コロナ禍での家計管理と資産形成 Part 3

  • August 20, 2020
  • August 20, 2020
  • お金

コモディティ(金・銀)投資

コロナ禍において俄然注目を浴びるようになったのが、金・銀・プラチナといったコモディティへの投資です。プラチナにについては正直詳しくないので、ここでは割愛します。


金の価格は、一般的に米ドル、米金利と逆相関の関係にあると言われています。つまり、アメリカ経済(そして世界経済)の状態が不安定になると、ドル安傾向になり、米金利も下がるので、逆に金の価格が上がります。ですので、不景気時のリスクをヘッジする安全資産と考えられています。

2011〜2012年に金価格が高騰していましたが、その後は世界的な景気の拡大が続いた一方、金の価格も長く低迷していました。2019年に米中の貿易摩擦が顕著になってきた頃から、金価格は上昇傾向となっていましたが、2020年のコロナの感染拡大によって一気に急騰しました。今年7月には2011年以来の史上最高値を更新し、8月に入っても上昇傾向を続けています。

金価格の年初からの上昇率は約30%ということで、そろそろ下がるのではないか?と考える人もいる一方、世界的なコロナ不況で、米ドルをはじめ各国通貨がどんどん刷られて市場に出回っている中、まだまだ上がると考える人も多いようです。


そして、銀の価格もここに来て大きく上昇しています。銀価格の推移は、長期の視点からは金価格に似ていますが、銀には工業用の需要もあるため、それほど単純ではないようです。

2011年に銀価格は急騰しましたが、その後急落して長い間低迷していました。2020年に入り、コロナ感染拡大の影響で3月に一旦大きく下げた後、金価格をしのぐほどの勢いで爆上げ中です。それでも、2011年の最高値と比較するとまだ半値程度です。とにかく、金と比較して価格の変動幅が激しいことが特徴です。


金も銀も、株式や債券と異なり配当や利子が出ないので、投資リターンを実現するためには、あるタイミングで売却してキャピタル・ゲインを確定しないといけません。そういう意味では少し難しい投資対象ですが、リスクヘッジの観点から、自分の金融資産のある一定割合を金にすることを勧めている投資家も多いです。

なお、金や銀に投資する方法としては、地金や金貨・銀貨のように現物を買うこともできますが、自分で保管すれば盗難リスクがあり、取扱機関に預ければ保管料がかかります。投資目的であれば、どちらもETFを買うのが一番簡単だと思います。一番運用額の大きいETFは以下のとおりです。

  • SPDR Gold Trust (GLD)
  • iShares Silver Trust (SLV)


暗号資産への投資?

暗号資産、いわゆる仮想通貨は、歴史も浅く投資対象と言えるのか分かりませんが、近年注目されていることは間違いないでしょう。通貨というよりはコモディティの性質があり、最大の暗号資産であるビットコインは「デジタル・ゴールド」とも呼ばれています。

その所以ですが、金の埋蔵量に限りがあるように、ビットコインも発行総数がプラグラム上で決まっています。また、金を採掘するように、ビットコインもアルゴリズムを使用して採掘(マイニング)することで新たに発行されるようになっています。

実際、このコロナ禍で、金・銀と同じように暗号資産も大きく値上がりしています。もっとも、暗号資産の価格が本格的に急騰し始めたのは今年の7月末以降で、今後どう推移するかを予測するのはとても難しいのですが、強気の投資家も多いようです。

ここ最近の価格急騰をリードしているのは、暗号資産の時価総額2位のイーサリアムで、時価総額3位のリップルもそれに続いています。ビットコインの価格も上昇傾向ではあるものの、イーサリアムやリップルよりは勢いが弱く見えます。


とにかく、暗号資産は価格の変動幅がとても大きく、その変動要因も分かりにくいため、資産形成の手段としてお勧めしにくいです。が、興味があれば、自分の資産全体のうち小さな割合に抑えて、保有してみるのも良いかもしれません。


不動産投資

最後に、おそらくここでチョロっと紹介できるようなものではないでしょうが、資産を育てていく上ではとても重要な不動産について、本当にチョロっと...

私自身は、今のところ自宅(アパート)を購入したのみです。自分の居住用ではなく、投資用の不動産を購入して家賃収入を得るようにならないと、不動産投資をしたとは言えませんが、私はいずれ自分で経験しながら詳しくなれるといいかな、と思っています。

不動産投資のメリットは、レバレッジ(借り入れ)を利用して自分のお金をあまり使わずに投資できること、税制面で色々と優遇があること等だと理解しています。

一方で、デメリットとしては、やはり投資金額(またローン金額)がかなり大きくなるため株等と比べると簡単に手を出せないこと、空室リスクや修繕リスクなど運用上の様々なリスクに対処する必要があること等でしょうか。


不動産投資とは言えないかもしれませんが、私はアメリカのREIT(不動産投資信託)のETFを保有しています。REITに投資すると、REITが運用している不動産収益からの分配金をもらうことができます。この分配金利回りは、通常の株式会社の配当利回りと比べてもかなり高いです。分散投資対象のひとつとして検討してみても良いでしょう。ただ、このコロナ禍でREIT ETFの価格は一時的に大きく下がりました。


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さて、この辺で終わりにしようと思います...。資産形成を検討される上で、何かの参考になれば幸いです。

このシリーズのPart 1で最初に書いたように、私が資産形成や投資に関するYouTubeの動画、ネット記事、本などから学んだことをもとに、共通して言われていた点をできるだけまとめてみたつもりです。私自身がここで書いた投資の全てをやっている訳ではありません。

最後に、一番大事なこと。「投資は自己責任で!