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ミュージカル

  • July 9, 2022

トニー賞授賞式へ!

2022年6月12日(日)、第75回トニー賞の授賞式が開催されました。 トニー賞とは、ニューヨークのブロードウェイで上演されている演劇・ミュージカルに対して贈られる賞です。アメリカ演劇界で最も権威ある賞とみなされているとのこと。 今年、私はその授賞式に出席することができました。それも、観客として観るだけでなく、コーラスの一員としてステージで歌うことができました!その貴重な体験についてご紹介します。 トニー賞について トニー賞は、毎年のエントリー期間中にニューヨークのオン・ブロードウェイで開幕した演劇・ミュージカル作品が受賞対象となります。 毎年5月にノミネート作品が発表され、6月にニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールで授賞式が開催されています。コロナ禍のために2020年の受賞式は中止され、2021年9月になって2020年の作品に対する授賞式が行われました。今年からは通常時期の開催に戻りました。 これまで、私はトニー賞の授賞式をテレビの生放送で見てきましたが、式に出席できるのはミュージカル・演劇作品の関係者のみなのだろうと思っていました。 ところが、今回出席して知ったのですが、授賞式のチケットが一般向けにも販売されていて、オーケストラやメザニンの後方席から観覧できるようです(値段までは調べませんでした)。チケットさえ買えば式を観に行けることを知らない人は結構多いと思います。 チケットにはドレスコードとして「Black Tie Only」と書いてあり、フォーマルな装いで出席する必要があります。男性の場合、一般的なのは黒のタキシード・白のウィングカラーシャツ・黒のボウタイ・黒の革靴...らしいですが、文字どおり「Black Tie」である必要はなく、フォーマルな装いの解釈は出席者それぞれのようでした。当日は、様々な衣装の出席者が会場に溢れていました。 第75回トニー賞授賞式 第75回トニー賞授賞式は2022年の6月12日(日)の東部時間夜8時〜11時に行われ、CBSというテレビ局で全米に生中継されました(日本ではWOWOWで生中継)。 授賞式が始まる直前にも、夜7時からACT ONEと呼ばれるプレショーが行われ、いくつかのパフォーマンスや受賞発表がありました。ACT ONEはCBSでは放送されず、Paramount+というストリーミングサービスでのみ生中継されました。私達コーラスの出番もこのACT ONEの中でした。 各賞のノミネート・受賞結果の詳細については、トニー賞のページ等で確認できますが、主な部門の最優秀賞は以下のとおりです。 ミュージカル部門 […]

  • July 7, 2022

ミュージカル「Romeo & Bernadette 」観劇

「Romeo & Bernadette(ロミオとバーナデット)」というオフ・ブロードウェイのミュージカルを観ました。名前から推察できるとおり、シェークスピアの「ロミオとジュリエット」をベースにしていますが、そのロミオが長い眠りから目を覚まし、1960年代のニューヨーク・ブルックリンにやって来た!というトンデモなストーリーのミュージカル・コメディです。 どうやら2020年2月にオフ・ブロードウェイでの公演が始まったものの、翌月コロナ感染拡大のせいでキャンセルになり、2022年5月に再上演する運びとなったようです。今回の公演は6月末まで続きましたが、現時点では終了しています。 ところで、オフ・ブロードウェイとは、比較的小規模な劇場(約100席〜500席未満)で上演される演劇やミュージカルのことで、それ以上の大きな劇場で行われるものをオン・ブロードウェイと呼びます。オフで良い評判を得て成功すると、より大きなプロダクションでオンに進出することができます。「コーラスライン」や「レント」といった有名なミュージカルも、最初はオフ・ブロードウェイから始まりました。 私自身、オフ・ブロードウェイのショーを観に行くのは本当に久しぶりでしたが、オフの良さは何と言っても舞台と観客席が近く(どの席からでも舞台がよく見える)、出演者と観客に一体感が生まれるところです。豪華なセットや照明に彩られたオン・ブロードウェイの舞台と比べて、手作り感や温かみも感じられます。 1. 基本情報 作品名:Romeo & Bernadette脚本・作詞:Mark Saltzman演出・振付:Justin Ross Cohen音楽:from classic Italian melodies 観劇日時:2022年5月27日 午後8:00 〜 […]

  • July 3, 2022

ミュージカル「Girl from the North Country」鑑賞

もう半年近くブログをご無沙汰していました... 最近色々なショーを見る機会があったので、忘れないうちにいくつかここで紹介したいと思います。 6月17日(金)に「Girl from the North Country」というミュージカルを観ました。ボブ・ディランの楽曲で構成されている所謂「ジュークボックス・ミュージカル」で、タイトルも彼が作った楽曲「Girl from the North Country(北国の少女)」から来ています。 と紹介しながら、私はボブ・ディランの曲を全くと言っていい程知りません...数年前にノーベル文学賞(!)を受賞して話題になったし、音楽史に残るすごい人なのでしょうが、私にとっては名前は知っているけど曲は知らないシンガー・ソングライターの代表格という感じです(ここで無知を晒す...)。 このミュージカルはアメリカを舞台にしていますが、面白いことにイギリスで制作され、初演もロンドンだったようです(2017年)。ニューヨークでは2020年3月にオン・ブロードウェイでの公演が始まりましたが、不運にもその直後にコロナ・パンデミックのせいで休止となりました。 2021年10月に再開したものの、本年6月19日(日)をもってオン・ブロードウェイの公演が終了するとのことで、私は何とかギリギリで観に行くことができました。 1. 基本情報 作品名:Girl from the North […]

  • December 20, 2021

ミュージカル「ティナ」鑑賞

コロナ禍以降で初めてブロードウェイミュージカルを観に行きました。以前(2019年9月)ブログに書いた「Dear Evan Hansen」以来約2年ぶりです! 9月にブロードウェイの劇場が順次再開し、何か観に行きたいと思いつつ時が過ぎていきましたが、友達の提案で歌手ティナ・ターナーの半生を描いたミュージカル「ティナ 」を観ることにしました。 このミュージカルは、2018年にロンドンのウェストエンドで始まって人気になり、2019年11月にニューヨークへやって来たようです。正直、ティナ・ターナーの曲で私が知っているのは2、3曲程度でしたが、レビューを見るとかなり良い評判で期待も高まりました。 私が観に行ったのは12月4日の公演でした。当日は、劇場への入場前に並んでワクチンの接種証明(スマホのアプリ画面もしくは接種証明カード)とIDを係員に提示し、入場後別の係員にチケットを提示するという流れでした。劇場内では常時マスクを着用する必要がありました。 このブログを書いている現在(12月20日)、出演者がコロナに感染して公演がキャンセルになったことでも話題になっています。(私の回はキャンセルにならなくて良かった...) 1. 基本情報 作品名:Tina (The Tina Turner Musical)脚本:Katori Hall, Frank Ketelaar, Kees Prins監督:Phyllida […]

  • September 23, 2019

「Dear Evan Hansen」、こんな感想も...

前回ミュージカル「Dear Evan Hansen」、とても心に響きました!という内容の投稿をアップしました。 ミュージカル「Dear Evan Hansen」感想 ネットでも「感動した」「共感して泣いた」という感想があふれています。一方で、そうじゃない感想ももちろんあります。 観る前にあまり先入観を持たないために、以下は実際に観た後で読んだ方がいいかもしれません... ストーリーに納得できない! こっちのアメリカ人の友人が、以下のような感想をフェイスブックに書いていました。 エヴァンは、自殺したコナーとは親友だったと「嘘」をつくことで、コナーの家族やコミュニティを騙し、募金を集めることに成功した。憧れのゾーイと付きあうこともできた。その嘘がバレても、エヴァンは何も罰を受けないのか?彼が孤独で不安障害だったから、という理由で嘘も許されるのか?話に納得できない。 友人の言いたいことも分かります。結局は嘘を重ねて引くに引けなくなったオオカミ少年の話で、人を騙した報いは当然あるべきだと。なのに、最後のシーンでは「コナープロジェクト」で集めた募金でりんご園が再開されたことを仄めかしているし、マーフィー家の人々(と、ジャレッドと、エヴァンの母ハイディ)以外は誰もエヴァンの嘘を知らないままのようです。ゾーイにも最後に許してもらったし...エヴァンは嘘をついたにも関わらず何も失わなかったように見えます。 友人の意見に同調するコメントも結構ありました。音楽はいいけど、ストーリーは腑に落ちない、みたいな。ネットでも、嘘がベースになっているストーリーに疑問を呈する記事があるみたいです。 前半フィナーレの「You Will Be Found」は、前回も書いたとおり、観る前から良い曲だと知っていたのでとても楽しみしていました。    暗闇に押しつぶされそうなときも   支えてくれる友達が必要なときも   地面で打ちひしがれているときも   誰かが君を見つけてくれる (You Will […]

  • September 21, 2019

ミュージカル「Dear Evan Hansen」感想

ニューヨークの魅力のひとつ、ブロードウェイミュージカル!私も、ミュージカル大好き!などと人には言っておきながら、長年ここに住んでいると、正直そうしょっちゅう観に行くこともありません。そのうち、今何が上演されていて何が人気なのか、さっぱり分からないように... という訳で、自分のミュージカル熱を取り戻すべく?この度「Dear Evan Hansen」を観に行ってきました。 1.基礎情報 作品名:Dear Evan Hansen(ディア・エヴァン・ハンセン) 作詞作曲:Benj Pasek & Justin Paul 脚本:Steven Levenson 劇場:Music Box Theatre(239 W 45th […]