- April 9, 2020
ロックダウンの街、ニューヨークの今 2
4月に入り、とても過ごしやすい気候になって来ました。ニューヨークのロックダウンが始まってから2週間以上が過ぎましたが、私の生活に特段の変化はなく、相変わらず家の中で引きこもりながら仕事をする毎日です。 まずは、現時点(4月8日時点)での新型コロナウィルス感染者数・死者数の情報です。 アメリカ合衆国:感染者 435,160、死者 14,797 ニューヨーク州:感染者 149,316、死者 6,268 ニューヨーク市:感染者 80,204、死者 4,260 (データソースは、アメリカとニューヨーク州についてはWorldometer、ニューヨーク市についてはNew York City。) 先週の数値と比べて相変わらず増加の一途という感じですが...アメリカ全体で見ると感染者数は世界でダントツの一位、死者数もちょうどスペインを抜いて一位のイタリアに迫る勢いです。このペースではそのうち死者数も一位になるでしょう。 ニューヨーク州では、数日前までは一日の死者数に減少傾向が見られ、これまでのSocial Distance(他人と社会的距離を取る)の措置に一定の成果が見られるという希望的観測がありましたが、4月7日、8日と連続して死者数が過去最高となり、まだまだ感染拡大は収まっていないようです。 ニューヨーク州のクオモ知事の昨日の会見によると、主には長く入院していた人達が亡くなることで死者数が増加しているとのことでした。一方、良いニュースとして、新しい入院患者数やICUに入った患者数は減少傾向にあり、入院者の総数は頭打ちになりつつあるみたいです。それには、病院での死者が増えているからという理由もあるようですが... 更には、現在集計されている死者数に含まれていない、病院ではなく自宅で亡くなった患者も少なからずいるようです。病院側に受け入れる余裕がないために自宅で亡くなった人が多くいるのかと思うと、やるせない気持ちになりますね。 感染の被害が最も大きいイタリアやスペインでも、1日の死者数が減ったかと思えばまた増えたり、一進一退の状況が続いているみたいなので、ニューヨークでも一気に自体が収束するようなことにはならないのでしょう。 ニューヨーク以外で、今新型コロナのホットスポットとなっている都市のひとつがルイジアナ州ニューオーリンズなのですが、そこでは黒人の死者数の比率(対人口)が他の人種より多いことが分かりました。黒人には、肥満等のために基礎疾患を抱えている人が多い、また在宅勤務ができないEssential業務に従事する人の割合が多い、といった理由が考えられるようです。基礎疾患がある人は、新型コロナ感染で重篤になりやすいと言われています。 クオモ知事の会見でも、ニューヨーク内でも黒人やヒスパニックの死者の比率が高いことを話していました。上記と同じ理由が当てはまるのではないかと思いますが、収入の問題、医療サービスへのアクセスの問題もあるのでしょう。 ニューヨーク市の新型コロナのデータサイトでは、ニューヨーク市内の地区毎の感染状況のデータが公表されています。ニューヨークには、5つの行政区(マンハッタン、ブルックリン、クイーンズ、ブロンクス、スタテンアイランド)がありますが、大抵の人がニューヨークと聞いて思い浮かべるであろうマンハッタン区では、感染者・死者数の比率は比較的低いのです。逆に比率が高いのはクイーンズ区やブロンクス区で、ヒスパニックや黒人がそれぞれ多いエリアです。 また、このサイトには、市内の郵便番号(Zip code)エリア毎に、コロナ感染者の数や検査してコロナ陽性だった人の割合の大小を色分けで示しているマップが公開されています。やはり、中心部のマンハッタンから離れて、郊外のクイーンズ、ブロンクス、ブルックリンになる程、感染が拡大していることが分かります。 新型コロナの感染拡大は、人種の格差、収入の格差と言った様々な問題を炙り出すことにもなりそうです。 […]