2023 年になって初めてのブログです...(泣)
毎年のことですが、年始から4月くらいまで仕事が忙しく、暖かくなった頃思い出したようにブログを書いています。
忙しくても、息抜きにミュージカル・オペラ・バレエ等のショーを観に行くようにしているので、良かったものはできるだけ紹介したいと思っています。
ということで、「Oliver!(オリバー!)」というミュージカルを観に行きました。1960年にイギリスで制作されたミュージカルで、ロンドン・ニューヨークで共にロングランのヒットとなったそうです。更に、1968年には映画化されて翌年アカデミー作品賞を受賞したので、よく知っている方・名前を聞いたことあるという方も多いでしょう。
1. 基本情報
- 作品名:Oliver!
- 脚本・作詞作曲:Lionel Bart
- 原作:Charles Dickens (Oliver Twist)
- 観劇日時:2023年5月6日 午後8:00 〜 10:30
- 劇場:New York City Center (131 W 55th St, New York, NY 10019)
本公演が行われたNew York City Centerは、ダンスや演劇など様々なジャンルのショーが開催されている比較的大きな劇場です。マンハッタンのミッドタウンにありますが、いわゆるブロードウェイの劇場街からは少し離れています。
今回の「Oliver!」は、5月上旬のみの限定公演のようでした。
2. あらすじ
前半
舞台は19世紀のイギリス。救貧院で暮らす孤児のオリバーは葬儀屋に売られるが、いじめられて逃亡する。ロンドンにたどり着くと、フェイギンという老人が率いる子供達のスリ集団に誘われ、取り込まれる。そのアジトには心優しいナンシーという女性、その恋人で冷酷なビルという男もいた。
オリバーは初仕事でスリの濡れ衣を着せられて捕まるが、被害者である老紳士ブラウンロー氏に引き取られた。
後半
ブラウンロー氏の家で暮らし始めたオリバーだったが、お使いで街に出た際にナンシーとビルに見つかり、フェイギンのアジトに連れ戻される。
一方、ブラウンロー氏はオリバーが自分の娘の子であることを知る。
ナンシーは、オリバーを救ってブラウンロー氏に引き渡そうと試みるが、裏切りを知ったビルはナンシーを殺害する。しかし、オリバーを連れて逃げようとしたビルも警察に撃たれて死亡。
オリバーはブラウンロー氏のもとへ戻る。
3. 感想
正直、鑑賞前にあらすじを予習したときは「子供のミュージカルかな〜。」という感じで、それ程期待していませんでした。
また、奇しくも同じ日にイギリス国王チャールズ3世の豪華絢爛な戴冠式の中継を見た後だったので、産業革命で工業化が進んだ19世紀のイギリスを舞台に、繁栄の裏の犠牲と言うべき貧しい孤児がスリの集団に入るというストーリーは、何だか皮肉のようにも思えました。
実際に観てみると、確かに子役がたくさん出てくるミュージカルで、オリバーや子供達が可哀想になるシーンもありましたが、とにかくみんな歌も踊りも上手い!オリバー役のBnjamin Pajakは若干12歳ながら、芯が強く伸びのある歌声で会場を一気に沸かせました。
特に前半の「Consider Yourself」は有名な歌で、子供達やその他キャストが大勢出てきて歌い踊る見せ場の一つでしたが、音楽の素晴らしさ・親しみやすさもさることながら、アクロバットな動きを取り入れたダンスも見事で、ミュージカルの純粋な楽しさを改めて思い起こさせてくれました。
気持ちがワクワクして、オリバーがスリ集団から「仲間になろうよ(Consider yourself our mate… Consider yourself one of us…)」と言われているシーンであることを忘れさせてくれました(笑)。
個人的には、その「Consider Yourself」が全体の盛り上がりのピークに感じましたが、その他にも、オリバーが母を思って歌う「Where Is Love?」、後半の最初にナンシー達が酒場で騒ぐ「Oom-Pah-Pah(ウンパッパ)」、ナンシーが冷酷な男ビルへの想いを綴る「As Long as He Needs Me」など、印象に残る曲がいくつかありました。
ナンシー役のLilli Cooperという女優さんには、一際大きな歓声が上がっていました。
今回私が観たニューヨーク公演はもう終わってしまいますが、世界中の色々なところで(日本も含め)頻繁に公演が行われているようですので、もし機会と興味があれば是非観に行かれることをお勧めします。
それから、舞台版と映画版ではストーリーが違うところもあるらしく、機会があれば映画の方も見てみようと思いました。