- November 9, 2020
アメリカ大統領選挙の一週間
アメリカ東部時間の11月7日(土)の午前11時半頃、CNNで民主党のジョー・バイデン大統領候補の当選確実が報じられました。 その直後から、私が住むアパートの近所では歓声が沸き起こり、通り過ぎる車はクラクションを鳴らして祝福していました。民主党支持者が圧倒的に多いニューヨーク市では、街中に人だかりができて盛り上がり、まるで戦争にでも勝ったような歓喜に包まれました。久々に暖かく、天気も良い一日でした。 それにしても、刻々と伝えられる選挙の行方に翻弄された一週間でした。前回のブログで、事前調査の情報をもとに「バイデン候補が激州も含めて優位なまま進んでいるようで、普通に考えればほぼ決まり...」なんて書きましたが(汗)、今回の大統領選でまたしてもメディアの予想はかなり外れ、結果が何日も決まらない大接戦になりました。私自身も含め、アメリカに住む人の気持ちはローラーコースターのように上下したと思います(笑)。 自分の記録のためにも、一週間を振り返ってみます。 選挙前 そもそも、私はアメリカの市民権を持っていないので、アメリカでの選挙権はありません。なので、これまでは選挙結果がどうであれ対応して生きていくのみ、というスタンスでした。 しかし、トランプが大統領になると、彼は自身の保守的な支持層を意識して、移民を制限したりLGBTの権利を後退させるような政策を推し進め、私のようなマイノリティがアメリカで生き辛くなる状況を作っていきました。今夏の「Black Lives Matter」の人種差別反対運動に対しても、強権的な姿勢で対処しました。 また、株価が上がるなど良いことがあれば自分の手柄、悪いことがあれば人のせいにし、自分を批判する人達やメディアをTwitterなどで罵る姿を、毎日のようにニュースで聞かされることにもうんざりでした。 さらに、決定打として、新型コロナウィルスの感染拡大に対しては、専門家の見解を聞かず、ウィルスはすぐなくなるだの科学に基づかない言動を繰り返し、人命軽視とも思える態度で、当初感染が爆発していたニューヨークで生活している私達をとても不安にさせました。コロナが広がり始めた時点でどんな対応が正しいかを判断するのはどの国でも難しく、自分の政権時にパンデミックが起こったのは不運でもあったと思いますが、一国のリーダーとして責任を持って危機に取り組む姿勢を見せて欲しかったと思います。 私としては、あと4年間トランプを見続けるのは我慢できないという思いで、政権交代を望むようになりました。周りの友人の多くも、BLMのデモに積極的に参加したり、大統領選挙でのバンデン候補の支援をFacebook等で呼び掛けたりしていて、そういった影響も受けました。 ニューヨーク市では、先月末に期日前投票が始まってから、毎日のように投票所に長蛇の列が出来ていました。今回の選挙で必ず意思表示をしなければならないという有権者の強い意識を感じました。世論調査ではトランプに不利な状況だということで、流石にトランプの二期目はないだろうと期待していました。 11月3日(火)投票日 3日の投開票日には、東海岸の午後7時頃から順次投票が締め切られ、開票が東部→中部→西部と進んでいくことになっていました。 開票の開始が近くにつれ、私は仕事中ながら気がそぞろになり...いくつかの選挙予測サイトで激戦州の結果予想をチェックしました。大抵の激戦州では、トランプが追い上げてはいるもののバイデンがリードを維持していて、そんなに心配する必要もないだろう、と気持ちを落ち着かせました。 そのうち、東部各州の開票速報が順次入ってきました。東部の注目の激戦州としては、まず毎回接戦になるフロリダ州、そしてジョージア州、ノースカロライナ州、オハイオ州などです。 フロリダ州(選挙人29)は、トランプがここで負ければもう終わりかと言われていた州で、開票当初はバイデンがリードしていたので、ここで決まるといいなと思っていたのですが...その後にトランプの票が急速に伸びて巻き返し、日付が変わる頃にはトランプの勝利が確実になったと伝えられました。 オハイオ州(選挙人18)でも開票してから結構あっけなくトランプの勝利が確実になり、ジョージア州(選挙人16)・ノースカロライナ州(選挙人15)でも票差は小さいながらトランプがリードしていました。 そして、共和党の牙城ながら今回はバイデンがかなり善戦するかもと言われた南部テキサス州でも、実際にはトランプが余裕のリードで勝利しました。 […]