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音楽

  • July 22, 2023

ミュージカル「Parade」鑑賞

久々のオンブロードウェイ・ミュージカルの鑑賞記になります。 「Parade」というミュージカルを観に行きました。20世紀初頭にジョージア州アトランタで実際に起きた「レオ・フランク事件」という冤罪事件をベースにしており、ユダヤ人への人種差別が描かれています。 1998年にブロードウェイで初演されているらしく、2023年の本公演はリバイバルになります。今年の第76回トニー賞でミュージカル部門の最優秀リバイバル作品賞をしました。 主演を演じているBen Platt(ベン・プラット)という俳優は、ミュージカル「Dear Evan Hansen」で主役を演じて一躍有名になりました。「Dear Evan Hansen」については私の以前のブログで感想を紹介していますが、私が観たときEvan役は既に別の俳優に変わっていました。ですので、私にとっては初めてベンのパフォーマンスを観る機会になりました。 1. 基本情報 作品名:Parade (パレード)脚本: Alfred Uhry作詞作曲:Jason Robert Brown 観劇日時:2023年7月7日 午後8:00 〜 […]

  • May 14, 2023

ミュージカル「Oliver!」鑑賞

2023 年になって初めてのブログです...(泣) 毎年のことですが、年始から4月くらいまで仕事が忙しく、暖かくなった頃思い出したようにブログを書いています。 忙しくても、息抜きにミュージカル・オペラ・バレエ等のショーを観に行くようにしているので、良かったものはできるだけ紹介したいと思っています。 ということで、「Oliver!(オリバー!)」というミュージカルを観に行きました。1960年にイギリスで制作されたミュージカルで、ロンドン・ニューヨークで共にロングランのヒットとなったそうです。更に、1968年には映画化されて翌年アカデミー作品賞を受賞したので、よく知っている方・名前を聞いたことあるという方も多いでしょう。 1. 基本情報 本公演が行われたNew York City Centerは、ダンスや演劇など様々なジャンルのショーが開催されている比較的大きな劇場です。マンハッタンのミッドタウンにありますが、いわゆるブロードウェイの劇場街からは少し離れています。 今回の「Oliver!」は、5月上旬のみの限定公演のようでした。 2. あらすじ 前半 舞台は19世紀のイギリス。救貧院で暮らす孤児のオリバーは葬儀屋に売られるが、いじめられて逃亡する。ロンドンにたどり着くと、フェイギンという老人が率いる子供達のスリ集団に誘われ、取り込まれる。そのアジトには心優しいナンシーという女性、その恋人で冷酷なビルという男もいた。 オリバーは初仕事でスリの濡れ衣を着せられて捕まるが、被害者である老紳士ブラウンロー氏に引き取られた。 後半 ブラウンロー氏の家で暮らし始めたオリバーだったが、お使いで街に出た際にナンシーとビルに見つかり、フェイギンのアジトに連れ戻される。 一方、ブラウンロー氏はオリバーが自分の娘の子であることを知る。 […]

  • December 28, 2022

オペラ「 リゴレット」鑑賞

オペラは毎年秋(9月)に新しいシーズンが始まりますが、私の今シーズン最初のオペラとして「リゴレット」を観に行きました。「リゴレット」はイタリアを代表するオペラ作曲家ヴェルディによる作品で、「椿姫」「アイーダ」などと並ぶ彼の代表作と言われています。 とは言え、オペラにある程度詳しい人ならともかく、オペラをよく知らない人にとって「リゴレット」という名前はあまり耳馴染みがないのでは?と思います。私自身、ニューヨークに来てオペラを観るようになるまで聞いたことがありませんでした。 ただ、この「リゴレット」には非常に有名な「女は気まぐれ(女心の歌)」という歌があります。昔からコマーシャル等で頻繁に使われてきたので、聞いたことのない人はいないのではないでしょうか。(ちなみに、私が初めてこの曲を聞いたのは、マットか何かのCMでした...) 知っている曲がひとつあるだけでも、オペラ鑑賞への期待は膨らみます。 1. 基本情報 2. あらすじ 舞台は 16世紀、イタリアのマントヴァ。主な登場人物は、マントヴァ公爵、公爵に仕える道化師リゴレット、リゴレットの娘ジルダ、そして殺し屋スパラフチーレ。以下、簡略化したあらすじです。 第1幕 女好きのマントヴァ公爵は、女性を次から次に弄ぶが、最近見かける若い娘のことが気になっている。娘の後をつけた公爵は、それが自分に仕えるリゴレットの娘ジルダだと知る。リゴレットはジルダを愛するあまり、外出もさせないようにしていた。が、リゴレットの留守中に公爵がジルダの前に現れ、うぶなジルダを口説いてとりこにする。 一方、公爵の廷臣達はジルダをリゴレットの愛人と勘違いしており、ジルダを公爵に献呈しようと計画し、リゴレット宅に集結してジルダを誘拐してしまう。 第2幕 廷臣達がジルダを公爵の寝室に連れてくると、公爵は喜んで寝室へ入る。そこへリゴレットも登場し、「娘を返せ!」と探し回る。廷臣達は、ジルダがリゴレットの愛人ではなく娘だったことに驚く。 寝室から逃げ出したジルダは、リゴレットと再会してこれまでの経緯をすべて話すが、公爵への想いが変わらないことも伝える。リゴレットは公爵への復讐を誓う。 第3幕 殺し屋スパラフチーレの宿屋。そこで公爵は、女はみな気まぐれと歌いながら、スパラフチーレの妹マッダレーナを口説く。宿屋の外でそれを聞いたジルダは絶望する。リゴレットはジルダを慰め、男装してヴェローナへ向かうように言う。 リゴレットはスパラフチーレに公爵の殺害を依頼する。ところが、まだ公爵に惚れているジルダは自分が身代わりに殺されることを決心し、男装のまま宿屋を訪れる。 リゴレットはスパラフチーレから公爵の死体が入った袋を受け取る。袋を川へ捨てようとした時、遠くから公爵が「女は気まぐれ」と歌う声が聞こえ、驚いたリゴレットが袋を開けると、中には瀕死のジルダがいる。ジルダは、愛する人の身代わりなったことを父に告げ、息絶える。 […]

  • December 26, 2022

バレエ「くるみ割り人形」鑑賞

かなり久しぶりの投稿になりますが、皆さん楽しいクリスマスを過ごされたでしょうか? このホリデーシーズンに恒例のバレエ「くるみ割り人形(the Nutcracker)」を観に行ってきました。New York City Balletによる公演でした。 あらゆるバレエの中で最も人気のある演目なだけに、12月を通してかなりの公演回数があるにも関わらず、チケットの価格は他のバレエに比べ高くなっていました。私が行った当日はほぼ満員で、会場にはたくさんの家族連れが来ていました。 毎年公演されているのを知りながら、私はこれまで「くるみ割り人形」を観たことがありませんでした。ただ、有名な音楽のオンパレードであることは知っていたので、始まる前からとてもワクワクしていました。(昔、石川ひとみの歌に「くるみ割り人形」というのがありましたよね〜笑) ところで、最近また新型コロナが再拡大しているとようですが、会場に入場する際にコロナワクチン接種証明の提示は不要になっており、マスク着用も必須ではありませんでした。この辺は会場によっても異なり、コロナの状況次第で変わってきそうです。 1. 基本情報 作品名:The Nutcracker(くるみ割り人形)作曲: Peter Ilyich Tchaikovsky(ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー)振付:George Balanchine(ジョージ・バランシン) 観劇日時:2022年12月4日 午後5:00 〜 7:30(2幕、休憩1回) […]

  • July 9, 2022

トニー賞授賞式へ!

2022年6月12日(日)、第75回トニー賞の授賞式が開催されました。 トニー賞とは、ニューヨークのブロードウェイで上演されている演劇・ミュージカルに対して贈られる賞です。アメリカ演劇界で最も権威ある賞とみなされているとのこと。 今年、私はその授賞式に出席することができました。それも、観客として観るだけでなく、コーラスの一員としてステージで歌うことができました!その貴重な体験についてご紹介します。 トニー賞について トニー賞は、毎年のエントリー期間中にニューヨークのオン・ブロードウェイで開幕した演劇・ミュージカル作品が受賞対象となります。 毎年5月にノミネート作品が発表され、6月にニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールで授賞式が開催されています。コロナ禍のために2020年の受賞式は中止され、2021年9月になって2020年の作品に対する授賞式が行われました。今年からは通常時期の開催に戻りました。 これまで、私はトニー賞の授賞式をテレビの生放送で見てきましたが、式に出席できるのはミュージカル・演劇作品の関係者のみなのだろうと思っていました。 ところが、今回出席して知ったのですが、授賞式のチケットが一般向けにも販売されていて、オーケストラやメザニンの後方席から観覧できるようです(値段までは調べませんでした)。チケットさえ買えば式を観に行けることを知らない人は結構多いと思います。 チケットにはドレスコードとして「Black Tie Only」と書いてあり、フォーマルな装いで出席する必要があります。男性の場合、一般的なのは黒のタキシード・白のウィングカラーシャツ・黒のボウタイ・黒の革靴...らしいですが、文字どおり「Black Tie」である必要はなく、フォーマルな装いの解釈は出席者それぞれのようでした。当日は、様々な衣装の出席者が会場に溢れていました。 第75回トニー賞授賞式 第75回トニー賞授賞式は2022年の6月12日(日)の東部時間夜8時〜11時に行われ、CBSというテレビ局で全米に生中継されました(日本ではWOWOWで生中継)。 授賞式が始まる直前にも、夜7時からACT ONEと呼ばれるプレショーが行われ、いくつかのパフォーマンスや受賞発表がありました。ACT ONEはCBSでは放送されず、Paramount+というストリーミングサービスでのみ生中継されました。私達コーラスの出番もこのACT ONEの中でした。 各賞のノミネート・受賞結果の詳細については、トニー賞のページ等で確認できますが、主な部門の最優秀賞は以下のとおりです。 ミュージカル部門 […]

  • July 7, 2022

ミュージカル「Romeo & Bernadette 」観劇

「Romeo & Bernadette(ロミオとバーナデット)」というオフ・ブロードウェイのミュージカルを観ました。名前から推察できるとおり、シェークスピアの「ロミオとジュリエット」をベースにしていますが、そのロミオが長い眠りから目を覚まし、1960年代のニューヨーク・ブルックリンにやって来た!というトンデモなストーリーのミュージカル・コメディです。 どうやら2020年2月にオフ・ブロードウェイでの公演が始まったものの、翌月コロナ感染拡大のせいでキャンセルになり、2022年5月に再上演する運びとなったようです。今回の公演は6月末まで続きましたが、現時点では終了しています。 ところで、オフ・ブロードウェイとは、比較的小規模な劇場(約100席〜500席未満)で上演される演劇やミュージカルのことで、それ以上の大きな劇場で行われるものをオン・ブロードウェイと呼びます。オフで良い評判を得て成功すると、より大きなプロダクションでオンに進出することができます。「コーラスライン」や「レント」といった有名なミュージカルも、最初はオフ・ブロードウェイから始まりました。 私自身、オフ・ブロードウェイのショーを観に行くのは本当に久しぶりでしたが、オフの良さは何と言っても舞台と観客席が近く(どの席からでも舞台がよく見える)、出演者と観客に一体感が生まれるところです。豪華なセットや照明に彩られたオン・ブロードウェイの舞台と比べて、手作り感や温かみも感じられます。 1. 基本情報 作品名:Romeo & Bernadette脚本・作詞:Mark Saltzman演出・振付:Justin Ross Cohen音楽:from classic Italian melodies 観劇日時:2022年5月27日 午後8:00 〜 […]

  • July 5, 2022

バレエ「ドン・キホーテ」鑑賞

6月18日(土)、American Ballet Theater (ABT)によるバレエ「ドン・キホーテ」を観に行きました。公演場所はメトロポリタン・オペラハウス(メット)でした。 メットでは毎年9月下旬から翌年5月末〜6月頭あたりまでオペラが上演されるのですが、オペラシーズンが終わった後の夏の間は、ABTによるバレエ公演が行われています。(たたし、2020年、2021年夏はコロナのためにABTの公演はありませんでした。) 「ドン・キホーテ」は、数あるバレエの中で最も人気がある演目のひとつだと思います。17世紀に書かれた世界的に有名な同名小説を題材にしていますが、それとは別にしても、この名前を聞いたことない日本人はいないでしょう(笑)。スペインが舞台になっているため、スペインの舞踊を取り入れており、衣装も振付もとても華やかです。話はコメディ調で楽しく、親しみやすいバレエになっています。 私は、2018年にABTの「ドン・キホーテ」を初めて観たのですが、その際にダニール・シムキン(Daniil Simkin)というABTの男性プリンシパルダンサーの高くダイナミックなジャンプの連続に魅せられ、彼が出演するその他のバレエ公演も観に行ったりしました。 残念ながらダニールは2019年にABTを去ったのですが、今年の「ドン・キホーテ」公演に戻って来ることを知り、また観たい!と思って、彼が出演する回のチケットを取りました。今回劇場でもらった冊子(Playbill)には、ダニールは「ゲスト・アーティスト」と紹介されていました。 ところで、メットへの入場の際には、まだコロナワクチンの接種証明(ブースター接種含む)の提示が必要でした。既にブロードウェイの劇場では接種証明は必要ないのですが、この辺のルールは劇場によって違いがあるようです。特にメットの客層は高齢者が多いからでしょうか。 1. 基本情報 作品名:Don Quixote(ドン・キホーテ)作曲: Ludwig Minkus(ルートヴィヒ・ミンクス)振付:Marius Petipa and Alexander Gorsky(マリウス・プティパ、アレクサンドル・ゴルスキー) 観劇日時:2022年6月18日 […]

  • July 3, 2022

ミュージカル「Girl from the North Country」鑑賞

もう半年近くブログをご無沙汰していました... 最近色々なショーを見る機会があったので、忘れないうちにいくつかここで紹介したいと思います。 6月17日(金)に「Girl from the North Country」というミュージカルを観ました。ボブ・ディランの楽曲で構成されている所謂「ジュークボックス・ミュージカル」で、タイトルも彼が作った楽曲「Girl from the North Country(北国の少女)」から来ています。 と紹介しながら、私はボブ・ディランの曲を全くと言っていい程知りません...数年前にノーベル文学賞(!)を受賞して話題になったし、音楽史に残るすごい人なのでしょうが、私にとっては名前は知っているけど曲は知らないシンガー・ソングライターの代表格という感じです(ここで無知を晒す...)。 このミュージカルはアメリカを舞台にしていますが、面白いことにイギリスで制作され、初演もロンドンだったようです(2017年)。ニューヨークでは2020年3月にオン・ブロードウェイでの公演が始まりましたが、不運にもその直後にコロナ・パンデミックのせいで休止となりました。 2021年10月に再開したものの、本年6月19日(日)をもってオン・ブロードウェイの公演が終了するとのことで、私は何とかギリギリで観に行くことができました。 1. 基本情報 作品名:Girl from the North […]

  • January 30, 2022

オペラ「トスカ」鑑賞

2022年最初の舞台観劇として、メトロポリタン・オペラへ「トスカ」を観に行きました。 Wikipediaでは「見せ場の多いオペラ」と紹介されていますが、確かにストーリーの展開も音楽もとてもドラマチックです。 トスカの役は、あの伝説的ソプラノ歌手マリア・カラスの十八番だったと言われています。意外なことに、マリア・カラスがオペラの舞台で実際に歌っている映像はほとんど残っていないのですが(もちろん録音はたくさん残っています)、唯一残っているのがトスカの第2幕の映像だそうです。 1. 基本情報 2. あらすじ 舞台はナポレオン戦争時の1800年、ローマ。主な登場人物は、女性歌手のトスカ、画家のカヴァラドッシ、ローマ市警視総監のスカルピアの3人で、三角関係が繰り広げられます。 第1幕 脱獄した政治犯のアンジェロッティが教会に逃げ込む。そこで絵を描いていたカヴァラドッシはアンジェロッティに気付き、逃亡を手助けしようとする。 カヴァラドッシの恋人トスカが教会に現れる(アンジェロッティは隠れる)。嫉妬深いトスカは他の女の影を怪しむが、その夜に2人で会う約束をして去る。 アンジェロッティの脱獄を知らせる大砲が鳴り、彼とカヴァラドッシは教会を急いで出る。アンジェロッティを追う警視総監のスカルピアが教会にやって来る。(スカルピアはトスカを手に入れたいと願っている。) 第2幕 宮殿のスカルピアの部屋。捕まったカヴァラドッシが連れて来られ、アンジェロッティの居場所を白状するよう拷問される。 そこにトスカも呼ばれ、拷問の苦痛にうめく恋人の声を聞く。トスカはスカルピアにカヴァラドッシの助命を嘆願するが、その代償としてスカルピアから体を要求される。トスカは絶望しして神に祈る。(「歌に生き、愛に生き」を歌う。) トスカは要求を受け入れ、スカルピアは部下にカヴァラドッシを見せかけの銃殺刑(空砲で殺さない)に処するよう命じる。 そして、迫ってくるスカルピアをトスカはナイフで刺し殺す。 第3幕 サンタンジェロ城の処刑場。処刑を待つカヴァラドッシはトスカを思い絶望する。(「星は光りぬ」を歌う。)そこにトスカが訪ねて来て、見せかけの処刑が行われることを告げ、撃たれたら倒れるように頼む。 やがて、カヴァラドッシが処刑場に連行され、兵士達の発砲を受けて倒れる。トスカはカヴァラドッシの側に駆け寄るが、彼は実際に銃殺されて死んでいた。トスカは泣き叫ぶ。 […]

  • December 29, 2021

「トロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団」の公演鑑賞

お友達のご招待で「トロカデロ・デ・モンテカルロ」というバレエ団の公演を観に行きました。 男性のバレエダンサーのみで構成され、チュチュを着て女性のパートも踊るというコメディ・バレエ団です。本拠地はニューヨークのようですが、世界中で公演を行っているとのこと。私は今回が初鑑賞でした。 思い返せば、まだ日本に住んでいたとき、外国人の大きな男性が女装して面白おかしくバレエを踊る公演のテレビコマーシャルを観た記憶があります。それが同じバレエ団だとすると、かなり古い歴史があるのでしょう。 1. 基本情報 バレエ団:Les Ballets Trockadero de Monte Carlo 劇場:Joyce Theater (175 8th Ave, New York, NY) 観劇日時:12月16日(木)午後8時 […]