4. 株式市場
米国株式市場
2025年の米国株式市場はボラティリティの高い激動の一年になりました。
以下のグラフは2025年の米国主要株式インデックス指数の推移を示しています。下からDow Jones、S&P 500、Nasdaqです。

(Source: Yahoo! Finance)
2025年4月に米トランプ政権が諸外国への関税の大幅引き上げを発表し、株価は一時大きく下落しましたが、結局関税引き上げは延期され、米国と諸外国との間で関税交渉が進展したことによって、株式市場は急回復しました。また、米国経済が想定より底堅く推移したことも株価の上昇に寄与しました。グラフからも分かるとおり、一年が終わってみれば主要株式インデックスは全て前年末比で大きく上昇しました。
また、以下の表は3つの株式インデックスの2023年、2024年、2025年の上昇率になります。
| 2023年 | 2024年 | 2025年 | |
| Dow Jones | 13.7% | 12.9% | 13.0% |
| S&P 500 | 24.4% | 23.3% | 16.4% |
| Nasdaq | 43.4% | 28.6% | 20.4% |
2025年の上昇率は、2023年や2024年と比べると若干鈍化しているようにも見えますが、それでも歴史的に見れば高水準で、3年間に渡って強気相場が続いています。
相場の上昇を牽引したのは、2024年に引き続きAI関連銘柄やAIに大規模投資を行うメガテック企業でした。AI関連株が急騰しているため、「AIバブル」という言葉もよく聞くようになりました。この傾向は、米国大手企業500社の株価を反映するS&P500指数より、ハイテク系銘柄が中心となるNasdaq指数の方が高い上昇率を示していることろにも表れています。
今後もAIへの期待は続くと思われる一方、市場の期待が一部の銘柄・セクターに過度に集中しているリスクもあり、2026年以降の動向については強気派と慎重派で見方が分かれているようです。
また、以下で紹介する米国の金利動向も株式市場に大きく影響するため、今後の金利の行方には注意が必要です。
日本株式市場
私は日本株は保有していないのですが、日本の市場動向についても簡単に触れます。
2025年は、日本株式市場の主要インデックス指数である日経平均株価とTOPIXがそれぞれ26%、22%という大幅な上昇を記録し、いずれも米国株式インデックスの上昇率を上回りました。
米国市場と同様、年初〜4月にかけてはトランプの関税政策を受けて株価が一時的に落ち込みましたが、以降は持ち直し、10月に高市新政権が発足すると成長重視路線の政策が期待されて株価は更に上昇の勢いを増しました。
高市政権になって進行した円安も、輸出企業の収益を押し上げる効果のため一部株価の上昇に貢献しましたが、輸入品のコスト上昇と物価のインフレにも繋がるため、行き過ぎた円安は今後の日本経済にとってマイナスな面も大きいと考えられています。
市場関係者や専門家(と言われる人達)のコメントを見ると、2025年の株価上昇モメンタムが2026年も継続するという見方が強いようです。一方で、日本株式市場の過熱感への警戒、海外の政治経済の不安定要素、また日本の金利上昇局面を考慮して弱気な予測もあります。
5. 債券市場
債券(国債や社債)の金利水準は経済活動に大きな影響を与えるので、その動向が注目されます。
以下のグラフは、長期金利の代表的指標である米国10年物国債利回りの2025年の推移を示しています。

(Source: Yahoo! Finance)
一年を通してみれば、米国長期金利は下落傾向でした。連邦準備銀行(FRB)による政策金利引き下げへの期待を背景に、2025年の債権市場のリターンは比較的堅調でした。(金利が下がれば債券価格が上がるため。)
FRBは2025年9月、10月、12月に3回利下げを実施しましたが、関税等の影響で米国のインフレ率が高止まりしている状況を踏まえ、今後の追加利下げのタイミングについては慎重な姿勢を見せています。想定より遅い利下げペースを反映し、2025年終盤からは米長期金利は高止まりしています。
米国とは対照的に、日本では長期金利が大きく上昇しました。背景には、日銀が長年の金融緩和政策を転換し、インフレ抑制のために政策金利の利上げに舵を切っていることがあります。日米の金利差の縮小が進むことにより、行き過ぎた円安が食い止められ円高に振れることも期待されます。
ところが、日銀が2025年12月に利上げを決定した際には、為替は期待とは逆に円安に振れました。高市政権の積極財政政策に対する懸念が強く、またインフレのスピードに利上げが追い付いていないといった要因が説明されています。
2026年も日米双方の金利の動向(利上げ・利下げのタイミング)、その市場への影響について注視していく必要があります。
6. 仮想通貨市場
仮想通貨市場でも、2025年は波乱の一年になりました。
年初〜中盤にかけては、仮想通貨ETFへの資金流入や機関投資家の参入意欲の高まりを反映して上昇基調となり、10月頭にはビットコインが過去最高値の約$126,000を記録しました。しかし、10月10日にトランプ大統領が中国へ追加関税を課すと発言した(後に撤回)ことをきっかけに、先物市場で大量のロスカット(強制精算)が発生して価格が急落し、以降市場ではリスクオフムードが強まりました。年末にかけてビットコインはピークから30%以上も下落しました。
結局2025年を通して見ると、ビットコインは約6%、イーサリアムは約11%下落し、2022年以来の下落となりました。
ビットコインなどの仮想通貨は、株式市場との相関性が強まっていて、米国の株式の動向や政治経済の影響を受けやすくなったと言われています。しかし、10月のトランプによる追加関税発言が株式市場に与えた影響は一時的なものであった一方、仮想通貨市場はそれ以降低調な状態が続いたままです。
仮想通貨ETFへの新規資金流入の鈍化、戦略的にビットコインを保有する企業(例:ストラテジー社)の買いの鈍化等が影響して価格回復力が弱まっており、当面はボラティリティの高い環境が続くのでは、という見方もあります。
また、ビットコインを保有する企業が今回の急落を受けて巨額の含み損を計上するなど、機関投資家側のリスクも顕在化しました。
とは言え、長期的な視点からは底堅い需要の継続に対する期待もあり、果たして2026年はどうなるでしょうか。
7. その他
2025年を通して最も良いパフォーマンスを見せた資産クラスは、金や銀といったコモディティでした。金価格は約70%、銀価格は約2.4倍も上昇し、過去に例を見ない驚異的な上昇となりました。
ロシア・ウクライナ戦争等の地政学的リスクに加え、米トランプ政権による関税政策等の政治的不安定性、またインフレ・ドル安(日本では円安ドル高であっても世界的にはドル安です)のヘッジとして、安全資産である金や銀が買われているとのことです。特に、各国の中央銀行による金の大量購入が近年の金価格高騰の主要因と言われています。
不安定な政治経済情勢を踏まえると、金や銀といった伝統的な安全資産を持っておきたいと思うのは理解できますが、ここ一年の価格上昇は急激過ぎるように見えます。現在は日によって乱高下していますし、どういうタイミングで買うべきかは難しい判断になると思います。
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