8. ストックホルムからコペンハーゲン
スウェーデンのストックホルムからデンマークのコペンハーゲンまで飛行機で移動ました。
まず、ストックホルムでは中央駅からアーランダ空港まで、前回ブログでも紹介したアーランダ・エクスプレスに乗って行きました。午前中のフライトだったので速度を重視しましたが、20分程度であっという間に空港に到着しました。
空港では出発時間まで2時間以上ある人は保安検査場の入口に入れてくれなかったので、あまり早く空港に着きすぎても意味がないかもしれません。
ニューヨーク~ストックホルム便に乗ったときと同様、荷物検査もスムーズに済んで、搭乗まで時間があり余るくらいでした...。
アーランダ空港からコペンハーゲン・カストラップ国際空港までのフライト時間は1時間。スウェーデン、デンマークともシェンゲン協定加盟国であるため、入国審査はありませんでした(パスポートにデンマークのスタンプはもらえません)。
なお、ストックホルム~コペンハーゲン間は、列車に乗って約5時間で移動できるようです。個人的にはヨーロッパの各都市を鉄道で移動するのが好きなのですが、今回は飛行機の方が安かったので、飛行機を使いました。
9. コペンハーゲン(空港から市内)
カストラップ国際空港からコペンハーゲン市内まで移動するための公共交通機関として最も便利なのはデンマーク国鉄(DSB)の電車です。所要時間はたったの15分、料金は大人1人で38 DKK(デンマーククローネ)(2022年8月の為替レートで5.2米ドル、700円)でした。ターミナル3を出てすぐのところにDSBの自動券売機が並んでいます。
空港から大都市の中心部までの距離がこれ程近いのは珍しいと思います。バスや地下鉄でも移動できるようですが、全ての手段が同じ値段でありながら、国鉄の電車が一番早くコペンハーゲン中央駅に到着します。
ちなみに、コペンハーゲンでは市内の公共交通機関(国鉄、地下鉄、バス)の利用が一定時間(購入時から24時間、48時間、72時間など)乗り放題になるCity Passというものがあります。例えば、Zone 1~4区間の24時間のCity Passであれば料金は80 DKK(同11.0米ドル、1500円)です。Zone1~4には多くの観光スポットが集中していて、カストラップ空港(Zone 4)もカバーしているので、市内で公共交通機関をたくさん利用する予定であれば、空港でまずこのCity Passを買っておくのがお得です。(私はこのことを後で知りました...)
また、ストックホルムでは電車や地下鉄を利用する際に駅の改札を通る必要があるのに対し、コペンハーゲンでは駅に改札がありません。切符やPassを買ったら、そのままプラットフォームへ行って電車に乗るだけです。時々車掌が確認のために車内を周ってきて、もし切符を持っていないと高額な罰金を払わされる仕組みになっているようです。
10. コペンハーゲン観光
コペンハーゲンはデンマークの首都であり、周辺を含めた都市圏としては北欧最大級だそうです。
デンマークはかつてヴァイキングが活躍した地として有名です。一時(14世紀〜)デンマークの王がノルウェー・スウェーデン王を兼ねる時代もあったようですが、16世紀以降はウェーデンとバルト海における勢力争いを繰り広げました。19世紀以降外交的に中立主義を維持してきたこと、王室が存続しているところはスウェーデンと似ています。ただ、スウェーデンとは違い、NATOには第二次大戦直後の発足当初から加盟していたようです。
以下で、私が訪れたいくつかの観光地を写真とともに紹介します。
i. ニューハウン(Nyhavn)
コペンハーゲン で一番人気のある撮影スポットと言えば、多分ここでしょう。運河沿いに色とりどりの建物が並び「映える」スポットになっています。
ニューハウンとは「新しい港」という意味で、観光船やヨットがたくさん往来しています。
ここに宮殿や美術館などはありませんが、建物の多くがレストランやカフェ等になっています。
ii. アマリエンボー宮殿(Amalienborg Slot)
コペンハーゲン市内には3つの宮殿(アマリエンボー 、クリスチャンボー、ローゼンボー)がありますが、このアマリエンボー 宮殿がデンマーク王室の居城となっています。
現女王マルグレーテ2世が滞在しているときは、宮殿の屋根に王室の旗が掲げられているのだとか。
ストックホルムの王宮と同様、こちらでも正午頃に近衛兵の交代式があります。(私が到着した時はどうやら式典がほぼ終わっていたようで、見られませんでいした)。
iii. 人魚姫像(Statue of the Little Mermaid)
童話「人魚姫」は、デンマーク出身の作家アンデルセンによって書かれました。
人魚姫の像もコペンハーゲン随一の観光スポットですが、「世界三大がっかり」観光名所とも言われているようです...。(あとの二つは、ブリュッセルの小便小僧とシンガポールのマーライオン。)
実際に見てみると、確かに像が小さくてびっくり(がっかり)...。とは言え、大勢の観光客が集まって写真を撮っていました。
ⅳ. アンデルセン像とチボリ公園(Statue of Andersen & Tivoli Gardens)
繰り返しになりますが、童話「人魚姫」の作者アンデルセンはデンマーク人でした。
市の中心部にある市庁舎前広場からすぐ近くの歩道にアンデルセンの像があります。そして、その像が見つめる先にはチボリ公園という歴史ある遊園地があります。
コペンハーゲン中央駅から通りを挟んだ真ん前にもチボリ公園の入場口があります。(以下の写真とは逆側。)
ⅴ. ストロイエ通り(Strøget)
コペンハーゲンの目抜き通りであるストロイエ通り。市庁舎前広場から約1.2 kmに及ぶ、世界初の歩行者天国かつヨーロッパ最大の歩行者天国だそうです。
コペンハーゲンで買い物を楽しみたいなら、まずはこの通りを歩くことになるでしょう。私が行ったときも大勢の人々で賑わっていました。
また、有名な玩具屋さんLEGOはデンマークの会社なんですが、その本店もストロイエ通りにあります。
ⅵ. デンマーク王立図書館(Det Kongelige Bibliotek)
川沿いにそびえ立つ王立図書館は、その黒く輝く外観から別名「ブラック・ダイアモンド」とも呼ばれています。蔵書数は北欧で最大級だとか。
図書館一階のカフェには屋内席のほか屋外にもテラス席があり、美しい景色を眺めながらゆっくり休憩することができます。
また、川沿いにあるデッキでは大勢の人が水着を着て日光浴を楽しんでいました。こういう光景は日本の街中では中々見られず、欧米ならではかもしれません。
ⅶ. ローゼンボー城(Rosenborg Slot)
ローゼンボー城はもともと国王の夏の離宮として造られたそうですが、今は王室コレクションを展示する博物館になっています。
先ほど紹介したアマリエンボー宮殿と比べると小ぢんまりしていますが、落ち着いた雰囲気があり、市民の憩いの場となっているようです。また、美しく整備された庭園が有名です。街の喧騒から離れてゆっくり過ごすことができます。
コペンハーゲンでもやっぱり、旅行系YouTuber「しげ旅」さんの観光動画がとても役に立ちました。(特に食事。)
しげ旅さん「コペンハーゲン33歳ひとり旅🇩🇰カールスバーグと北欧の街並み。【ヨーロッパ#9】2022年7月9日〜12日」(YouTube)
11. デンマーク出国、アメリカ帰国
北欧旅行の最終日。コペンハーゲン中央駅からカストラップ空港までは、行きと同じく国鉄(DSB)を使用しました。
このニューヨーク行きの便はオンライン(SASのアプリ)でチェックインできず、空港のSASカウンターまで行かないといけませんでした。どうやら、私が米国永住者(グリーンカード)であることが原因のようでした。
カウンターの列で結構待ちましたが、荷物検査が済んだ時点でまだ出発まで2時間半程あり、ゆっくりお土産の買い物ができました。
お土産には、デンマーク王室御用達の紅茶ブランド「A.C. Perch’s(ACパークス)」でティーバッグを買いました。この紅茶ブランドの市内の店舗にはティールームもあるようですが、空港店は紅茶の販売のみです。
私の便の搭乗ゲートへ向かう途中で出国審査のポイントがあり、そこを過ぎるとお店は全くなく、本当に搭乗を待つだけのエリアとなっていました。買い物は出国審査の前に済ませておく必要があります。
前回ブログで書いたように、米国市民・永住者・ビザ保持者以外の渡航者は、ワクチン接種に関する宣誓書(Attestation)を提出する必要があり、搭乗する際に書類をチェックされていました。
ニューヨーク行き便はほぼ定刻に出発し、約8時間半でニューアーク国際空港に無事到着しました。
空港での入国審査がものすごく混雑していました。更に、アメリカ市民かそれ以外かで列が分けられていて、私のような永住権保持者も海外からの大勢の渡航者と一緒に並ぶことになったため、時間がかかりました。結局1時間以上は並んだでしょうか。意外とスムーズに移動できたこの旅行の最後で、想定以上に待つことになってしまいました。
とは言え、コロナ禍以降初の海外旅行を無事に終えることが出来ました。
12. まとめ
ストックホルム、コペンハーゲンどちらの都市も、長い歴史を反映した伝統的建造物を多く残しながら、北欧らしくセンスの良いモダンな建物もあり、新旧が融合しながら独特の街の雰囲気を醸し出しているように思いました。
滞在中の気候もとても気持ち良く、8月でありながら日本やニューヨークの感覚では秋の始めの頃のような涼しさでした。朝晩はむしろ少し冷えるくらいでした。
「しげ旅」さんのYouTube動画で、朝晩用にユニクロのライトダウンジャケットがあると良いと言われていたので、私も持っていきましたが、実際に夜に出かけるとき役に立ちました。
また、それぞれの都市にほんの数日滞在しただけの感想ではありますが、街の人々が親切でどこか余裕のある感じがして、北欧が成熟した社会と言われるのはこういうところなのかな〜、と何となく思いました。
ちょうど私がストックホルムに到着したのがLGBTプライドパレードの日で、大勢の人がレインボー色の旗やグッズを持って大通りの沿道に集まっていました。パレード参加者の派手さという点では、流石にニューヨークのような大都市のLGBTパレードには敵わないと思いましたが、沿道では男女の夫婦と子供達、老人達も旗を振りながらパレードを楽しんでいて、LGBTが当たり前のように受け入れられているように見えました。
あと、ホテルやお店など観光客を相手にする人達に限らず、私が会ったほぼ全ての人が流暢な英語を話していました。他のヨーロッパの国の人達(フランスやドイツなど)と比べても、訛りがなく聞きやすい英語でした。
ただし、よく言われているように北欧の物価はかなり高いです...!ニューヨークの感覚からしても少し高いなと思いました。今は特に円安が進んでいるので、日本から旅行する場合はある程度覚悟が必要かもしれません。
北欧の雰囲気が気に入ったので、今回行かなかったノルウェーやフィンランドにもいつか行ってみたいです!