噂の二人、ニューヨークへ …


 ここ数年ずっと日本のメディアを騒がせてきた、M子様とK室氏。この度お二人は晴れて結婚され、一緒にニューヨークへやって来られたようです。

 日本ではその一挙手一投足を報じられ、心休まる暇もなかったであろうお二人。ニューヨークに到着しても、早々に英国や現地のメディアから新居の具体的な情報を報じられており、人目を気にせずゆっくりすることもできないのか、と正直気の毒に感じます。

 M子様&K室氏の件以降、ニューヨークの事情について知ったり、ニューヨークの地理に詳しくなったりした日本人も多いのではないでしょうか。私も日本の家族・友人から「二人のことはニューヨークで話題になってる?」とか「ニューヨークってそんなに物価が高いの?」とか、よく聞かれます。

 お二人の結婚に関する報道やネットの反応を見ながら、ニューヨーク在住の日本人として私が感じたことを率直に書きたいと思います。


1. 住居

 お二人の結婚が決まってから、新居はマンハッタンのUpper West Sideというエリアの高級アパートメント(ちなみに、アメリカでマンションとかタワマンという言葉は通用しません)らしい、という噂がありました。Upper West Sideはセントラル・パークの西側にあり、比較的落ち着いて治安も良いと言われ、K室氏が法律を勉強したフォーダム大学もそのエリア内(南端)なので、確かに可能性は高そうだと思いました。

 しかし、ニューヨーク到着後の最新報道によれば、新居はHell’s Kitchenというエリアにある高級賃貸アパートになったようです。Hell’s KitchenはUpper West Sideの南側に隣接するエリアなので、当初噂されていたのとそれ程異なる訳ではありません。


 Hell’s Kitchenを直訳すると「地獄の台所!」なので、物騒な名前に聞こえますが、かなり前は実際治安の悪いエリアだったものの、21世紀以降は治安が改善され、地域の開発も進んで、お二人が住むような高級賃貸物件も増えてきているようです。

 また、Hell’s Kitchenは近年ゲイの集まる地域としてよく知られています。多くのゲイバーがあり、LGBTの在住者もとても多いです。お二人の新居はかなりハドソン・リバーに近い場所のようで、ゲイバー等が集まる喧騒の通りからは若干離れていますが、K室氏が新居からMidtownの職場まで歩いて通勤するのであれば、ゲイエリアを通過することになるでしょう。だから何ということもないのですけど(笑)。

 実際に行ってみると分かりますが、Hell’s Kitchenにはお洒落なお店や高級感溢れるビルもあれば、古くさびれた店やアパートも結構残っていて、その雑多な雰囲気にあまり良い印象を持たない人もいると思います。もちろん、そこが面白いと感じる人だっているでしょう。新生活を異国で始めることになるM子様はどう感じられるでしょうか。


2. 生活費

 メディアで報じられている通り、ニューヨーク市の家賃(レント)は日本の感覚からすれば非常に高いです。市内の家賃相場は、コロナ禍で一時大きく下がった後、最近また急上昇しています。あるサイト(以下のリンク)によると、2021年11月現在のマンハッタンの平均家賃は、Studio(日本でいうワンルーム)で2,800ドル(1ドル=114円レートで32万円)、One Bedroom(キッチン付きリビング+寝室1部屋)で3,500ドル(40万円)、Two Bedroom(キッチン付きリビング+寝室2部屋)で4,500ドル(51万円)とのことです。

https://www.zumper.com/rent-research/manhattan-ny

 また、「ラーメン一杯で20ドル(2,300円)以上する」といったような外食費の高さもよく言われます。日本と比べた外食費の高さは、ニューヨークに限った話ではなく、アメリカの他都市においても同じだと思います。

 ニューヨーク州司法試験に合格していないK室氏の法務助手としての年収(一説によると600万円)ではとても生活できない、また弁護士になったとしても、その年収(これも一説によると2200万円以上)ではお二人がニューヨーク市で余裕ある生活を送るのに十分ではない、などと言われています。


 まず、M子様とK室氏夫妻に求められる生活レベルは置いておき...、何かと生活費のかかるニューヨーク市ですが、実際にはかなり低所得の人が生活することも可能です。ニューヨーク市は様々な人種、年齢、職業等の人で溢れていて、貧富の差がものすごいです。支出を抑える方法も色々あります。

 家賃については、学生などの若い人であれば他人とルームシェアをして家賃を折半するのが一般的です。日本でも増えていますね。市の中心部であるマンハッタンから離れ、郊外エリア(クィーンズやブロンクス等)や隣のニュージャージー州に住むことでも家賃を抑えられます。また、同じ地域内でも古いアパートほど家賃は若干安くなりますし、そういうアパートの中には「Rent-stabilized 」といって毎年一定の%までしか家賃を上げられない規制が適用されていることもあります。更には、低所得者が格安の家賃で良い物件に住むことができる抽選プログラムもあります。

 食費に関しては、確かにレストランで外食すれば、チップも含めて高くつきますが、スーパーで食材を買って自炊すれば、日本と同じでかなり食費を節約できます。私自身、コロナ禍以降自炊中心の生活になってから、食費が大幅に下がりました。ファーストフード店では、サンドイッチやサラダ等に10ドル以上かかることも多く、日本よりかなりお高目ですが、格安のピザ屋、街角のフードトラック、小さなチャイニーズのお店などで安く済ませることもできます(食事の質はともかく、汗)。

 その他、毎月の通信費(ネットやスマホ代)も、安く済ませるための選択肢が増えているようです。最近の若者はあまりテレビを見ず、ネットのストリーミングサービスで十分という人も多いので、ケーブルテレビのサービスを解約する人も増えているとか。


 とにかく、ニューヨークでは様々な所得レベルの人が生活費をやりくりながら各々暮らしているということを言いたかったのでした。もし、お二人が一般人の夫婦として、ニューヨークでどんな状況も受け入れ、「身の丈に合った」生活をしていく覚悟があるのならば、年収600万円でも何とかやっていけるでしょうし、2000万円程度あれば余裕を持って暮らせるはずです。

 ところが、お二人の新居のアパートビルでは、報道によるとOne Bedroomの家賃が月4,800ドル〜らしく、一年で57,600ドル、つまり家賃だけで600万円を超えてしまいます...。そこで暮らしていくには、K室氏は必ず司法試験に受かって弁護士になる必要があるし、より余裕ある生活をするには、噂されているようにM子樣も就職して、ダブルインカムでやっていくことが望ましいでしょう。

 我々に見えないところでお二人に何らかの資金援助があるのかどうかは知る由もありませんが...。今回の騒動がK室氏母の金銭トラブルから始まり、何かとお金の疑惑が付きまとっていたこともあり、メディアや国民からの批判を受けないためにも、是非とも自力でお二人に頑張って頂きたいと思います。