ミュージカル「Romeo & Bernadette 」観劇


「Romeo & Bernadette(ロミオとバーナデット)」というオフ・ブロードウェイのミュージカルを観ました。名前から推察できるとおり、シェークスピアの「ロミオとジュリエット」をベースにしていますが、そのロミオが長い眠りから目を覚まし、1960年代のニューヨーク・ブルックリンにやって来た!というトンデモなストーリーのミュージカル・コメディです。

どうやら2020年2月にオフ・ブロードウェイでの公演が始まったものの、翌月コロナ感染拡大のせいでキャンセルになり、2022年5月に再上演する運びとなったようです。今回の公演は6月末まで続きましたが、現時点では終了しています。


ところで、オフ・ブロードウェイとは、比較的小規模な劇場(約100席〜500席未満)で上演される演劇やミュージカルのことで、それ以上の大きな劇場で行われるものをオン・ブロードウェイと呼びます。オフで良い評判を得て成功すると、より大きなプロダクションでオンに進出することができます。「コーラスライン」や「レント」といった有名なミュージカルも、最初はオフ・ブロードウェイから始まりました。

私自身、オフ・ブロードウェイのショーを観に行くのは本当に久しぶりでしたが、オフの良さは何と言っても舞台と観客席が近く(どの席からでも舞台がよく見える)、出演者と観客に一体感が生まれるところです。豪華なセットや照明に彩られたオン・ブロードウェイの舞台と比べて、手作り感や温かみも感じられます。


1. 基本情報

作品名:Romeo & Bernadette
脚本・作詞:Mark Saltzman
演出・振付:Justin Ross Cohen

音楽:from classic Italian melodies

観劇日時:2022年5月27日 午後8:00 〜 10:30

劇場:Theater 555 (555 West 42nd Street, New York, NY)


2. あらすじ

1960年、イタリアのヴェローナ。400年間の眠りから覚めたロミオは、ヴェローナに家族旅行で来ていたバーナデットという女の子に出会い、ジュリエットだと思い込む。ロミオは、NYのブルックリンの家に戻ったバーナデットを追いかけ、そこで友達になったディノの助けを借りながら彼女を見つけ出す。バーナデットにはティトというフィアンセがいるが、ロミオはバーナデット(ジュリエット)の愛を勝ち取るべく奮闘する。


3. 感想

シェークスピアの悲劇から着想を得ているものの、本作はドタバタなラブ・コメディで、とにかく楽しい内容です。「ロミオとジュリエット」についてよく知らなくても、二人が愛し合っていた話だってことくらいを知っていれば問題ありません。

出演キャストの1960年代の衣装が色鮮やかで可愛らしく、その中でただ一人16世紀の衣装を着て古くさいセリフを喋るロミオとのコントラストも面白かったです。


キャストもみんな熱演でした。それほど大きくない劇場で、舞台にとても近い席だったので、彼らの汗までよく見えました。

ロミオ役・バーナデット役の俳優・女優さんはまだ若いと思いますが、どんどん活躍して有名になってほしいです。

オフ・ブロードウェイのショーでは、通常キャストの人数が限られるため、一人の俳優が複数の脇役を兼ねることも多いです。本作でも一人の俳優さんが歌手・花屋・神父など何役もこなしていて、全く別のキャラなのにすごい!と思いました。


今回の公演はひとまず終わってしまったようですが、とてもポテンシャルのあるミュージカルだと感じたので、いつかまたニューヨークに戻ってきて、オン・ブロードウェイの舞台で見られると嬉しいな〜と思います。