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2020年8月

  • August 28, 2020

8月も終わります...ニューヨークの今

あっという間に、8月も終わりに近づいています。随分涼しく感じる日も出てきました。 これまでに経験したことがない、何とも言えない夏が過ぎ去ろうとしています。休みがあっても自由に旅行に行けず、どんなに暑くてもマスクを着用する日々...ある意味、忘れられない夏になるかもしれません。世界中の人が同じように感じているのではないでしょうか。 さて、前回アメリカ・ニューヨークの新型コロナウィルスの感染者数・死者数に触れたのは7月26日のブログでした。それからちょうど1ヶ月が経ち、8月28日時点の新型コロナウィルス感染者数・死者数は以下のとおりとなっています。 アメリカ合衆国:感染者  6,086,421、死者  185,693 ニューヨーク州:感染者     463,728、死者    33,001 ニューヨーク市:感染者     229,518、死者    23,680 (アメリカとニューヨーク州の情報はWorldometer、ニューヨーク市の情報はNew York Cityのサイトを参照。ニューヨーク市の死者数は、コロナが原因と確定された死者(Confirmed Deaths)と、コロナが原因と推定された死者(Probable Deaths)の合計。) 今では、日々の感染者数や死者数といった数字自体をそこまで意識しなくなった人も多いのではないでしょうか。(私がそうです。)とは言え、感染拡大が続いているのか、収まりつつあるのか、という傾向はしっかり把握しておきたいものです。 アメリカ全体では、約1ヶ月前の数値と比べると感染者数が41%増、死者数が24%増で、まだ感染拡大が続いているように見えますが、7月と比べると、8月に入ってから勢いは収まってきているようです。 一方、ニューヨーク州では、この1ヶ月で感染者数が6%増、死者数が1%増となっていて、全米の傾向と比べると、増加のペースはかなり落ち着いています。ニューヨーク市の数を見ても、だいたい同じ傾向です。まだ、社会経済活動や州外からの移動に対してかなりの制限を設けている効果が出ていると思われます。 […]

  • August 20, 2020

コロナ禍での家計管理と資産形成 Part 3

ブログの前2回で、家計管理・資産形成のポイントについて紹介しました。 具体的に、Part 1では、自分の収入の一定割合(少なくとも10%)を貯蓄に回し、まずは生活防衛資金を貯めること、Part 2では、さらに貯まったお金を運用する、具体的には「アメリカ株式インデックス(ETF)」に「ドル・コスト平均法」による積立てで「長期投資」することをお勧めしました。 投資初心者やあまり投資に時間・労力を割きたくない人を念頭に、出来るだけシンプルに、何に投資すれば良いか紹介するだけであれば、それで終わって良かったのですが...、他の投資の選択肢を知りたい人もいるでしょうし、もちろん選択肢はたくさんあるので、今回その一部を紹介したいと思います。 高配当株投資 資産形成や投資などに関するYouTube動画を見ていると、株式インデックス投資と並んでよく取り上げられ、推奨されているのが「高配当株投資」です。 文字どおり、配当利回りが高い会社の株式に投資する手法のことです。株式会社は、各期(通常アメリカでは四半期毎、日本では半期毎)の最終利益の一部を配当金という形で株主に還元します。きちんと利益を生み出し続けている会社は、その分配当金を株主に支払う余裕があることになります。 私達が株式投資からリターンを得る方法は基本的にふたつ、①買ったときより高い株価で売って売却益を出す(キャピタルゲイン)か、②配当金をもらう(インカムゲイン)か、どちらかです。高配当株投資は、②のインカムゲインにより注目した投資法です。 高配当株投資のメリットは、何と言っても定期的に高い配当金(インカムゲイン)をもらえることです。現在、アメリカ株インデックスETFの配当利回りは2%弱程度であるのに対し、アメリカ株高配当株ETFの配当利回りは3〜6%となっています。配当金をさらに投資に回せば、投資の複利効果が期待できますし、配当金額が多くなれば、不労所得として生活費の足しにすることも可能です。 以前のブログで紹介したFIRE(Financial Independence, Retire Early)を目指している人達には、この高配当株投資を行なっている人が多いです。早期リタイアするためには、不労所得の基盤を早く作る必要があり、高配当株投資は有利になります。 ただし、高配当株投資のデメリットもあります。高配当株ETFの構成銘柄を見ると、金融、エネルギー、通信、消費財、不動産といったセクターの企業が大きな割合を占めています。かなり歴史のある大企業も多く入っています。(JPモルガン、エクソンモービル、AT&T、P&Gなど) これらの企業は、安定して利益(そしてキャッシュフロー)を出している優良な企業ではありますが、あまり大きな成長要素がないのも事実です。成長性がないので、大きな事業投資を行う必要もなく、残ったキャッシュを株主に配当として払っているとも言えるのです。 一方で、今の世界経済をリードするアマゾン、グーグル、フェイスブックといった企業は、現在配当金を一切払っていません。事業で稼いだお金を株主へ配当するより、新しい技術開発や設備への投資、他社の買収にどんどん回して成長を続けた方が、最終的には株主の利益になるという判断からです。 そして、このコロナ禍に高配当企業の株価、また高配当株ETFの価格は大きく下落し(エネルギー関連株のように、必ずしもコロナの影響と直接関係なく下落した株もありますが。)、その後の回復も遅れ気味です。それに対し、アマゾンやグーグルの株価は、コロナの影響も大して受けずに上昇を続けています。 アメリカ株インデックスには、高配当の会社も高成長(アマゾン、グーグル等)の会社もどちらも含まれています。そう考えると、長期スパンでの資産形成が目標である場合、やはりインデックス投資の方が有利になるでしょう。将来に備えて資産を築いていきたいならインデックス投資、先のことより今もらえるお金の方が大事なら高配当株投資、ということでしょうか。 個人的には、インデックス投資をメインにしつつ、高配当株投資をやってみるのもいいと思います。定期的に、高い配当金がもらえるというのは嬉しいもので、投資へのモチベーションにもなります。 […]

  • August 17, 2020

コロナ禍での家計管理と資産形成 Part 2

前回は貯蓄のポイントなどについて書きましたが、今回は貯まったお金をどうやって増やしていけるかについて触れたいと思います。 前回、以下の式を紹介しました。 収入 − 支出 = 貯蓄 (もしくは、収入 − 貯蓄 = 支出) これを少し進化させて、資産形成の公式は以下のとおりです。 資産形成 =(収入 − 支出)+(資産 × 運用利回り) 私が「お金に働いてもらう」という言葉を最初に知ったのは、ロバート・キヨサキ氏著のベストセラー「金持ち父さん貧乏父さん」からでしたが、今はどこかしこでこの言葉が使われていますね。お金を自分 の懐から取っていく「負債」ではなく、お金を増やしてくれる「資産」を買えということです。 では、どのような資産を買えば良いのでしょうか・・・? 株式への投資 資産形成のための投資を考えるとき、まず思いつくのは株式投資だと思います。 私達は、会社の「株」を買うことで会社の所有者の一人になることができ、その利益から配当金を受け取る権利をもらえます。株式市場に上場されている会社の株は、誰でも自由に売買することができます。 ある会社の株に投資するということは、その会社の将来に自分のお金を託すということでもあり、なかなかリスクを伴う行為です。その会社に将来性があるか、投資に値するかを判断するために、過去の業績や未来の予測について色々調べるのは骨の折れる作業であり、個人で分かる情報の範囲も限られます。誰もが知っている大きな株式会社(世界的にはアップルやアマゾン等)の株であっても、市場全体の動きや会社固有の事情によって株価は大きく変動します。株式投資を始めたばかりのような人は、毎日の株価の値動きに翻弄され、不安になったり合理的でない売買をしてしまいがちです。 特にこの2020年は、新型コロナウィルスの感染拡大のために、2月後半から3月にかけて株式市場全体が暴落しました。多くの国の証券取引所にはサーキットブレーカー制度があり、一定の基準を超えて株価が大幅に変動した場合取引が一時的に停止されることになっているのですが、この時期にはニューヨーク証券取引所などでサーキットブレーカーが何度も発動されました。 株式市場は4月以降に急回復しました。以下のグラフは、アメリカ株式市場の代表的な指数(インデックスと言う)、Dow Jones、S&P 500、Nasdaqの2020年の推移を示しています。Dow Jonesは、アメリカの代表的な30企業の株価を元に計算され、「NYダウ平均株価」としてニュースでも取り上げられていますが、今アメリカ市場全体の動きを示す指標として最も参照されているのはS&P 500の方でしょう。S&P 500はアメリカの株式市場に上場している代表的な500銘柄で構成されています。また、Nasdaq総合指数はハイテクやネット関連の上場企業の株価指数です。 (Source: […]

  • August 9, 2020

コロナ禍での家計管理と資産形成 Part 1

新型コロナの感染拡大は、一般市民の家計に大きな影響を与えています。社会経済活動が制限される中で、仕事を失った人、仕事はあっても給料が大幅に減った人が世界中で増えています。これからの家計に大きな不安を抱えている人は多いと思います。 私は幸いにもまだ仕事があり、今のところは大丈夫なのですが、この状況が続けばこの先何が起こるか分かりません。また、私の金融資産のかなりの割合が株式投資なので、コロナが一気に深刻化した2月後半〜3月にかけての株式市場全体の暴落や不安定な値動きには、とても不安にさせられました。 そういうこともあり、私は節約、資産形成、投資などに関する情報を発しているYouTuberのビデオを色々と見ました。また、そういったテーマに関する本やネットの記事も読みました。そして、各々によってその視点(短期投資か、長期投資か、など)は異なるものの、だいたい共通して言っていることも分かってきました。 ここでは、そういった共通点、つまり多くの人にとって当てはまるであろう家計管理や資産形成のポイントをまとめてみようと思います。大変な時代になりましたが、見方を変えれば、今の家計を見直し将来の資産形成を考えるちょうど良いタイミングなのかもしれません。 貯蓄の第一歩 自分の資産形成を考える上でまず最初にやることは、たったひとつ。それは、常に自分の収入の一定の割合を貯蓄することです。なんだ、そんなこと知っているし、聞いたことあると思うでしょう。大抵の場合において、大事なことは結構単純で、でもそれすらやっていない人も多いんじゃないかと思います。 今漫画版が日本で売れている「バビロン大富豪の教え(George S Clason著)」では、「収入の10分の1を貯蓄せよ」という教えが繰り返し言及されています。 また、億万長者が書いた人生哲学本である「私の財産告白(本多 静六著)」では、「月給4分の1天引き貯金」をして巨万の富を築いたことが記されています。 更に、以前のブログでも書いたFIRE(Financial independent , Retire Earlyの略)を目指す人達の多くは、収入の7割、8割という何ともエゲツない(笑)割合を貯蓄(投資)に回して、早期リタイアに向けて準備しているようです。 自分の収入の何割を貯蓄に回せる余裕があるかは、それぞれの人の状況によって違うと思います。7、8割なんてとんでもない、4分の1でも厳しいという人もいるでしょうが、やはり10分の1は貯蓄しておきたいものです。10分の1を貯めるとなると、残りの10分の9のお金で生活していくことになりますが、単純計算では9ヶ月経った頃に1ヶ月生活できる分のお金が溜まることになります。 そして、一定割合を貯蓄する方法として、よく紹介されているのは「給料天引き」貯金です。給料から生活費を払って残った分を貯金するのではなく、給料からまず貯金分を天引きして、その残りで生活するのです。 収入 − 支出 = 貯蓄 ではなく、 […]