2. ドル・コスト平均法
資産形成のための投資を考えている人であれば、ドル・コスト平均法という言葉を聞いたことがあるのではと思います。株やファンドといった金融商品を購入する際、一括購入せずに、均等額ずつ定期的に継続していく投資法のことです。
定額の積立投資になるので、価格が安いときには多くの口数を買うことができ、価格が高いときには少ない口数を買うことになります。価格の変動に関わらず継続的に買うことで、購入単価を平均値にならしていく効果があります。また、自動的に定期購入するため、買うタイミングについて悩む必要がありません。
ドル・コスト平均法によって、大儲けする可能性は減るかもしれませんが、大損するリスクも抑えることができます。インデックス投資が、銘柄を分散することによるリスク分散である一方で、このドル・コスト平均法は、タイミングを分散することによるリスク分散と言えます。
アメリカで多くの企業が提供している「401K」 と呼ばれる確定拠出年金制度では、社員が給料から毎月一定額の掛金を拠出し、自分が選んだファンドを購入して運用します。日本でもこの401Kを採用している企業は増えているようです。これはまさにドル・コスト平均法を利用した投資です。
企業が提供する401K以外にも、各個人が将来の備えとして準備する個人型確定拠出年金があり、アメリカではIRA (Individual Retirement Account)、日本ではiDeCo (Individual Defined Contribution Plan)と呼ばれています。(関係ないけど、イデコって変な名前...。)iDeCoは積立投資なのでドル・コスト平均法を利用しているし、IRAでも定額を積立投資している人も多いでしょう。
3. 長期投資
読んで字の如くですが、資産形成のための投資は、短期で売買を繰り返すものではなく、長期的な視点から運用をしていかなければなりません。
過去を振り返ると、2000年のドットコム・バブル(インターネット・バブル)の崩壊、2008年のリーマン・ショック、今年のコロナショックのように、約10年周期で30%〜50%の世界的な株価の大暴落がありました。将来いつか同じような暴落が起こるでしょうが、そんなときに慌てて売ってしまうことがないように、精神的にも余裕を持っておくことも大事です。
ちょうどリーマン・ショックのとき、暴落が怖くなって、401Kの口座で投資していた株式を全てキャッシュに移したという知り合いがいました。が、結局株価は翌2009年に大きく回復しました。むしろ、暴落時にドル・コスト平均法でずっと株式投資を続けていれば、購入単価を抑えることで大きな利益が得られたはずなのに...と思いましたが、それは過ぎてから分かることで、人間は常に合理的に行動できる訳ではありません。
過去のS&P 500インデックスの推移を分析したところ、10年スパンの投資では損をしてしまう可能性もあるものの、20年以上のスパンではいつ投資を始めてもプラスのリターンを達成できる、という結果もありました。
自分が退職し老後の資金が必要になるタイミングで、ちょうど暴落が来てしまったらどうしよう!と心配する人も多いと思います。その備えとしては、株式のようなリスク資産の割合を年齢と共に徐々に減らしていき、株の値動きとの相関関係が低い金融商品(伝統的には債券)や現金の割合を増やしていくという対策があります。じゃあ、その割合はどのくらいがいいの?という疑問があるでしょうが、それは個々人の置かれている状況や性格によって様々だと思います。
どこの証券会社が良いか?
最後に、どこの証券会社で口座を開くべきか?という点ですが、やはりインターネット専業証券の方が手数料も安くて良いと言われます。
もちろん、昔からある伝統的な総合証券(日本では、野村、大和、日興など)でも、インターネット取引の口座を開設することはできます。総合証券での売買手数料はネット証券に比べて高くなっていますが、その代わりに、店頭窓口の担当者や営業マンと投資の相談をしたり、アドバイスをもらえるというメリットもあります。
ところが、投資や資産形成の発信をするYouTuber達は、証券会社の担当者や営業マンは自分達にとって儲けになる(手数料の高い)金融商品だけを顧客に売ってくるから、絶対に買うべきではない!と揃って言っています。
今回のブログに書いたように、アメリカ株インデックス(S&P 500)ETFをドル・コスト平均法(積立)で買うだけなら、そもそもアドバイスなどいらないし、手数料は安ければ安いほど良いですよね。
アメリカの代表的なインターネット証券会社は以下のとおりです。
- TD Amertrade (TDアメリトレード)
- Charles Schwab (チャールズシュワブ)
- E*Trade (イートレード)
- Fidelity (フィデリティ)
- Interactive Brokers (インタラクティブ・ブローカー)
近年の流れとして、多くのネット証券では株式やETFの売買手数料が無料となっています。また、2020年中を目処にCharles SchwabがTD Amertradeを買収することが発表されています。上記以外にも色々な会社があり、競争が激しい業界のようです。
ちなみに、私はTD Amertradeに口座を持っています。
日本の主なネット系証券会社は以下のとおりです。(私自身は使ったことも調べたこともないので、よく知りません。)
- SBI証券
- 楽天証券
- マネックス証券
今回も長くなってしまいましたが、次回は株式以外の投資(債券・コモディティ等)についても触れたいと思います。
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