YEAR

2022年

  • December 31, 2022

2022年振り返り〜年の瀬のニューヨーク

2022年が終わろうとしています。 いつも同じことを言っていますが、あっという間に一年が過ぎたようで、よくよく考えると色々なことがありました。この一年間のこと、特にブログ「2022年7月 〜 雑記」以降の出来事について、思いつくままに振り返ってみます。 新型コロナの現状 東京都の小池知事が、2022年を振り返り「コロナに明け暮れた1年」と言っていたそうです。様々なかたちでコロナ対策に尽力されている現場の方には頭が下がりますが、新型コロナ感染が始まってから約3年が経った今、「まだコロナ〜?」と言いたくもなります。 昨年末のニューヨーク市ではオミクロン株が急増して大変でしたが、以降は段々と落ち着き、今年の年末はコロナで大騒ぎという感じはないです。 一方で、インフルエンザやRSウィルスの感染者が急増しているとのニュースがあります。私は「RSウィルス」というのを初めて聞きましたが、風邪に似たウィルスのらしいものの、免疫の弱い幼児や高齢者は重症化する危険もあるとのこと。コロナもあわせて3つの感染症が同時に広まる「トリプルデミック」の危険も叫ばれています。 そういった状況を受けて、街中(地下鉄等)ではマスクをしている人が若干増えたと思います。とは言え、マスク着用は少数派です。 現在のニューヨーク市では、レストランや劇場に入る際にワクチン接種証明の提示を求められることはなく、屋内でマスク着用を求められる場所もほぼありません。(ある劇場ではマスク着用必須でしたが、劇場側で用意していました。) 12月のホリデーシーズンに入ってから、ミッドタウンは世界中からの観光客でいつも溢れ返っています。コロナ前の賑わいに戻った感じでしょうか。コロナ・インフル・RSウィルスのことを考えると、怖いくらいの人混みです。 ありがたいことに、私は(おそらく)コロナに一度も感染することもなく無事に一年を終えることができそうです。 様々な再開 私自身の中で今年一番の大きな再開は、コロナ禍が始まって以降で初めての海外旅行です。昨年も海外旅行をすることは可能でしたが、各国で異なる水際対策のために、わざわざリスクを犯して海外に行くことはしませんでした。 まず、8月には北欧のスウェーデン(ストックホルム)、デンマーク(コペンハーゲン)へ旅行しました。詳しいことは「北欧(スウェーデン・デンマーク)旅行」のブログに記しています。 さらに、9月には日本へ一時帰国しました。この旅行についても、出入国の状況を含めブログでお伝えしたかったのですが、先延ばしにしているうちに日本の水際対策もどんどん変わり、私が経験したことは役に立たなくなってしまいました...。が、以下で簡単にまとめています。 仕事の面では、今年5月頃から会社全体でオフィスへの通勤が再開されるようになりました。それまではオフィスに来たい人だけ来ていいよという感じだったのですが、以降は会社のマネジメントが週2回以上のオフィス通勤をかなり強いトーンで推奨しています。 マネジメントは「社内・社外で実際に人と会いネットワークを広げていくことが我々のビジネスの根幹であり、各自のキャリア形成にも重要」といったことを説いています。確かにそれは大事だと思いますが、若い社員(特にコロナ以降に入社してリモートワークしか知らないような人)にはあまりピンと来ていないように感じます。 ネットやSNSが普及し、リモートワークが当たり前になった現在、従来の常識がどこまで通用するのかは疑問です。若い世代には、これまでと全く違ったビジネスのあり方やキャリアの築き方が広がっていくかもしれませんね。 あとは個人的なことですが、私が所属しているコーラスの活動がようやく本格的に再開しました。コーラスのメンバーもコロナ前から随分変わりましたが、5月と12月にコンサートを開催し、その他にも色々なイベントで歌うことができました。 […]

  • December 28, 2022

オペラ「 リゴレット」鑑賞

オペラは毎年秋(9月)に新しいシーズンが始まりますが、私の今シーズン最初のオペラとして「リゴレット」を観に行きました。「リゴレット」はイタリアを代表するオペラ作曲家ヴェルディによる作品で、「椿姫」「アイーダ」などと並ぶ彼の代表作と言われています。 とは言え、オペラにある程度詳しい人ならともかく、オペラをよく知らない人にとって「リゴレット」という名前はあまり耳馴染みがないのでは?と思います。私自身、ニューヨークに来てオペラを観るようになるまで聞いたことがありませんでした。 ただ、この「リゴレット」には非常に有名な「女は気まぐれ(女心の歌)」という歌があります。昔からコマーシャル等で頻繁に使われてきたので、聞いたことのない人はいないのではないでしょうか。(ちなみに、私が初めてこの曲を聞いたのは、マットか何かのCMでした...) 知っている曲がひとつあるだけでも、オペラ鑑賞への期待は膨らみます。 1. 基本情報 2. あらすじ 舞台は 16世紀、イタリアのマントヴァ。主な登場人物は、マントヴァ公爵、公爵に仕える道化師リゴレット、リゴレットの娘ジルダ、そして殺し屋スパラフチーレ。以下、簡略化したあらすじです。 第1幕 女好きのマントヴァ公爵は、女性を次から次に弄ぶが、最近見かける若い娘のことが気になっている。娘の後をつけた公爵は、それが自分に仕えるリゴレットの娘ジルダだと知る。リゴレットはジルダを愛するあまり、外出もさせないようにしていた。が、リゴレットの留守中に公爵がジルダの前に現れ、うぶなジルダを口説いてとりこにする。 一方、公爵の廷臣達はジルダをリゴレットの愛人と勘違いしており、ジルダを公爵に献呈しようと計画し、リゴレット宅に集結してジルダを誘拐してしまう。 第2幕 廷臣達がジルダを公爵の寝室に連れてくると、公爵は喜んで寝室へ入る。そこへリゴレットも登場し、「娘を返せ!」と探し回る。廷臣達は、ジルダがリゴレットの愛人ではなく娘だったことに驚く。 寝室から逃げ出したジルダは、リゴレットと再会してこれまでの経緯をすべて話すが、公爵への想いが変わらないことも伝える。リゴレットは公爵への復讐を誓う。 第3幕 殺し屋スパラフチーレの宿屋。そこで公爵は、女はみな気まぐれと歌いながら、スパラフチーレの妹マッダレーナを口説く。宿屋の外でそれを聞いたジルダは絶望する。リゴレットはジルダを慰め、男装してヴェローナへ向かうように言う。 リゴレットはスパラフチーレに公爵の殺害を依頼する。ところが、まだ公爵に惚れているジルダは自分が身代わりに殺されることを決心し、男装のまま宿屋を訪れる。 リゴレットはスパラフチーレから公爵の死体が入った袋を受け取る。袋を川へ捨てようとした時、遠くから公爵が「女は気まぐれ」と歌う声が聞こえ、驚いたリゴレットが袋を開けると、中には瀕死のジルダがいる。ジルダは、愛する人の身代わりなったことを父に告げ、息絶える。 […]

  • December 26, 2022

バレエ「くるみ割り人形」鑑賞

かなり久しぶりの投稿になりますが、皆さん楽しいクリスマスを過ごされたでしょうか? このホリデーシーズンに恒例のバレエ「くるみ割り人形(the Nutcracker)」を観に行ってきました。New York City Balletによる公演でした。 あらゆるバレエの中で最も人気のある演目なだけに、12月を通してかなりの公演回数があるにも関わらず、チケットの価格は他のバレエに比べ高くなっていました。私が行った当日はほぼ満員で、会場にはたくさんの家族連れが来ていました。 毎年公演されているのを知りながら、私はこれまで「くるみ割り人形」を観たことがありませんでした。ただ、有名な音楽のオンパレードであることは知っていたので、始まる前からとてもワクワクしていました。(昔、石川ひとみの歌に「くるみ割り人形」というのがありましたよね〜笑) ところで、最近また新型コロナが再拡大しているとようですが、会場に入場する際にコロナワクチン接種証明の提示は不要になっており、マスク着用も必須ではありませんでした。この辺は会場によっても異なり、コロナの状況次第で変わってきそうです。 1. 基本情報 作品名:The Nutcracker(くるみ割り人形)作曲: Peter Ilyich Tchaikovsky(ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー)振付:George Balanchine(ジョージ・バランシン) 観劇日時:2022年12月4日 午後5:00 〜 7:30(2幕、休憩1回) […]

  • September 17, 2022

北欧(スウェーデン・デンマーク)旅行 〜 その2

8. ストックホルムからコペンハーゲン スウェーデンのストックホルムからデンマークのコペンハーゲンまで飛行機で移動ました。 まず、ストックホルムでは中央駅からアーランダ空港まで、前回ブログでも紹介したアーランダ・エクスプレスに乗って行きました。午前中のフライトだったので速度を重視しましたが、20分程度であっという間に空港に到着しました。 空港では出発時間まで2時間以上ある人は保安検査場の入口に入れてくれなかったので、あまり早く空港に着きすぎても意味がないかもしれません。 ニューヨーク~ストックホルム便に乗ったときと同様、荷物検査もスムーズに済んで、搭乗まで時間があり余るくらいでした...。 アーランダ空港からコペンハーゲン・カストラップ国際空港までのフライト時間は1時間。スウェーデン、デンマークともシェンゲン協定加盟国であるため、入国審査はありませんでした(パスポートにデンマークのスタンプはもらえません)。 なお、ストックホルム~コペンハーゲン間は、列車に乗って約5時間で移動できるようです。個人的にはヨーロッパの各都市を鉄道で移動するのが好きなのですが、今回は飛行機の方が安かったので、飛行機を使いました。 9. コペンハーゲン(空港から市内) カストラップ国際空港からコペンハーゲン市内まで移動するための公共交通機関として最も便利なのはデンマーク国鉄(DSB)の電車です。所要時間はたったの15分、料金は大人1人で38 DKK(デンマーククローネ)(2022年8月の為替レートで5.2米ドル、700円)でした。ターミナル3を出てすぐのところにDSBの自動券売機が並んでいます。 空港から大都市の中心部までの距離がこれ程近いのは珍しいと思います。バスや地下鉄でも移動できるようですが、全ての手段が同じ値段でありながら、国鉄の電車が一番早くコペンハーゲン中央駅に到着します。 ちなみに、コペンハーゲンでは市内の公共交通機関(国鉄、地下鉄、バス)の利用が一定時間(購入時から24時間、48時間、72時間など)乗り放題になるCity Passというものがあります。例えば、Zone 1~4区間の24時間のCity Passであれば料金は80 DKK(同11.0米ドル、1500円)です。Zone1~4には多くの観光スポットが集中していて、カストラップ空港(Zone 4)もカバーしているので、市内で公共交通機関をたくさん利用する予定であれば、空港でまずこのCity Passを買っておくのがお得です。(私はこのことを後で知りました...) […]

  • September 6, 2022

北欧(スウェーデン・デンマーク)旅行 〜 その1

2022年8月上旬、スウェーデンのストックホルムとデンマークのコペンハーゲンに約1週間ほど旅行してきました。コロナ禍が始まって以降初の海外旅行でした。 旅行先を北欧にした理由は、単純にまだ行ったことがなかったのと、夏でもきっと涼しいだろう〜と思ったからです。 1. 航空券予約、旅行前 5月頃から北欧への旅行を計画していたのですが、Google FlightやKayak等でフライトの値段をだらだらチェックしているうちに時間が過ぎ、航空券を購入したのは6月下旬でした。 航空券の価格推移を予測するのは難しいとは言え、夏休みの期間であれば大抵時間が経つにつれて値上がりしていくので、早く購入するに越したことはないと思います。(と、いつも反省...) 乗り継ぎ便で良ければ安いチケットも結構ありましたが、過去に私はフライト遅延のせいで乗り継ぎ便に間に合わず、一日を無駄にしてしまった経験が何度かあり、今では可能な限り直行便を取るようにしています。 結局、スカンジナビア航空(SAS)によるニューヨーク→ストックホルム、ストックホルム→コペンハーゲン、コペンハーゲン→ニューヨークの3便のチケットを購入しました。ストックホルム→コペンハーゲン間は列車での移動も考えましたが、その行程の航空券を含めて購入した方が含めない場合より安かったので、飛行機で移動することにしました。 ところが、フライトを決めたのも束の間、7月5日にそのスカンジナビア航空がアメリカの連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請したというニュースがありました! スカンジナビア航空、米連邦破産法11条申請 北欧の会社(ストックホルム本社)なのに何故アメリカの破産法を申請するのか?という疑問もありますが、私が購入したSASの航空券はどうなってしまうのか…、不安になりました。 ニュースによればSASは運航を継続するとのことでしたが、同時にパイロットによるストライキも起こっていて、7月にはかなりの便がキャンセルになったようです。結局、7月19日にSASとパイロットの労使交渉が決着してストライキは終了したとのことで、ひとまずホッとしました。 とは言え、航空会社・空港の人手不足や天候不順のために、世界中でフライトの遅延・キャンセルが頻発しているというニュースも報道されていて、出発直前まで気が抜けませんでした。 2. 入出国の制限 私が旅行した2022年8月上旬の時点で、スウェーデンとデンマークへの入国に際してコロナに関わる制限(PCR検査陰性証明、ワクチン接種証明など)は全くありませんでした。 スウェーデンは、新型コロナ感染の拡大以降一貫して厳しいロックダウン措置を導入せず、マスク着用も個人の判断に任せるなど、他国に比べて緩やかな対策を実施していたことでも有名でした。 一方、その時点のアメリカへの入国については、アメリカ市民、永住者及び移民ビザ所持者に対する制限はありませんでしたが、上記を除く全ての渡航者(国外からの旅行者等)は、アメリカ行きフライトへの搭乗前に有効な新型コロナワクチン接種証明書とワクチン接種に関する宣誓書(Attestation)を提出することが必要となっていました。 永住権保持者の私は、アメリカ帰国時に何か書類を提示する必要はありませんでした。 […]

  • July 16, 2022

2022年7月 〜 雑記

2022年も半分が終わりました...。あっという間だったようで、様々なことがあり、世の中の状況も随分変わった気がします。 コロナの現状 年末・年始の頃は、世界中でオミクロン株が大流行していました。ニューヨークの状況について、年始のブログでも紹介しました。 あれから感染状況はいったん落ち着きましたが、4月あたりから感染者がまた増加し始め、ニューヨーク市では、5月に新型コロナウィルスに関するアラートシステムのレベルが「高(レベル3)」に引き上げられました。 ここ最近、感染者の増加が更に進んでいます。現在ほとんどがオミクロン株の新派生型のようです。BA.2型から新種BA.5型への置きかわりが進んでいるといいます。米国疾病予防管理センター(CDC)も7月8日、ニューヨーク市の新型コロナウイルス感染拡大レベルを「中」から「高」に更新しました。勧告内容は、公共施設の屋内でのマスク着用、ブースターを含むワクチン接種の推奨、等です。 世界中でコロナ感染が始まってから2年余りが経ち、まだ収まっていない現状にうんざりしていますが...、こちらの雰囲気としては、大多数の人はもはやコロナの脅威は過ぎ去ったと感じているようにも見えます。街中でマスクを着用している人は、冬の頃と比べると格段に減っています。 本格的な夏シーズンが到来し、国内・海外を問わず旅行に出かける人が増えています。SNSでは、友達の旅行の写真がたくさんアップされています。マンハッタンの街中では、観光客と思われる人達を大勢見かけます。 アメリカへの入国に際し、6月12日からはコロナPCR検査の陰性証明が必要なくなりました。(アメリカ市民でない場合、ワクチン接種証明はまだ必要なようです。) 私もこの夏、コロナ禍以降で初めての日本帰国を計画しています。日本への渡航に関しては、現在強制・自主隔離は撤廃されましたが、今も搭乗前72時間以内のPCR検査と陰性証明が義務付けられています。日本へ帰る身としては、入国時の検査の義務も近々無くなることを期待していますが、日本で感染が再拡大しているこの状況では難しいかもしれません。 経済状況 市民生活がどんどんコロナ以前の状態に戻っている一方で、経済や市場の状況は今年に入ってから大変厳しくなっています。アメリカでインフレが止まらず、様々な物価が上昇していることは報道にあるとおりです。2月以降のロシアによるウクライナ侵攻も、エネルギーや食糧の物価上昇に影響しています。 急激なインフレを抑えるために、米連邦準備制度理事会(FRB)は今年に入って既に3度政策金利を引き上げましたが、今後も更に利上げが行われる見込みです。FRBは、利上げによって多少経済状況を犠牲にしても、インフレ抑制に断固取り組む姿勢を見せています。高インフレと利上げを織り込みながら、今年上半期に株式市場は大きく落ち込みました。この辺のことは、また別のブログで書きたいと思います。 ただ、アメリカに住んでいる私の感覚としては、最近のアメリカ、特にニューヨークでの物価上昇に関する日本の報道は、多少大げさにも見えます。 そもそも、コロナ以前からレストランでの食事にかかる値段は(税・チップも含め)ニューヨークの方が日本より高かったのです。特に、よくラーメン一杯の値段が取り上げられますが、こちらではラーメンの歴史が浅く、少しおしゃれ(?)な感覚で食べられているので、庶民の食べ物として生活に溶け込んでいる日本と比較すると、もともとかなり高い値段設定になっていました。 その上で、今年に入り対ドルでの円安が急激に進んでいることから、今の為替レートで換算すれば、ニューヨークでの食事の値段が更に高くなってしまいます。こちらで物価が高騰しているのは事実ですが、全体として人々の給与も上がっているはずで、今ニューヨークの物価があり得ないレベルになっていると報道されるのは、現地からは少しミスリーディングに感じます。    とは言え、今日本からアメリカ、ニューヨークに旅行に来る人にとっては、懐事情にもろに影響することですから、お気をつけ下さい(汗)。 安部元首相の逝去 7月8日、安倍元総理大臣が銃撃されて死亡するという衝撃のニュースがありました。アメリカに住んでいる立場からすれば、銃犯罪が少ない安全なはずの日本で、それも選挙期間の遊説の最中に、あのような事件が起こってしまったことが驚きでなりません。心からご冥福をお祈りいたします。 ニューヨークの日本領事館にも弔問の記帳台が設けられました。7月11日の領事館前には、記帳のための長い列ができていました。キッシンジャー元国務長官も弔問に訪れたようです。 選挙の応援演説中の元首相を撃つという卑劣な犯罪を犯した容疑者を許すことはできません。安部元首相が行ったことに対する様々な意見・考えがあることは承知していますが、言うまでもなく、右であれ左であれ政治的立場が気に食わないからと言う理由で殺人を肯定して良いことにはなりません。故人を神格化せず、その実績の功罪をきちんと検証することは重要なのに、このような亡くなり方ではそれを冷静に議論するまで時間がかかるかもしれません。 […]

  • July 9, 2022

トニー賞授賞式へ!

2022年6月12日(日)、第75回トニー賞の授賞式が開催されました。 トニー賞とは、ニューヨークのブロードウェイで上演されている演劇・ミュージカルに対して贈られる賞です。アメリカ演劇界で最も権威ある賞とみなされているとのこと。 今年、私はその授賞式に出席することができました。それも、観客として観るだけでなく、コーラスの一員としてステージで歌うことができました!その貴重な体験についてご紹介します。 トニー賞について トニー賞は、毎年のエントリー期間中にニューヨークのオン・ブロードウェイで開幕した演劇・ミュージカル作品が受賞対象となります。 毎年5月にノミネート作品が発表され、6月にニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールで授賞式が開催されています。コロナ禍のために2020年の受賞式は中止され、2021年9月になって2020年の作品に対する授賞式が行われました。今年からは通常時期の開催に戻りました。 これまで、私はトニー賞の授賞式をテレビの生放送で見てきましたが、式に出席できるのはミュージカル・演劇作品の関係者のみなのだろうと思っていました。 ところが、今回出席して知ったのですが、授賞式のチケットが一般向けにも販売されていて、オーケストラやメザニンの後方席から観覧できるようです(値段までは調べませんでした)。チケットさえ買えば式を観に行けることを知らない人は結構多いと思います。 チケットにはドレスコードとして「Black Tie Only」と書いてあり、フォーマルな装いで出席する必要があります。男性の場合、一般的なのは黒のタキシード・白のウィングカラーシャツ・黒のボウタイ・黒の革靴...らしいですが、文字どおり「Black Tie」である必要はなく、フォーマルな装いの解釈は出席者それぞれのようでした。当日は、様々な衣装の出席者が会場に溢れていました。 第75回トニー賞授賞式 第75回トニー賞授賞式は2022年の6月12日(日)の東部時間夜8時〜11時に行われ、CBSというテレビ局で全米に生中継されました(日本ではWOWOWで生中継)。 授賞式が始まる直前にも、夜7時からACT ONEと呼ばれるプレショーが行われ、いくつかのパフォーマンスや受賞発表がありました。ACT ONEはCBSでは放送されず、Paramount+というストリーミングサービスでのみ生中継されました。私達コーラスの出番もこのACT ONEの中でした。 各賞のノミネート・受賞結果の詳細については、トニー賞のページ等で確認できますが、主な部門の最優秀賞は以下のとおりです。 ミュージカル部門 […]

  • July 7, 2022

ミュージカル「Romeo & Bernadette 」観劇

「Romeo & Bernadette(ロミオとバーナデット)」というオフ・ブロードウェイのミュージカルを観ました。名前から推察できるとおり、シェークスピアの「ロミオとジュリエット」をベースにしていますが、そのロミオが長い眠りから目を覚まし、1960年代のニューヨーク・ブルックリンにやって来た!というトンデモなストーリーのミュージカル・コメディです。 どうやら2020年2月にオフ・ブロードウェイでの公演が始まったものの、翌月コロナ感染拡大のせいでキャンセルになり、2022年5月に再上演する運びとなったようです。今回の公演は6月末まで続きましたが、現時点では終了しています。 ところで、オフ・ブロードウェイとは、比較的小規模な劇場(約100席〜500席未満)で上演される演劇やミュージカルのことで、それ以上の大きな劇場で行われるものをオン・ブロードウェイと呼びます。オフで良い評判を得て成功すると、より大きなプロダクションでオンに進出することができます。「コーラスライン」や「レント」といった有名なミュージカルも、最初はオフ・ブロードウェイから始まりました。 私自身、オフ・ブロードウェイのショーを観に行くのは本当に久しぶりでしたが、オフの良さは何と言っても舞台と観客席が近く(どの席からでも舞台がよく見える)、出演者と観客に一体感が生まれるところです。豪華なセットや照明に彩られたオン・ブロードウェイの舞台と比べて、手作り感や温かみも感じられます。 1. 基本情報 作品名:Romeo & Bernadette脚本・作詞:Mark Saltzman演出・振付:Justin Ross Cohen音楽:from classic Italian melodies 観劇日時:2022年5月27日 午後8:00 〜 […]

  • July 5, 2022

バレエ「ドン・キホーテ」鑑賞

6月18日(土)、American Ballet Theater (ABT)によるバレエ「ドン・キホーテ」を観に行きました。公演場所はメトロポリタン・オペラハウス(メット)でした。 メットでは毎年9月下旬から翌年5月末〜6月頭あたりまでオペラが上演されるのですが、オペラシーズンが終わった後の夏の間は、ABTによるバレエ公演が行われています。(たたし、2020年、2021年夏はコロナのためにABTの公演はありませんでした。) 「ドン・キホーテ」は、数あるバレエの中で最も人気がある演目のひとつだと思います。17世紀に書かれた世界的に有名な同名小説を題材にしていますが、それとは別にしても、この名前を聞いたことない日本人はいないでしょう(笑)。スペインが舞台になっているため、スペインの舞踊を取り入れており、衣装も振付もとても華やかです。話はコメディ調で楽しく、親しみやすいバレエになっています。 私は、2018年にABTの「ドン・キホーテ」を初めて観たのですが、その際にダニール・シムキン(Daniil Simkin)というABTの男性プリンシパルダンサーの高くダイナミックなジャンプの連続に魅せられ、彼が出演するその他のバレエ公演も観に行ったりしました。 残念ながらダニールは2019年にABTを去ったのですが、今年の「ドン・キホーテ」公演に戻って来ることを知り、また観たい!と思って、彼が出演する回のチケットを取りました。今回劇場でもらった冊子(Playbill)には、ダニールは「ゲスト・アーティスト」と紹介されていました。 ところで、メットへの入場の際には、まだコロナワクチンの接種証明(ブースター接種含む)の提示が必要でした。既にブロードウェイの劇場では接種証明は必要ないのですが、この辺のルールは劇場によって違いがあるようです。特にメットの客層は高齢者が多いからでしょうか。 1. 基本情報 作品名:Don Quixote(ドン・キホーテ)作曲: Ludwig Minkus(ルートヴィヒ・ミンクス)振付:Marius Petipa and Alexander Gorsky(マリウス・プティパ、アレクサンドル・ゴルスキー) 観劇日時:2022年6月18日 […]

  • July 3, 2022

ミュージカル「Girl from the North Country」鑑賞

もう半年近くブログをご無沙汰していました... 最近色々なショーを見る機会があったので、忘れないうちにいくつかここで紹介したいと思います。 6月17日(金)に「Girl from the North Country」というミュージカルを観ました。ボブ・ディランの楽曲で構成されている所謂「ジュークボックス・ミュージカル」で、タイトルも彼が作った楽曲「Girl from the North Country(北国の少女)」から来ています。 と紹介しながら、私はボブ・ディランの曲を全くと言っていい程知りません...数年前にノーベル文学賞(!)を受賞して話題になったし、音楽史に残るすごい人なのでしょうが、私にとっては名前は知っているけど曲は知らないシンガー・ソングライターの代表格という感じです(ここで無知を晒す...)。 このミュージカルはアメリカを舞台にしていますが、面白いことにイギリスで制作され、初演もロンドンだったようです(2017年)。ニューヨークでは2020年3月にオン・ブロードウェイでの公演が始まりましたが、不運にもその直後にコロナ・パンデミックのせいで休止となりました。 2021年10月に再開したものの、本年6月19日(日)をもってオン・ブロードウェイの公演が終了するとのことで、私は何とかギリギリで観に行くことができました。 1. 基本情報 作品名:Girl from the North […]