが、今後も更に利上げが行われる見込みです。FRBは、利上げによって多少経済状況を犠牲にしても、インフレ抑制に断固取り組む姿勢を見せています。高インフレと利上げを織り込みながら、今年上半期に株式市場は大きく落ち込みました。この辺のことは、また別のブログで書きたいと思います。 ただ、アメリカに住んでいる私の感覚としては、最近のアメリカ、特にニューヨークでの物価上昇に関する日本の報道は、多少大げさにも見えます。 そもそも、コロナ以前からレストランでの食事にかかる値段は(税・チップも含め)ニューヨークの方が日本より高かったのです。特に、よくラーメン一杯の値段が取り上げられますが、こちらではラーメンの歴史が浅く、少しおしゃれ(?)な感覚で食べられているので、庶民の食べ物として生活に溶け込んでいる日本と比較すると、もともとかなり高い値段設定になっていました。 その上で、今年に入り対ドルでの円安が急激に進んでいることから、今の為替レートで換算すれば、ニューヨークでの食事の値段が更に高くなってしまいます。こちらで物価が高騰しているのは事実ですが、全体として人々の給与も上がっているはずで、今ニューヨークの物価があり得ないレベルになっていると報道されるのは、現地からは少しミスリーディングに感じます。    とは言え、今日本からアメリカ、ニューヨークに旅行に来る人にとっては、懐事情にもろに影響することですから、お気をつけ下さい(汗)。 安部元首相の逝去 7月8日、安倍元総理大臣が銃撃されて死亡するという衝撃のニュースがありました。アメリカに住んでいる立場からすれば、銃犯罪が少ない安全なはずの日本で、それも選挙期間の遊説の最中に、あのような事件が起こってしまったことが驚きでなりません。心からご冥福をお祈りいたします。 ニューヨークの日本領事館にも弔問の記帳台が設けられました。7月11日の領事館前には、記帳のための長い列ができていました。キッシンジャー元国務長官も弔問に訪れたようです。 選挙の応援演説中の元首相を撃つという卑劣な犯罪を犯した容疑者を許すことはできません。安部元首相が行ったことに対する様々な意見・考えがあることは承知していますが、言うまでもなく、右であれ左であれ政治的立場が気に食わないからと言う理由で殺人を肯定して良いことにはなりません。故人を神格化せず、その実績の功罪をきちんと検証することは重要なのに、このような亡くなり方ではそれを冷静に議論するまで時間がかかるかもしれません。 […]