2022年も半分が終わりました...。あっという間だったようで、様々なことがあり、世の中の状況も随分変わった気がします。
コロナの現状
年末・年始の頃は、世界中でオミクロン株が大流行していました。ニューヨークの状況について、年始のブログでも紹介しました。
あれから感染状況はいったん落ち着きましたが、4月あたりから感染者がまた増加し始め、ニューヨーク市では、5月に新型コロナウィルスに関するアラートシステムのレベルが「高(レベル3)」に引き上げられました。
ここ最近、感染者の増加が更に進んでいます。現在ほとんどがオミクロン株の新派生型のようです。BA.2型から新種BA.5型への置きかわりが進んでいるといいます。米国疾病予防管理センター(CDC)も7月8日、ニューヨーク市の新型コロナウイルス感染拡大レベルを「中」から「高」に更新しました。勧告内容は、公共施設の屋内でのマスク着用、ブースターを含むワクチン接種の推奨、等です。
世界中でコロナ感染が始まってから2年余りが経ち、まだ収まっていない現状にうんざりしていますが...、こちらの雰囲気としては、大多数の人はもはやコロナの脅威は過ぎ去ったと感じているようにも見えます。街中でマスクを着用している人は、冬の頃と比べると格段に減っています。
本格的な夏シーズンが到来し、国内・海外を問わず旅行に出かける人が増えています。SNSでは、友達の旅行の写真がたくさんアップされています。マンハッタンの街中では、観光客と思われる人達を大勢見かけます。
アメリカへの入国に際し、6月12日からはコロナPCR検査の陰性証明が必要なくなりました。(アメリカ市民でない場合、ワクチン接種証明はまだ必要なようです。)
私もこの夏、コロナ禍以降で初めての日本帰国を計画しています。日本への渡航に関しては、現在強制・自主隔離は撤廃されましたが、今も搭乗前72時間以内のPCR検査と陰性証明が義務付けられています。日本へ帰る身としては、入国時の検査の義務も近々無くなることを期待していますが、日本で感染が再拡大しているこの状況では難しいかもしれません。
経済状況
市民生活がどんどんコロナ以前の状態に戻っている一方で、経済や市場の状況は今年に入ってから大変厳しくなっています。アメリカでインフレが止まらず、様々な物価が上昇していることは報道にあるとおりです。2月以降のロシアによるウクライナ侵攻も、エネルギーや食糧の物価上昇に影響しています。
急激なインフレを抑えるために、米連邦準備制度理事会(FRB)は今年に入って既に3度政策金利を引き上げましたが、今後も更に利上げが行われる見込みです。FRBは、利上げによって多少経済状況を犠牲にしても、インフレ抑制に断固取り組む姿勢を見せています。高インフレと利上げを織り込みながら、今年上半期に株式市場は大きく落ち込みました。この辺のことは、また別のブログで書きたいと思います。
ただ、アメリカに住んでいる私の感覚としては、最近のアメリカ、特にニューヨークでの物価上昇に関する日本の報道は、多少大げさにも見えます。
そもそも、コロナ以前からレストランでの食事にかかる値段は(税・チップも含め)ニューヨークの方が日本より高かったのです。特に、よくラーメン一杯の値段が取り上げられますが、こちらではラーメンの歴史が浅く、少しおしゃれ(?)な感覚で食べられているので、庶民の食べ物として生活に溶け込んでいる日本と比較すると、もともとかなり高い値段設定になっていました。
その上で、今年に入り対ドルでの円安が急激に進んでいることから、今の為替レートで換算すれば、ニューヨークでの食事の値段が更に高くなってしまいます。こちらで物価が高騰しているのは事実ですが、全体として人々の給与も上がっているはずで、今ニューヨークの物価があり得ないレベルになっていると報道されるのは、現地からは少しミスリーディングに感じます。
とは言え、今日本からアメリカ、ニューヨークに旅行に来る人にとっては、懐事情にもろに影響することですから、お気をつけ下さい(汗)。
安部元首相の逝去
7月8日、安倍元総理大臣が銃撃されて死亡するという衝撃のニュースがありました。アメリカに住んでいる立場からすれば、銃犯罪が少ない安全なはずの日本で、それも選挙期間の遊説の最中に、あのような事件が起こってしまったことが驚きでなりません。心からご冥福をお祈りいたします。
ニューヨークの日本領事館にも弔問の記帳台が設けられました。7月11日の領事館前には、記帳のための長い列ができていました。キッシンジャー元国務長官も弔問に訪れたようです。
選挙の応援演説中の元首相を撃つという卑劣な犯罪を犯した容疑者を許すことはできません。安部元首相が行ったことに対する様々な意見・考えがあることは承知していますが、言うまでもなく、右であれ左であれ政治的立場が気に食わないからと言う理由で殺人を肯定して良いことにはなりません。故人を神格化せず、その実績の功罪をきちんと検証することは重要なのに、このような亡くなり方ではそれを冷静に議論するまで時間がかかるかもしれません。
その一方で、容疑者の犯罪動機やその背景が順次公表されていく中、伝えられている彼の供述がもし本当だとすると、母親が宗教団体へ行った過度な献金のために破綻・困窮した生活を送らざるを得なかった容疑者を気の毒と思わざるをえません。今でも宗教団体の活動に関わる被害が起きていること、容疑者と同じような苦しみを味わった人々がたくさんいることも報道されています。
今回のような犯罪が繰り返されないために(宗教団体への恨みと元首相殺害の動機には大きな隔たりがありますが)、容疑者家族が受けたような被害をどうやって減らすことができるか、それも政治の責任のひとつであるように思います。
最後に...写真
独立記念日には、例年のように友人宅に集まって花火を見ました。毎年この日を無事に迎えられることに感謝です。
現在、リンカーン・センターの広場の噴水の上に巨大ミラーボールが設置され、夕方から夜に人々が踊るスペースとなっています。