家計管理と資産形成:2024年〜2025年1Q振り返り

3. 株式市場

前ページで触れたとおり、2024年の米国株式市場は大変好調でした。2025年に入ってからは、一転して軟調な展開になっています。

以下のグラフは、2024年〜2025年1Qの米国主要株式インデックス指数の変動を示しています。下から青い線がDow Jones、緑の線がS&P 500、赤い線がNasdaqです。


(Source: Yahoo! Finance

また、以下の表は3つの株式インデックスの2023年、2024年、2025年1Q(〜3月28日)の騰落率を示しています。

2023年2024年2025年1Q
Dow Jones13.7%12.9%-2.3%
S&P 50024.4%23.3%-5.1%
Nasdaq43.4%28.6%-10.3%


グラフから分かるとおり、短期のアップダウンを無視すれば、2024年は各指数ともにほぼ一貫して上昇し続けました。


アメリカのインフレ(物価上昇)がある程度落ち着いてきたことを受けて、連邦準備銀行(FRB)は2024年9月、11月、12月と年3回の政策金利の利下げを行いました。政策金利目標は年初の5.25~5.50%から年末に4.25~4.50%まで1.0%下がりました。ただし、インフレの抑制は期待した程進んでおらず、利下げのペースも当初想定されていたものより遅れるかたちになっています。

株式市場が好調だった背景には、上記の利下げの影響のほかに、押し並べて企業業績が好調だったことや、生成AI関連需要が増加したこと等がありました。2023年に引き続き、GAFAMといったメガテック企業やエヌビディアの株価が上昇トレンドを牽引しました。グラフや表からも、ハイテク企業銘柄で構成されるNasdaq指数が特に大きく上昇しているのが分かります。

また、11月に大統領選でトランプが勝利してしばらくは(個人的には非常に複雑な気持ちですが、ここではあえて書きません)、彼が提示していた減税や規制緩和への期待から株価が大きく上昇しました。が、2025年1月に彼が大統領に就任してからは、関税政策をめぐる混乱や今後の不確実性などから下落基調となっています。


4. 債券市場

債券(国債や社債)の金利水準は、債券価格はもちろん(金利が上がれば債券価格が下がり、金利が下がれば債券価格が上がる関係)、株価にも大きな影響を与えます。

また、FRBが設定する政策金利は短期金利ですが、その短期金利が長期的にどのような変動をするかという期待を反映するのが長期金利で、今後の経済を見通す上での重要な指標になります。


以下のグラフは、長期金利の代表的指標である米国10年物国債利率の、2024年〜2025年1Qの推移を示しています。


2024年はインフレの沈静化・FRBによる利下げへの期待から、長期金利も夏に向かって低下傾向でした。それが、堅調な米国経済やインフレの高止まりを背景に、利下げのペースが当初想定よりも遅れる見通しになり、またトランプの当選によってインフレ再燃の懸念が高まり、長期金利は2024年末〜2025年頭にかけて再度上昇しました。


当初、2024年には金利が低下して債券価格が大きく上昇すると予想していた経済アナリストも多かったですが、予想どおりにはなっていません。株式市場と同様に不確実要素が多く、債券市場(つまりは金利)がどのように推移するかを予測するのは難しいです。ただし、個人的には長期的な視点ではやはり金利低下・債券価格上昇の方向性で良いのかなと思っています。


5. 仮想通貨市場

最後に仮想通貨に関してですが、株式市場と同じく2024年も引き続き好調でした。ビットコイン価格は年間で約120%、イーサリアム価格は約50%上昇しました。

大きなニュースとしては、アメリカで2024年1月にビットコイン現物のETF(上場投資信託)が承認され、同7月にはイーサリアム現物のETFが承認されました。ETFの承認により投資家がビットコインやイーサリアムに投資しやすくなり、仮想通貨全体の価格上昇につながりました。

もう一つのニュースとして、仮想通貨推進派のトランプが大統領選挙に当選したことも強い追い風になりました。


しかし、これまた株式市場と全く同じように、2025年2月以降は仮想通貨市場も下落基調に転じています。個別に見ると、ビットコインの下げはそれ程でもなく仮想通貨の王者の貫禄を感じさせますが、イーサリアムに関しては2024年の上昇分を打ち消して、2023年末の価格も下回るようなきつい下げになっています。

とは言え、仮想通貨に長くお金を入れている人なら、仮想通貨の価格のブレ幅が株価の比でないことくらい分かっているでしょうし、それこそが魅力と感じている人も多いでしょうから、短期の変動に一喜一憂するならやらない方がマシでしょう。



これから2025年2Q(第2四半期)。全ての市場において何が起こるのか、全く分からないというのが正直なところです!